ハンドメイズテイル侍女の物語 シーズン2 10話 「最後の儀式 /The Last Ceremony」【TheHandmaid'sTale】

2018/11/03

SF Simoom ハンドメイズテイル侍女の物語 ハンドメイズテイル侍女の物語 シーズン2 近未来

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あらすじ



2018年8月29日(水)~Huluでシーズン2 日本初配信 (全13話)
(アメリカ配信 2018年4月25日~)

(2018年8月29日(水)、毎週水曜日に1話ずつ追加配信予定)
 
 

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第10話 最後の儀式

(これは、仕事。
なるべく早く済ませたい不快な仕事。
キスは禁止。だから耐えられる。
心を切り離して――状況を描写する。
これは交尾、受精と言ってもいい。
蜂と花の関係でしかない。
心を閉ざし、自らの存在を消す。
肉体から、
意識が彷徨う)

儀式が終わると男はその場に倒れた。
妻は慌てて男に駆け寄る。
「ロイ!」
エミリーに助けを呼んでと言う。
「授かるために横になってないと」
エミリーは身動きもせず言った。
妻が出て行くと、エミリーは立ち上がり、
倒れた男を思い切り蹴ってみる。
ロイは動かない。今度は股間目掛けて思い切り脚を踏み下ろした。


精肉店

動物の頭が並ぶ精肉店の中、
ジューンの耳にエミリーの噂話が聞こえてくる。

イーデンの横にはアイザックがピッタリ寄り添っている。
「カスタードパイを作るつもり」
イーデンがジューンに話し掛けるが、
「そう」とジューンは相変わらず素っ気ない。
アイザックが「美味そうだ」とイーデンに言う。
「ビスクかシチューも作るわ」
イーデンは嬉しそうに続けた。

ジューンは、そっとエミリーに近づく。
そこで一瞬、激しい腹痛に襲われる。
...大丈夫だ。
エミリーに声を掛けた。
赴任先が変わるのだと、傍にいたジャニーンがジューンに教える。

「モイラがカナダにいる。脱出できたの」とジューンが2人に言うと、
ジャニーンは喜んだが、エミリーの反応は薄かった。
「聞いてる?諦めちゃダメ。息子さんに会える」
ジューンはエミリーを励ますが、
エミリーはもう自分には母親の資格がないと言うのだった。
必死に励ますジューン。
その時、再び激しい痛みがジューンを襲った。
陣痛が始まったのだ...。


陣痛

ジューン達が救急車で屋敷に到着する。
出迎えたニックがジューンの手を取り気遣う。
ニックに支えられ、微笑み合いながら階段を上るジューン。
その様子をイーデンとアイザックが、無言で見ていた。

セリーナが笑顔で出て来てジューンの前に跪くと、
お腹に手と額を当て聖書の一節を唱えた。
「やったわね。
これは、神の御心よ。喜び祝わなくては」
興奮気味のセリーナにジューンは、
「神の心は誰も知らない」
と冷ややかに返し、屋敷の中へ入って行った。


出産の儀式

出産着に着替え髪を下ろしたジューンは、寝室のベッドを見下ろす。
(少なくともここに横たわるのは最後だわ)
ジャニーンが背後から抱き着いてくる。
ジューンのお腹に手を当て、「こんにちは、赤ちゃん」と挨拶する。
リディアや大勢の侍女たちが集まり甲斐甲斐しく儀式の準備が始まった。

「神の祝福です。何て喜ばしい日でしょう」
リディアは喜びで満ち溢れている。
侍女たちも皆笑顔だった。
そんな中、エミリーの顔だけは険しかった。


準備

キッチンには大勢のマルタが集まり、リタを手伝っていた。
書斎にはスーツ姿の男たちが集まり歓談している。
ニックは出入口付近で待機していた。

フレッドがウォーレンにアンジェラの様子を訊く。
「体重が増えた、神のお陰だ」
そこに「ホレイス」司令官が来る。
「ホレイス司令官にもお祝いを言わねば」とウォーレンが言う。
妻が妊娠したことで昇格したのだ。
「おめでとう。では、侍女要らずだな」とフレッド。
「他の司令官たちも我々同様、授かれるよう祈る」とホレイス司令官は返した。

また別の司令官が入ってくる。
「うちの侍女はじき任期切れだ。いい女じゃなくてね。君のところは?」
「少なくとも――、子を授かった」
「見た目もいいんだろ」
出入り口に立つニックは、その会話を忌々し気に聞いていた。


リディアの知らせ

青い夫人たちは居間へ集まり、出産の真似事が始まろうとしていた。
セリーナもジューン同様白い出産着を纏い、髪の毛を下ろしていた。

セリーナの横にナオミが付き添い背中をさすっている。
「授かって当然よ」
「ありがとう」
セリーナは、始終穏やかな笑顔見せる。

ナオミに付き添われ、出産用寝床へと沈むセリーナ。
回りには青い夫人たちが囲む。

「深く吸って...主に感謝を」
ハープが奏でられる中で、セリーナは大きく深呼吸した。
足をマッサージされながら...
ゆっくりと大きく呼吸する...
「大丈夫よ、神が着いてる」
「その調子よ」
息を吸って...息を吸って......吸って...

