あらすじ
2018年2月28日(水)~Huluでシーズン1日本初配信 (全10話)
(アメリカ配信 2017年4月26日~)
(2018年2月28日(水)1~3話一挙放送、以降毎週水曜日に1話ずつ追加配信予定)
前話、シーズン1(1~3話)はこちら
第4話「メッセージ」
家族3人で遊園地を楽しんだあの時を、ジューンは思い出していた。
(考えてはだめ。キケンだから。浸り過ぎると現実に帰れなくなる)
メッセージ
セリーナに閉じ込められて13日くらいが過ぎた。ジューンは、下着姿で髪の毛もほどけていた。
(鍵はかかっていない、扉は開いてる。私を見張るかのように)
木戸をこじ開けて光を入れようとするが、開かなかった。
ジューンは、このまま思い出に浸り過ぎてはキケンだと、
とにかく行動することにした。まずはクローゼットの扉を開けてみる。
柱に言葉が刻まれているのを見つける。横たわらないと見えないところに。
誰にも見つからないように、オブフレッドからオブフレッドへ送られたメッセージだ。
ジューンの前のオブフレッドからだと推測する。
「私へのメッセージ」
しかしラテン語で書かれたそれは、読むことが出来なかった。
(これを書き残しただけでも勇敢だ。読めないけれど、ありがとう)
センター(回想)
ジューンとモイラが隣り合わせでトイレに入ってる。壁には、相手の目が見えるのがやっとな小さな穴があった。
モイラは、鉄の切れ端で壁に落書きをしているようだ。
「バレたら手を切り落とされる。割に合わない」と(小さな声で)諭すジューン。
「合うでしょ。私たちの後に来た子が、これを見たら勇気づけられる」
扉の外で見張っている「おば(センターの教官)」が早く出ろとせかす。
「待ってください、月のモノが重くてね」と返し、モイラは落書きを仕上げた。
”リディアおばはクソ女”
壁の穴から指を1本出すジューン。モイラは、その指に握手をし出た。
朝食
ダイニングテーブルでPCを開きながら朝食を摂るフレッド。昨夜、”おば”の一人が脱走してすでにカナダへ渡り、
トロント・スターにインタビュー(暴露)記事が載ったのだ。
セリーナが、
「文書で見解を出して。彼女は、信用できない人物だと示唆するの」と口を出すと、
「君が心配する必要はない、男の仕事だ」とフレッドは撥ね付けた。
ジューンに食事を運んできたリタは、
クローゼットから投げ出された白い足に驚きトレーを取り落とした。
ジューンは、ちょっと眩暈がして、と言い訳した。
セリーナは、ジューンを医者へ連れて行かなければと言うリタに、
必要ないと冷たく返すも、今夜儀式だと言われ考えを改めた。
儀式の練習(回想)
円形に配置された10台のベッドの上には、それぞれ2人1組で侍女がいる。一人が大股を広げて座りその股の間にもう一人の侍女が寝る。
侍女ヘレンが、出産の練習ですかと訊くと、挙手せずに質問したことを怒られる。
「確かに出産時の体勢と似ていますが、これは儀式を想定した練習です」
と、”おば”は答えた。
「月に一度、受胎可能な日に司令官の妻が広げた脚の間に侍女が横たわります。
2人は一体となるのです。一輪の花となり、種付けを待つ」
それを聞いた侍女たちは絶句する。
ジャニーンは、身体を起こし「花だって」と嬉しそうに言う。
相方のモイラが寝てなさいと注意すると、
「何よ。素敵じゃない」と言いながら元の体勢に戻った。
後ろのひとは前のひとの腕を掴んで、と”おば”が指示を出す。
モイラは挙手し
「つまり、儀式というのは...男と交わるんですか?妻の脚の間で」と質問した。
リディアは、聖書の一説を唱える。
「子供を授かれないと知り ラケルはヤコブに言った ”子を与えてくれなければ死にますと”
”侍女のビルハがいます””彼女に入って””彼女が私の上で子を産めば””私もまた 子を授かれる”」
そして「神の言葉です。従わなければ」と締めくくると、
ベッドからはみ出したモイラの足を蹴り、皆に続きを行うよう命じた。
診療所
監視の武装した男にエスコートされ、ジューンは診察室に入った。ケープと翼を置き、そして素早く下着を取ってカーテンで間仕切りされた診察台に横たわった。
医者の顔はカーテン越しで見えず、シルエットだけだ。
「カルテによると今晩儀式だね。それも関係してるかもな」
と言う医者に、ジューンは当たり障りのない返答をする。
無力だが話ぐらいは聞けると更に言われるが、ジューンは答えなかった。
「周期は予定通りだ、意味はないがね。司令官のほとんどは種なしだ」
(種なし...禁じられた言葉。そんな男は存在しないから。産める女と産めない女がいるだけ)
すると、医者は診察室に鍵をかけた。
それから、力になろうと言いジューンのあらわになっている太腿を持ち
