ポーカーフェイス シーズン1 後編
(©peacock 2023)
★Uネクストで視聴しました!
6話 奈落の死
ゲスト:エレン・バーキン、ジャミーラ・ジャミル
奈落落下殺人事件
かつてドラマの人気者だったマイケルとキャスリーンは、誰もが知る犬猿の仲だったが、舞台に立つために仕方なく手を組んでいた。
その舞台中、キャスリーンが細工をしたことでライトが落下しマイケルが下敷きになりかけた。
無事だったものの心臓が弱いマイケルはステージ上で発作を起こす。
客席にいたマイケルの若く金持ちな妻は、マイケルに薬を飲ませようと慌てて舞台に駆け寄る。
そして酒を飲んでいたこともあり、ステージ上にあった奈落に気づかず落ちて死んでしまった。
事故に思われた妻の死は、実は最初から狙ったものだった。
不仲に見せていたのは嘘で、キャスリーンとマイケルは不倫関係にあった。
解決
チャーリーは小さな劇場の厨房で働いていた。
いつまでも大女優気取りで横暴なキャスリーンに怒られた際に、チャーリーは「あんたなんか知らないし」と言い返していた。するとこの私に言い返す人間は珍しい、と意外な反応でクビにはならなかった。
そして事件が起きる。
おかげで舞台は話題になるが、チャーリーは妻を亡くしたのに休演しないことに違和感を抱く。
その頃、キャスリーンとマイケルの関係にもう一人の共演者の女優が気づき、口止め料を要求していた。
二人のやりとりのメモを拾っていたのだった。
キャスリーンはその女優がナッツアレルギーなことを利用して、再び舞台上で殺そうとする。
その直前に、チャーリーはセリフで「愛してる」というキャスリーンに嘘がないことから、真相に辿り着く。
慌ててステージに出て、芝居の振りをして女優がナッツを食べないように止めた。
そして楽屋にマイクを仕込んで2人の会話を流し、保安官に聞かせる。
最後の舞台、キャスリーンは独白の後、自ら奈落に落ちた。
7話 モータースポーツの未来
レーサー殺人未遂事件
カーレース中の事故で若い女性ドライバーが重傷を負った。
車の細工が原因だったが、細工をしたのはベテランドライバーでもある父親キースだった。
狙いは生意気な若手ドライバーのデイヴィスだったが、まさかデイヴィスの車に娘が乗っているとは思いもしなかった……。
解決
ゴーカート場のゲームセンターで働くチャーリーはレーサーのデイヴィスと知り合う。
デイヴィスはベテランドライバーのキースとその娘ケイティとも因縁があり、どちらが早いか競い合っていた。
ある夜、デイヴィスは自宅のガレージにキースが忍び込んでいるのを見る。
車を調べると細工が見つかるが、そこでデイヴィスはさらにシートベルトに細工をして、翌日の練習で自分の車にケイティが乗る様に仕向けた。
そしてレース場で事故が発生する。
もともとの細工をしたのがキースなのは確定なので、デイヴィスはチャーリーと一緒に事故った車を調べ、細工の痕跡を発見する。
「本当の狙いは俺だった」
暴走するデイヴィス止めるため、チャーリーがキースの様子を見に行くと確かにキースが犯人だと会話で分かった。
キースは自責の念があったのか、直後に自白した。
一件落着かと思いきや、デイヴィスの嘘に気づいてしまう。
「シートベルトは事故だったんだ」
チャーリーが追及すると、デイヴィスは細工したことを認め、開き直った。ケイティの才能を恐れて消そうとしたのだった。
「レースのためなら人殺しもする」
そして、町を出ようとするチャーリーの車を追跡して煽った。
脅されたチャーリーは、デイヴィスにプレッシャーをかけるためだけに戻る。
「ケイティ、回復したよ。いつになるかわからないけど、復活したら彼女があんたを倒す」
8話 オルフェウス症候群
ゲスト:ニック・ノルティ
ホラー映画殺人事件
約40年前、ホラー映画「ドラゴンフィッシュ」の撮影中に主演女優が溺死する事故が起きていた。
それが噂となり、ローラとマックス夫婦の映画会社は成功していた。
40周年記念でデジタル化の話が持ち上がり、マックスが古いメイキングフィルムを見て気づく。ローラがわざと安全装置を切る瞬間が映っていた……。
マックスが通報するつもりだと知ったローラは薬を盛り、マックスはベランダから落下して死んだ。