喜びで満たされているセリーナをリディアが呼びに来る。


セリーナの失望

セリーナを筆頭にリディアと青い夫人たちが寝室へ集まった。
ベッドの真ん中には大きなお腹を抱え座るジューンがいた。

「前駆陣痛は見分けにくい。
次は、陣痛の間隔を考慮しないとね」とリディアはセリーナに言う。
「すみません、夫人」ジューンはセリーナに謝った。
セリーナは、自分の失望を嘲笑われている様に感じ取った。


男たちの集う書斎へも連絡が回った。


診察

「子宮頚管が閉じてる。全く展退してない。
まだ、産まれないでしょう」
と往診に来た医者の判断が下された。
諦めきれないセリーナは、
「今日産ませて」と頼むが、医者とリディアは反対した。
しかし、胎児が大きいので帝王切開を避けるために、1~2週間中に分娩させたい」
と医者は言う。
リディアが、
「焦らなくてもいい。お産はじき滞りなく済んでオブフレッドは次の任地へ移る」と言う。
セリーナは、「別の地区の家へ」と続けてから、
「気分転換になる」と付け足した。
「そうですね、夫人。愉しかった。
でも、もう顔を合わせない方がいい」とジューンが言い返すと、
リディアはジューンを睨み首を横に振りながら医者と共に部屋を出て行った。


ジューンのお願い

ジューンはフレッドの書斎を訪れる。
ジューンのお腹に手を当てるフレッドに、
「頼みがある」とジューンは切り出した。

「私は一人子供を失ってる。この子も失う。
娘のいる地区に異動できたら慰めになります。お願い。
あなたの力で叶うなら是非」
とハンナの住む地区への異動を申し入れたのだ。

「何様のつもりだ?私の力を推し量るとは」
ジューンの言い様に怒りを露わにしたフレッドは、
「私が寛大過ぎた。手ぬるかった」
と、ジューンに出て行くよう指示した。
ジューンが動かずにいると今度は大声で「出て行け!!」と叫んだ。

絶望で満たされたジューンはドアへ向かって歩き出す。
しかし、戻って捨て台詞を吐いた。

「解ってもらえると思ったのが間違いだった。
あなたには、親の気持ちが理解できない。
肉と血を分けた我が子を授かれないから。永遠にね」


セリーナとフレッドの計画

温室で険しい表情で植え替え作業に没頭するセリーナの元へフレッドが来る。
ジューンは、妊婦の生活を愉しんでいるとセリーナが言うと、
「自分の立場を忘れている」とフレッドも言う。
「陣痛促進剤は使えない」
「産まれるのを待つしかないな」
「そう思う?」
「お産を早める方法はいくつかあるだろうが...」
「自然な方法が一番いい」とセリーナは言った。
フレッドはセリーナの思惑を理解するしかなく、
小さく頷き了解するのだった。


呼び出し

部屋で独りお腹に話し掛けるジューン。
「よく訊いてね。これがママの声よ。愛してる。
これからもずっと...わかった?」
そこへリタが呼びに来る。
リタはジューンに、「私が”ママ”の話をする」と元気づけた。

ジューンがセリーナに呼ばれ行くと、
寝室は薄暗かった。
セリーナはベッドに腰掛け隣に座る様指示した。
ジューンが素直に応じベッドの端に座ってセリーナを見ると、
足音がしてフレッドが現れた。
フレッドはドアを閉めた。
セリーナはジューンの手に自分の手を乗せ、
「自然な方法でお産を早めたい」と言い今度は手首を掴んだ。
「イヤです。お願い」とジューンは頼むが、セリーナは力を込めた。
「セリーナ、こんなこと必要ない」
「黙って」
「こんなやり方間違ってる」
必死に抵抗するジューン。
「オブフレッド、従って」と言うセリーナにジューンは抵抗し続けた。
「お願い、止めて」
後ろからフレッドがジューンをベッドへ押し倒す。
セリーナはベッドへ上がり全身でジューンの両手を抑え込んだ。