「授からなくて責められるのは司令官ではなく君だ」と言い、
カーテンの向こうからひょっこり顔を出した。
「ほんの数分で済む」
ジューンは、「ムリです、キケン過ぎます」と拒絶した。
帰りの車中
ハンナに思いを馳せ、遊園地の続きを夢見ている。「いい子ね...愛してるわ。...ママは愛してる」
思わず口に出る。
涙が溢れ、運転席との仕切りガラスを叩き暴れ出した。
「もうイヤ!クソ!どうしてよ!このクソったれ!!」感情を爆発させるのだった。
ニックはジューンの様子を気にしながらもただ運転するだけだ。
屋敷に到着するとニックは、「気の毒だ。俺は...」
途中まで言いかけやめる。
涙を浮かべるジューンに手を差し伸べるが、
ジューンは、その手を借りずに車を降りた。
ジューンは、セリーナに診察の報告と改めての謝罪をし、
部屋から出してほしいと懇願した。
「夫人の期待を裏切りました。後悔しています。同じ過ちは犯しません。学びました。反省しています。
だから...もう出して...お願いです」
しかしセリーナは部屋へ戻るよう言い渡すのだった。
部屋へ戻ったジューンは、再びクローゼットの扉を開けると、柱の言葉に手を置く。
「なぜ耐えられたの?どうか、教えて」
”心清き人々に祝福あれ 天の国は彼らのもの””心清き人々に祝福あれ”
脱走(回想)
ジューンは「エリザベス(おば)」を呼び止めると、トイレの水があふれてますとトイレへ呼び込んだ。エリザベスが個室に入ると、モイラが後ろから突き飛ばし、鉄の切れ端を首にあて脅す。
ジューンはすかさずおばの電気棒を奪った。
「少しでも音を立てたら首を刺す。本当にやるよ」と念を押し、人の居ない地下室へ連れて行く。
電気棒を押しつけ身ぐるみをはがすと柱に縛り付けた。
モイラはおばの脱いだ服に着替え、侍女姿のジューンと連れ立ち出入り口へ急ぐ。
センター内は、政府の武装した男たちだらけだ。
モイラは(おばの)身分証を見せゲートをくぐった。
儀式
いつものようにジューンは、置かれたクッションにひざまずく。すると、ノックもせずにフレッドが入って来た。
「驚かしたようだね。久しぶりだったから、挨拶したかったんだ」と言う。
ジューンはフレッドを見上げ「ハロー」と言う。
今夜、スクラブルの再試合をしようと誘われる。
セリーナとジューンはいつものようにベッドで一体化して待っている。
フレッドが来て上着を脱ぐ。
サスペンダーを外しジューンの股を広げ、儀式を行う準備を整え始める。
だが、フレッドはしばらくすると素早く身支度し部屋から出て行ってしまった。
セリーナが後を追う。
フレッドと2人きりになったセリーナは、「手伝わせて」と言い、触れる。
それから、しゃがみキスをし出す。
しかしフレッドはそんなセリーナを制止し部屋を出て行くのだった。
戻ってきたセリーナに、儀式は延期、部屋へ帰るよう言い渡される。
(悪いのは私。責められるだろう。彼が儀式の前に話しかけたのは、心を通わせるため。彼には必要だった。
グラスの縁を濡らして指を滑らせると、音がする。今そんな気分。あの音のような気分。自分が粉々になる)
部屋へ戻ったジューンは、クローゼットの扉を開けするりと入ると扉を閉じた。
脱走(回想)
センターの外へ出た2人はここがどこなのかわからないまま歩き続ける。壁には無数の首吊り死体。
何台か荷車とすれ違うが、上にも死体が乗せられている。
2人は地下鉄の駅に到着する。
ボストン行を探す。
確かめるからここに居てと言い、モイラはその場を離れた。
すると、ホームに一人佇む侍女を不審に思った武装の男がジューンに声をかける。
モイラも気づくが、どうすることも出来ない。
そこへボストン行の電車が到着し扉が開く。
ジューンは、モイラに向かって微かに頷く。一人で逃げてと言うように。
一寸迷うもモイラは電車に乗り込む。
連行されるジューンを前に電車は行ってしまった。
センターに連れ戻されたジューンは、拷問用の拘束ベッドにうつ伏せに寝かせられる。
靴下を脱がされ足裏を鞭打たれるのだった。
再試合
(モイラなら行動する。2週間もこんな所にいない。何か方法を見つけて逃げ出す)クローゼットの中に座り込むジューンは、そっと扉を蹴り開けると立ち上がった。
フレッドとスクラブルのゲームをしながら、他愛ない話をする。
出張で疲れているフレッドに、「じゃ、また手を抜きます」と言う。
「寛大な申し出だが、正々堂々戦おう」とフレッドが返す。
ジューンの差した手にフレッドが古語じゃないのかとモノを申す。
辞書を探すため本棚へ行くと、”ラテン語文法書”を見つける。
フレッドは、大学受験でラテン語を勉強したことがあると言った。
(前の侍女もこの部屋を訪れたの?彼女はラテン語を刻んだ。招かれたのは私だけじゃないの?