ローラは夫がクラウドに上げたデータと、元のフィルムを削除して証拠隠滅を図る……。
解決
チャーリーは理髪店で働いていた。客と店員の嘘まみれの会話にうんざりしていると、なぜか捨てるはずの髪の毛を届けてこい、と頼まれる。
髪の毛を必要としていたのはアーサーという白髪の老人(ニック・ノルティ)で、窓越しに怪しげなモンスターのオブジェが沢山見えた。
アーサーは実写アニメでマニアックなホラー映画を1人で作っていた。
それがきっかけでチャーリーは、理髪店より真実がある、とアーサーの助手に雇ってもらう。
友人を亡くしたばかりだというアーサーにとっても、チャーリーの存在はありがたかった。
そんな中、古い友人のローラが死んだ夫の銅像を作って欲しいと頼みに来る。
チャーリーにはローラが何か嘘をついていることがわかったが、友人の頼みだからとアーサーは気にせずマックスの銅像を作る。
夫を偲ぶふりをしていたが、ローラの目的はマックスのクラウドにアクセスするための顔認証を突破することだった。
ローラが来たことでチャーリーはアーサーから過去でデビュー作の撮影中に女優が溺死していたことを知る。アーサーは監督の自分がその事故を防げなかったことに責任を感じて、表舞台に出ることを止めていたのだった。
代わりに、ローラとマイケル夫妻が成功していた。
アーサーはチャーリーと話したことで、「ドラゴンフィッシュ」の古いフィルムを取り寄せる。
そしてアーサーもローラの犯行の瞬間に気づいた。同時にマイケルの死にも疑問を抱き、ローラを訪ねると察知したローラに薬を盛られて心臓発作で死んだ。
だがローラにはまだやることがあった。証拠のフィルムが残っている。
会社の力を使って追悼展をするからとアーサーの私物を引き取る。
ローラの嘘をチャーリーは簡単に見破り、ローラが殺した理由と証拠を探る。
するとアーサーは証拠のフィルムをメデューサのオブジェの髪の毛に巻き付けていた。
チャーリーはローラの会社に忍び込んで、フィルムを入手しローラが壇上に居る時に犯行の瞬間を流した。
そして取り乱したローラはマックスと同じように飛び降りて死んだ。
9話 雪夜の脱出
チャーリー殺人未遂事件
チャーリーが真夜中の雪山を歩いていると、猛スピードのランボルギーニにはねられた。
保護観察中だが、吹雪で探知機が使えず外を謳歌していた運転手のトレイは、ひき逃げしようとするが、他の車の気配を察知してチャーリーをトランクに入れて古い知り合いのジミーのモーテルに運んだ。
2人は過去にも遺体を始末したことがあるようで、チャーリーの遺体も同じ穴に落とした。
解決
チャーリーは穴で意識を取り戻し、身近にあった棒を使ってモーテルの前までたどり着き、自分を捨てたとは知らずに2人に助けを求める。
2人はチャーリーを始末しようとするが、チャーリーの車を盗んだスリのモーティマーがやってきて未遂に終わる。
意識を取り戻したチャーリーに、モーティマーは車を盗んだことをごまかし、トレイたちは見殺しにしようとしたことをごまかす。
トレイはどこまでチャーリーが覚えているか確認するが、ひき逃げの車については認識していなかった。
一晩モーテルで過ごして朝病院へ行くことになり、大事にならずに済むと思いきや、足を怪我したチャーリーのためにさっき見つけた棒を添え木にしようと、改めて手に取るとそれが人骨だったことがわかる。
さらにスノーボーダーでもあるモーティマーはその骨を見て、10年前に失踪していたスノーボーダーのクロエの骨だと気づく。クロエには懸賞金がかけられている。
「クロエと同じ手術のボトルがある! 懸賞金はいただき!」
モーティマーは浮かれるがチャーリーはそこからひっかかりを感じ推理を張り巡らせる。
「私をひいて穴に落とした男は、クロエも埋めてたのかも。この雪でまだ近くにいるはず」
そしてモーティマーの名前で通報しようとするが、モーテルの電話は線が切られていた。
その頃、トレイたちは仲間割れしていた。
トレイは2人を始末した方がいい、ジミーは懸賞金以上の金でもやって口封じして逃がそう、と。
だがモーティマーもチャーリー並みの世慣れをしていて、トレイが犯人だと分かった上で通報すると脅して取り引きを持ちかける。