「”侍女のビルハがいます””彼女が私の上で子を産めば わたしもまた子を授かれる”
”そして彼はビルハに入った”」
必死に抵抗するジューンの上でフレッドは聖書を読みながら儀式を始めた。

(これは仕事。
心を切り離す。
蜂と花の関係でしかない。ただ、それだけ。
存在を消す。肉体から)



(私はいない)

2人がベッドから離れても
ジューンは瞬きもせずにそのままの体勢で宙を見ていた。


イーデンとアイザックとニック

儀式の後片付けでリタとイーデンは忙しくしていた。
ゴミを捨てに外に出たイーデンが気配を感じ振り向くと、
アイザックが立っていた。
吸い寄せられるように近づいたイーデンは、
アイザックの手を取り口づけをした。

ニックは部屋から出てきて階段の踊り場で煙草を吸い始める。
イーデンとアイザックが目に入るが、そのまま吸い続けた。

ニックに気づいたイーデンが慌てて戻って来るが、
ニックはそのまま部屋へ入った。

部屋へ入るなり跪いて謝るイーデン。
「許して、過ちだった。あなたと神に背いた」
しかし、ニックは「気にするな」と言うだけだ。

「怒らないの?どうして?」
逆に問い詰めるイーデン。
「あなたは、私を見ないし触れようとしない!
あれが初めてのキスだったのよ!
私は、妻なのよ。浮気したと怒って」
それでも、何も言わず酒をグラスに注ぐニックを見てイーデンは、「あの侍女ね」と言う。
「好きなんでしょ?どうして?」
「侍女と関係など持ってない。自殺行為だ」
「じゃあ、私が嫌いなの?」
「すまない」
イーデンは声を上げて泣き続けた。


サプライズ

翌朝、フレッドがジューンの部屋へ来て、
「サプライズを用意した」と言う。


車に乗り込むジューン。
フレッドは、行先が書かれたメモをニックに渡す。
「セリーナが気づくから3時間で戻れ。行けばわかる」
ジューンのおでこに「ご褒美だ」とキスし、
ニックに「誰にも見つかるな」と言った。

道中、ジューンの様子を見てニックが話し掛けるが、
ジューンは何も応えなかった。


車は大きな屋敷に辿り着いた
屋敷の前にはもう一台黒い車が停車していた。

ジューンは、ニックと屋敷の中へ入る。
人気のない屋敷の中。
家具は皆白い布が被されていた。

奥から出て来た”守護者”がジューンに、
「10分だ」と言う。

ジューンが部屋へ入ると、マルタと一緒に少女がいた。

ハンナだ!

駆け寄るジューン。
夢中でハンナを抱き締め、何度もキスをする。
しかしハンナの反応は薄い。ジューンの手から逃れると、マルタの後ろへ隠れてしまった。

「今日、誰に会うか話したわよね」

何度も『ハンナ』と呼ぶジューンにマルタは、
「今の名前は、『アグネス』」と訂正した。

「ごめんね、怖がらせちゃって。会えて、嬉しくて...
ママよ。覚えてる?」
ハンナは頷く。
「私のハンナ」

「痛かった?」
唐突にハンナは、捕まった時の話を始めた。
「頭を殴られたでしょ」
大丈夫だった、と応えたジューンに続けて訊く。
「私のこと捜した?」
ジューンは、必死に探したことを伝え、見つけられなかったことを謝った。
そんなジューンにハンナは言う。
「いいよ。今は新しい両親がいる」

ジューンはハンナの顔を両手で包み込み訊いた。
「新しいご両親のことを教えて。2人のこと好き?」
言いながらジューンは虐待の跡がないか探す。
ハンナはジューンのお腹を見て、「赤ちゃんがいるんだね」と言った。
ジューンが肯定するとハンナは、「一緒にいられるの?」と訊いた。
「いいえ、育てられない。でもいい?あなたが最初の子。ずっとママの子よ」

「時間だ」と、”守護者”が言うと、
すぐさまマルタがハンナの手を取りその場を離れる。
追いすがるジューン。
「もう少しだけ時間をちょうだい。お願い」
ハンナに言いたいことがあると。
「ママはずっとあなたのお母さんだからね。
パパもママもあなたを愛してる。どんな時もよ。わかった?」


 ジューンは続ける。
「ママのお願いを訊いて。
愉しく生きて。ご両親を大切にするのよ。言いつけをちゃんと守って。
用心してほしいの。あなたに無事でいてほしいから」
そう言うとジューンはマルタに約束させる。
「この子をお願い、どうか守ってやって。愛してやって」
「任せて。約束する」

