あらすじ
狙われたプライス
特捜班は、プライスが主催する、「フューチャーシカゴ」という子供を支援する団体の集会を見に行っていた。
娘ジャスミンに紹介されプライスがスピーチしていると、ヤジる参加者もいた。
プライスはボイトから受け取ったケルトンの弱味を今は必要ないからと、まだ使っていなかった。
世論調査ではリードしている。
会場の青少年センターから出て、ボイトが油断するなと忠告していると突然プライスが銃弾に倒れた。
バージェスがヤジを飛ばしていた男が怪しいと後追うが、男は銃を所持していなかった。
犯人の目撃者、映像はなし。
プライスは政治がらみで、いくらでも狙われる可能性がある。
脅迫
プライスの脅迫関連の通報記録の中に、1件気になるものを発見した。
1週間前、プライス宅の庭で揉めてパトロール警官が向かっていたが、プライスが問題ないと追い返していた。
通報したジャスミンに話を聞くと、何回か殺すと訪ねて来ていた男がいた事を知る。
男については、手術が成功し、意識を取り戻したプライスに直接確認した。
それは、羽振りが良いときにビル購入を勧めたが、開発計画が立ち消えになり大損させてしまい、恨んでいるマイクという男だった。
黙っていたのは選挙後に対処するつもりだったから。
「支持率が上昇している今、表沙汰にしても得はない」
新たな手がかり
マイクを聴取した。
所有車が青少年センターの近くに停まっているのも確認できた。
マイクは隠さず、プライスへの恨みを認めた。
「俺は仕事も妻も失ったのに奴は市長だと?」
プライスが人前に出る時は、自分を忘れさせまいと必ず顔を出すとも言った。
だが犯人ではなかった。
「奴が撃たれた時はコンビニでコーヒーを飲んでた。銃声は真後ろからだった」
マイクの証言から、発砲したと思われるビルを調べた。
すると薬莢を発見。
ジェイが確認すると確かにその場所はプライスを狙うのに最適だった。
容疑者
ビルの警備員に確認すると侵入者を見ていた。
リュックをしょった黒人で、年齢不詳。緑の車に乗っていたという。
だが単なる泥棒だと思ったので、フェンスまで追いかけると超えて逃げて行ったのでそのままにしていた。
プライスが撃たれた事は後から知った。
警備員に案内されたフェンスの近くでジェイが携帯を発見した。
携帯はプリペイドで昨日使用を開始していた。
通話記録はなかったが、位置情報からその日の動きが分かった。
真のターゲット
ボイトがその経路を見ると、すぐに気づいた。
それはプライスではなく、ボイトのその日の行動経路だった。
犯人の狙いはプライスではなくボイトだったのだ。
ボイトの行き先付近の防犯カメラを調べると、確かに同じ緑の日本車が映っていた。
なぜ青少年センターまで撃たなかったのか?
ボイトは、犯人は見られないよう遠距離を選んだのだろうと、考えた。
「どこも狙うのは簡単じゃないし、センターなら準備も可能だ」
車の持ち主
防犯カメラの映像を元に、緑の車の登録者が分かった。
メルビン・バーンズ。42歳の刑務所の看守だった。
ボイトは顔を見ても知らなかった。
すぐにバーンズの自宅に向かうと、家のドアの前で撃たれて死んでいた。
プライスの時と同じで、遠距離の高いところから発砲していた。
死亡時刻から推測すると、朝6時半頃に殺してから車を盗んで、ボイトの尾行をしていたと思われた。
新たなターゲット
無人の緑の日本車が裁判所の隣で発見された。
刑事に看守、そして裁判所。犯人は刑事司法制度関係者を狙ってる。
特捜班が裁判所に向かい、付近の人々を避難をさせると銃声が数発響いた。
犯人を裁判所の向かいの屋上に目視し、アントニオやアトウォーターらが追った。
犯人は逃走しながら時折後方に発砲をし、通行人が被弾していた。
そして曲がり角の先で、姿を見失ってしまった。
そこにはリュックと上着が残されていた。
服を変えたようで、非常線をすり抜けてしまった。
被害者はサム・アンダーソン判事だった。