何があったの?どんな代償を支払ったの?)
再試合が終わり、フレッドはジューンに手を抜いたなと言った。
「再試合をしよう。明日、儀式の後では?」と言うフレッドに、今度はジューンが、デートですねと返した。
頼みがありますとジューンは切り出す。
言葉の意味を教えてくださいと言い柱に刻まれた言葉を口にする。
「どこでそれを?」とフレッド。
どんな意味があるのか尋ねるが、特にないと言われてしまう。
「ジョークだ」と言い立ち上がったフレッドは、本を取りに行き、開いてジューンに手渡した。
そこには、落書きがたくさんあった。
「面白がるのは、ラテン語を学ぶ少年くらいかな。訳せないな。言うなれば...こんな感じだ」
”奴らに虐げられるな”
それを聞いたジューンがお礼を言うと、どこで聞いた?と再びフレッドが尋ねる。
友人からだと答えるジューン。
察したフレッドは、彼女を知っていたのか訊く。
ジューンは、彼女に何が起こったのか訊くと、死んだと言われる。
「自ら命を絶った。首を吊って。なぜかな。耐え難かったのかも、生きるのが」とフレッドが言う。
「だから私には耐えて欲しいと?」
「そう願ってる」
ジューンには、前オブフレッドと同じ道を歩んで欲しくないと願ってることを知った。
そこで、ジューンはセリーナの仕打ちにくじけかていることを正直に伝えた。
「とても辛いんです。あの部屋でずっと独りきり。分かってます、夫人が私を懲らしめるのは当然です。
欠点ばかりだから。でも、これは...長すぎる。私はくじけかけてる。...くじけたくない。友人のように」
「それは、悲劇だ」
翌日
外へ出ることが許されたジューンは、天を仰ぎ深々と息を吸い込み買い物に出掛ける。ニックと目が合い微笑み合う。
屋敷の窓からセリーナがこっちを見ている。
門を出る、ジューン。
脱走して捕まり鞭を打たれた翌朝を思い出す。
ジューンは起き上がることが出来ずにいた。
侍女たちが次々にやって来て順番にジューンの枕元に持ち帰った食べ物を置いて行く。
パートナーの(新)オブグレンと共に歩き出す。
他の屋敷から次から次に出て来る侍女たち。
買い出しへ出かけるのだった。
(前のオブフレッドが道を示してくれた。彼女は死んだ。彼女は生きてる。彼女は私。私たちは侍女)
<女たちよ 奴らに虐げられるな>
MUSIC: Perpetuum Mobile Penguin Cafe Orchestra
かんそう
まさか、ジューンも逃亡未遂事件を起こしていたとは!
ジャニーンは、モイラが死んだって言ってたけど、それってどこ情報?
適当なこと言うと許さないよ~。
その辺の経緯も早く知りたいところ。
でも、おばの一人がカナダへ逃げたという事件も起きたし、
モイラも実は無事逃げ切っていて欲しいです。
ジューンたちの希望の星だったのかもしれないと思うと...
あ、過去形にしちゃった。
対して、前オブフレーッドは自殺とか。
でも現実忌避からの自殺っていうのは本当?
どうやら、前オブフレッドもフレッドから同じ扱いを受けてたっぽい。
ラテン語はフレッドから学んだってことなのかな?
前オブフレッドの事を悔いて気遣ってくれてるのか?
儀式での失敗や、セリーナが仕事に口出ししたときのやり取りとか、
夫婦仲はうまくいってない感じだし。
むしろジューンとの2人の時間のほうが楽し気で、大切に扱っているような。
実はそもそも反体制派なのか?
それとも、更に裏があるのか?
種はない(?)が謎は多いぞ、フレッド!
この些細な綻びからフレッド家、ひいてはこの世界が崩壊していくのかもしれない。
こんな世界で楽しんでる人間がいるのかなって疑問ですもんね。
今回のエピソードの中で一番怖かったのが、診療所の医者。
カーテン越しに顔を出したときは、ゾゾーッとしました。
”シャイニング”か!!
(イラスト&文:Simoom)
つづき、シーズン1(5話)はこちら
0 件のコメント:
コメントを投稿