ハンナはまたジューンに会えるか訊く。
ジューンは頑張るとしか応えられずにハンナを抱き締めた。

再び引き離されるふたり。
ハンナが抵抗して泣き始める。
「ママ!イヤだ!放して!ママー!」
無理やり外へ連れ出されるハンナ。
止めるニックの腕を払いのけジューンは外へ飛び出した。


降りかかる雪の中、ジューンとハンナは最後の抱擁をした。
「大丈夫よ。大丈夫。
さぁ、もう行って。強くならなきゃね」
と言うと、ハンナを優しく諭す。
「マルタと手を繋いで。車に乗って。おうちに帰るの」
そして再びきつく抱き締めた。



ハンナが去り泣き崩れるジューン。
そんなジューンをニックは抱き締めた。

そこへ、他の車がやって来る。
ニックとジューンは素早く屋敷へ入り
ニックはジューンに出て来るなと言い残し出て行った。

窓から外の様子を伺うジューン。
車から2人の男が出て来てニックに誰何する。
誤魔化しながらニックは銃を持った一人に躍りかかった。
次の瞬間、銃声が響き、うなだれた状態のニックが車に担ぎ込まれる。
車はそのまま行ってしまい、ジューンが乗ってきた車も男たちに乗り去られた。
慌てて外へ飛び出すジューン。
雪に覆われた白い林の中、ジューンは途方に暮れるのだった。


かんそう

姉さん、事件です!
取り残されてしまいました。
え?
どうするジューン。
お腹大きいまま...車もねェ。ケータイもねェ。自分がどこにいるのかさえもわからねェ。
東京さ~出るべェ~。
お手上げですなぁ~。

やっとこさ、ハンナと感動の再会を果たせたのにィ~。
ハンナの(ジューンへの)反応が切な過ぎて、
最初はどうなっちゃうんだよと思いました...
ハンナの反応もそうだよね~素直な感情だよねー。
捨てられたって思っちゃうのもわかる。
「ちゃんと探した?」ってー。
ジューンも辛いやねぇ。
うん、でもやっぱり血の繋がった母娘。
最後は打ち解け合って...よかったぁ!
泣けるーぅ。
でも、その分別れが切ない切ない切ない。
久しぶりに泣いちゃった...

来週が楽しみ過ぎますなぁ。


分裂びょ(オット!)...ビリーミリガン夫婦、今回はまたもやヒール化!
鬼畜か!!悪魔の所業です。
おぞましすぎますよ。

そんなにか!
自然に穏やかにお産させてやれよ。
そうすれば、ジューンだってあんなとこに独り取り残されてしまうこともなかったのにね。
バカか、お前らは!

まあ、順調にお産するって展開じゃ面白くないかんね。
前駆陣痛だってさ。そんな症状あるんだねぇ...
セリーナの幸せそうな笑顔からの~能面のような恐ろしい顔!...ったらないです。
ベッドの上で、お腹さすってるジューンのドヤ顔も凄かったけど。
エミリーもセリーナを嘲笑ってたよね。
その分、今回のリディアはとってもいい人に見えちゃった。
やっぱり、帝王切開とか薬は極力使用しない自然分娩がモットーなんだねギレアドは。
で、で、自然にお産を促す=レイプですか!?
怖すぎだわ。全く。
恐ろしいドラマ~
あのシーンもう2度と観たくないです。
ぞわりとしちゃうよ。


そして、事件2。
イーデンとアイザック。キス...しちゃったねええ。
まあぁねえぇぇ。
前回、イチゴも見たことのない世界の若者代表って感じで現れたアイザック。
イーデンと歳も近いしね。
もう自然な流れよね~。
イーデンの作る料理を楽しみにしてる彼はキュートで可愛かったね!
アイザックとイーデン、
お似合いのカップルだと思います、ハイ。
いっそ応援しちゃうよ。早く、イーデンを幸せにしてあげてー。

でも、ニックも心配。
ジューンたら、お腹の子はフレッドの子じゃないってとうとう言ってもうてん...
肉と血を分けた我が子を一生授かれない!って。
もしやそのせいで、怒ったフレッドがニックを消しにかかった?
飴とムチ。ジューンには娘をニックには死を...死んだの..か?

あ、アイザックに殴られたジャニーン。
無事でよかったぁ~
元気いっぱい今回も天使のようにあどけなかったぁ。

ジューンは真っ白な雪の中どうするのかなぁ。
とりあえず、歩いてみる?ヤバくない?
きっと、適当なとこでフレッドが登場して、
ジューンの運命は自分の手の中にあると思い知らせるヤツでしょ。
きーちーく!きーちーく!

がんばれ、姐さん!負けるな、姐さん!

ところで、最後の儀式ってどれのことだったん...?!


(イラスト&文:Simoom)

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