ボイトも知る人物で、看守を含めたつながりを早急に調べるが、ボイトがこの10年で逮捕し、アンダーソン判事が担当した黒人は242人。
そのうち187人がすでに釈放されている……。
銃の持ち主
犯人が捨てたリュックの中に入っていた銃の登録者が判明した。
ドリュー・ベイレス。名誉戦傷賞をもらっているが、社会復帰に苦労したようで酔って暴れたという記録もあった。
ボイトは知らない男だったが、すぐにジェイとアプトンが自宅に向かう。
すると向かいに住む大家が出て来て、しばらく留守をしていると教えてくれた。
普段から厄介なようで、警察の登場にも大家は驚いてはいなかった。
そこへベイレスが戻って来た。
ジェイ達を見てすぐに逃走したが、非常口で待ち構えていたルゼックに捕まった。
ボイトがベイレスを聴取すると、「国は戦士を軽く見てる。重宝されるのは戦える時だけ」といかにも不満を抱えていた。
「今朝、お前の銃で元看守が射殺された。俺も狙われたよ」
「俺が撃ってたらあんたは今ここにいない」
銃が自分のものだとは認めたものの、一連の銃撃事件は知らないという。
「ウィスコンシン州から今日戻った。銃は留守中に盗まれたのさ」
裏を取るとベイレスは確かにウィスコンシン州に行っていた。
真犯人
ベイレスの留守中の自宅マンションの防犯カメラを調べると、3日前にベイレスの部屋を出入りする黒人が映っていた。
そこには顔がはっきりと映っていたが、やはりボイトに見覚えはなかった。
しかし顔認識データで照合し、ダリウス・テータムという名前が判明するとボイトはしっかりと認識した。
ダリウスが17歳の時に捕まえていた。
強盗の見張り役でムショ行きになりかけていたが、ボイトが寝返らせ協力させた。
少年院に半年入り、逮捕歴は消すという約束で。
ところが実際は、少年院を出た後、そのまま刑務所に入れられていた。
刑期は10年、去年出所している。
「いい子だった。何かあったに違いない」
事情
ボイトはベイレスをケージに入れた。
ダリウスの面会記録にベイレスの名が残っていたのだった。
「奴が銃を持ってると知っててお前は黙ってた」
「あんたらのせいだ!」
興奮し始めたベイレスを宥め、話を聞いた。
「守ると約束したろ。いい子だったのに。あんたらが彼を破滅させたんだ」
ダリウスはベイレスの元恋人の弟だった。
出所後も面倒を見ていた。
射撃を教えたのもベイレスだったが、殺人の為ではなかった。
ダリウスは入隊を夢見てた。
国の為に、と。
「ひどい目に遭わされたのに、皮肉だよな」
2週間前、採用事務所から犯罪歴が原因で断られたと帰って来た。
夢を失って酷く苦しんでいた。
ダリウスの実家
時々母親の家に泊ってるというベイレスの情報から、ボイト達はダリウスの実家へ行った。
母親はダリウスのしたことを知らなかったが、ダリウスが不当な扱いを受けた事は知っていた。
ダリウスのパソコンの検索履歴には、これまで狙われた3人の名前の他に、非行少年の為の職業学校長マイケル・ウィラードが残っていた。
すぐに警告しようとしたが、その時すでに学校で発砲騒ぎがあったとの連絡が入った。
ボイトは母親に責められる中、学校に向かった。
「息子はあなたを信頼してた。そのせいでこんなことに」
学校
学校に到着するとウィラードは無事だったが、負傷したダリウスが生徒を人質にとって教室に立てこもっていた。
ウィラードに狙われた理由を尋ねると、具体的な出来事はないようで少年院の時の責任者だったという。
「彼は問題児だ」
ボイトはオフィスから教室に電話をかけてダリウスとコンタクトを取った。
「ハンク・ボイト? ずいぶん久しぶりだな。あんたに話はない。だから殺そうと」
「殺し損ねてよかったよ。俺がお前を助け出す」
ボイトは人質と引き換えにウィラードを要求するダリウスに、もういないと嘘をつき代わりに自分が行くと言った。
「お前を助けたい」
「前もそう言ってた。その結果が今の俺だ」