そしてランボルギーニをもらってチャーリーを置いて1人雪山を脱出しようとするが、運転席に乗ったところで殴られ、車ごと雪山から落下して殺された。
その頃チャーリーは、ジミーに鎮痛剤だと言われて薬を渡された。
その時、死んだクロエは友人で守れなかったことを悔いていると聞かされる。
「だから君のことは守るよ」
薬を飲もうとした時、マグカップに入っていたココナツのフレーバーでチャーリーはひき逃げ犯から同じ匂いがしたことを思い出した。
「ごめん、トレイが使ってたマグカップだった」
トレイが犯人だと気づいたチャーリーは、薬を飲んだ振りをしてマグカップに捨てた。
そしてトレイとモーテルが外で言い争っている隙に車のカギを取って逃げようとするが、足を負傷しているので鍵を取るのに大きな音を立ててしまう。
2人に気づかれるが、チャーリーはトレイがついている嘘をジミーに暴く。
「クロエを殺したのはトレイだよ」
ジミーはトレイに事故死だと聞かされていた。
今回もトレイはジミーを操ろうとするが、ジミーは抗った。するとトレイは簡単にジミーを撃って殺した。次はチャーリー、となるが弾が切れる。チャーリーはナイフで足首を切って反撃するが、胸を刺された。
朝になりトレイはなんとか自宅に辿り着いて、保護観察官の訪問に間に合っていた。
すべて切り抜けた、そう思った時足首のGPSセンサーが亡くなっていることに気づいた。
チャーリー
チャーリーは復旧したGPSのおかげで居場所が見つかり、救出されていた。
そしてチャーリーの財布を盗んでいたモーティマーがチャーリーとして遺体発見の報道がされた。
病院で身元不明者として目覚めたチャーリーは、これで追われなくなったと大笑いした。
10話 フック
チャーリー冤罪事件
クリフはチャーリーを見つけた。
1年以上が経っていた。だがボス、スターリングの命令はすぐに殺すのではなくチャーリーが回復するまで待て、だった。
2ヵ月後、チャーリーが退院すると入院費を支払い車で待っていたのはクリフだった。
諦めたチャーリーはそのままクリフの車に乗った。どこかホッとしてもいる。
もう追われる生活が終われる。
車中でクリフはチャーリーに銃を握らせ、撃つチャンスを与えるが、チャーリーには撃てなかった。
連れて行かれたのはフロストではなくHASPホテルだった。
用意されていたドルガバのワンピースに着替え、カジノのテーブルでスターリングと対峙する。
てっきり殺されると覚悟するが、どうも様子がおかしい。
HASPホテルを経営するベアトリクス・ハプスの噂話が始まる。
「このホテルから伝わる。厄介な人間だ」
一時は退いていたカジノ経営に戻ろうとしている。それにはチャーリーの協力が必要だと言う。
「今日、ここで5大ファミリーとの会合がある。ベアトリクスは俺が邪魔なんだ」
会合で飛び交うウソを見破るためにチャーリーに同席して欲しい。
承諾したチャーリーは新しいスマホとプレゼントをもらうが、プレゼントの中身は銃だった。
それを手にした瞬間、フロアが停電になり暗闇の中でスターリングが手にしていたチップが光った。
その時、銃声が響く。
チャーリーはスターリング殺しの容疑者にされたことに気づき、そのまま逃げた。
新たな旅
すべてを仕組んだのはクリフだった。
長年スターリングに仕えていたが、特別思い入れがあるわけでもなく主従関係でやりたくないことをやらされていた。
そんな中HAPSのベアトリクスに良い条件を提示され、裏切っていた。
客室に逃げたチャーリーはFBIのルカに連絡を取るが、すでにルカはスターリング殺しの捜査でベガスに来ていた。チャーリーの情報で順調に出世している。
「現場には来るな。なんとかして逃げろ!」
チャーリーは機転を利かせて、ホテルから抜け出しなんとか妹の自宅に逃げ込む。
疎遠になっていた妹は歓迎しなかったが、通報はせずチャーリーに父親のボートの鍵を渡して逃がした。
ところがボートはオンボロでとても海に出られそうにない。
チャーリーは、クリフなら信じてくれるかも、と連絡を取る。
クリフは偶然にもチャーリーの近く、マリーナのクルーザーの上にいた。
チャーリーはクリフが絡んでいると思っておらず、助けを求めて会いに行く。
チャーリーはクルーザーの中でクリフに真犯人がいることを説明する。
クリフはチャーリーを逃がすためにクルーザーを出港させるふりをしてチャーリーを船室に向かわせるが、その船室でチャーリーはトリックにつかったブラックライトで光るチップを見つけた。
それをクリフに伝えるとクリフはもうごまかすことを止めて、チャーリーを閉じ込めようとする。
もみ合いになると、チャーリーは道中で手に入れていたアダルトグッズの指輪で目を殴り逃げ出した。
クリフが追うと、クルーザーの前にはルカたちが到着していた。
チャーリーを追っていると油断したクリフは、スターリング殺しではなくジェリーとナタリー殺しで逮捕された。
チャーリーはルカとダイナーで落ち合い、クリフがベアトリクスが黒幕だと吐いたことを伝え、改めてFBIにスカウトをした。
もちろんチャーリーは笑うだけで、ダイナーを出て行く。
チャーリーにベアトリクスから電話が入る。
5大ファミリーが揃ってスピーカーで聞いているという。
「私たちは戦争に突入してる。あなたのせいで始まった」
そして約1年前の再現が始まる。
「ハプスのために力を使うか。そうじゃなければ……」
チャーリーはスマホを石で叩き割り、また逃げることを選んだ。
(シーズン2につづく)
かんそう
1話約1時間というボリュームなんですけど、中身が濃いのでダレることはなかったです。
回を追うごとに、事件ドラマ+再現Vという構造の面白さが見えてきて、プチ・ループ物でもあって、大した伏線じゃないにせよ点と点が結びつくと「あー!」ってなって面白さが増すんですね。
8話では、ローラが会話中に物音で振り返るというその段階では何のことかわからないシーンがあるんですが、再現を見るとチャーリーが近くにいた、ということがわかります。
1話と2話だけだと全体のパターンが見えなくて3話で「あー、そういう感じ!」と理解できた時からぐんっと面白さが増しました。
ここを乗り越えられなくて脱落する人もいそうですけどw
パターンを理解すると、序盤の「事件パート」はある意味毎回新しいドラマを見ていることになり、すごく贅沢な作りだとわかります。
そして毎回「いるんだよね、チャーリーがw」ってなる、お約束の出落ちも楽しい。
さらにどうチャーリーが関わるのか、どう事件が終わるのかのバリエーションも増えていき、時には6話のように「結局どうなったん?」という謎のままだったり、とあの手この手で飽きさせません。
れっきとしたストーリードラマよりは、作り手は意外と楽なのかもしれませんね。
前後のつながりとか関係性とか、ほぼ気にせず1話完結できるので。
でもただそれだけだといわゆる、アンソロジースタイルで個々のつながりが薄く物足りなさを感じる場合も。
本作にはしっかりと「チャーリーは追われている」という軸となるストーリーも絡んでいるので、結果クオリティが高いと感じられます。
また一筋縄ではいかないどんでん返し的な小さな裏切りも、各パートの中に仕込まれているので、本当によくできています。
そしてシーズンファイナルの10話。
すんごく申し訳ないんですけど、スターリング役の役者さんが個人的にスターリング役として意外でして、そこで「スターリング」というキャラのドラマ内の重要度がわかってしまったというか、すぐ死んでしまう訳なんですけどそこに驚きが感じられなくて残念でしたw
1話のエイドリアン・ブロディくらいの人が来てたら「え?あっさり死ぬの?」っていう驚きがあったんですけどね。
こういう配役でなんとなく重要度がわかってしまうのは海外ドラマあるある、ですよねw
始まりと終わりがループになっているのも、このドラマ全体がプチループの連続なことと意識されているのかどうかはわかりませんが、面白かったです。
もともと日本で配信されたのは、本国より約1年のラグがあってからなのですでにアメリカでは配信が始まっているシーズン2も間が空くんでしょうかね~
楽しみなドラマが増えました!
(ジェーン洞/海外ドラマクイーンズ)
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