「もう一度チャンスをくれ」
5分だけ、という条件でボイトは教室に入る許可を得た。
そこへケルトンも到着した。
交渉など必要ない、とスナイパーを配置する。
ボイトはケルトンに人質が命を落とせばシカゴ警察の評判が落ちる、と同じように5分要求した。
「撃たれない保証は?」
「ない」
「どうする気だ?」
「犯人を確実に撃てるよう窓の前に誘導する」
交渉
ケルトンにも承諾を得て教室に入ったボイトは、丸腰でダリウスと対峙した。
そして自分の苦しみをぶちまけるダリウスから真実を知った。
ダリウスは少年院に入ると、裏切りがバレて毎日痛めつけられていたのだった。
その恨みがボイトらへの復讐の理由だった。
「責任者に相談したか?」
「連中にバラしたのはウィラードだ」
オフィスで聞いていたアプトンは本人に確認した。
「本当なの?」
「クズのたわ言だ」
ジェイは思わず言う。
「彼を守るべき立場では?」
「少年院は託児所じゃない。奴らは筋金入りの犯罪者だ」
ボイトはダリウスに言った。
「それが事実ならまだやり直せる」
だがダリウスは興奮してボイトに銃を向けながら近づいて来た。
「従えばやり直せるはずが、逆に人生を奪われた!」
ボイトは窓に近づくダリウスの邪魔をするように窓の側に移動した。
「狙撃手がお前を狙ってる。お前を助けたい」
スナイパーはボイトが邪魔で撃てない、とケルトンに報告していた。
なかなか落ち着かないダリウスに、ボイトは母親の存在を思い出させた。
「お前の母親に助けると約束した」
それは効いたようで、ダリウスは興奮しつつも人質を解放した。
そしてボイトは、窓から離れたまま銃を置いて一緒に州検事事務所へ行こう、とダリウスを誘導した。
迷いつつもダリウスは銃を下しかけ、ボイトに従うかと思えた。
その時――。
「母さんごめん」
ダリウスが窓の前に出た瞬間、スナイパーの銃弾に倒れた。
結末
ウィラードを調査するとGパーク・ローズと繋がっていた。
捜査協力者の情報を売っていたのだった。
ジェイがボイトに報告をした。
「ムショ暮らしを経験させてやれ」
ウィラードの立件に動く事に。
去り際にジェイはボイトに改めて聞いた。
「なぜダリウスは撃たないと?」
「確信はなかったが。俺にはきっかけを作った責任が……。
若者を救おうと最善を尽くして来た。いずれ悪の道から抜けてくれると願って。
だが大抵叶わん」
ボイトはダリウスの母親に会いに行った。
だが顔を見ると何も言わずドアを閉められてしまう。
持って来た葬式代はポストに入れた。
バージェスとブレア・ウィリアムズ、まだ続いてる? ようですが、デートでバレエに誘う健康志向の男と、朝からシカゴ名物のポークチョップ・サンドをほおばるバージェスが続くとは思えません。
ケルトンの仕事は金の為、とバージェスに言っていましたが軽い伏線かなぁ?
メイン・ストーリーは、いきなりプライスが撃たれてケルトンの陰謀? と思わせておいて、実は狙われたのはボイト、というなかなか派手な内容でした。
しかも、17歳の時に逮捕していたので、27歳になったら成長と裏切りのせいで人相が変わっていてすぐには気づかないっていう。
なんかいろいろリアルでした。
ただ、10年前のボイトって知ってる限りの古いボイト(シカゴファイア初登場時)から想像すると、それほど若者の為に尽力しているっていうイメージがないんですけどw
むしろ自分がGパークローズと繋がってましたって言ってそうなキャラだった気がするw
って、そういうイメージで私が勝手に思い出を編集してしまっているのかもしれませんが。
どちらにせよ、最後に母親に門前払いされてしまう系の終わり方が、どんどんPDっぽいって感じるようになってきています。
ボイトのバイオレンスはキープしつつ(これ重要)、この路線は悪くないと思います!
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