あらすじ
発砲事件
アトウォーターの知り合いの工具店店主が銃殺された。
初めての巡回地区での出来事だった。
犯人は走って逃走。
現場にミラーがやってきて、特捜班に配属したいという警官をボイトに紹介する。
「部下は俺が選ぶ」
とボイトはミラーの頼みを断るが、会うだけはあった。
その警官は先日不正発砲騒ぎを起こした警官の相方だった、アンドレ・クーパーで署内で浮いているというのがミラーの理由だった。
本人は「言われるままに来た」と迷惑を謝罪しつつも、入れたら光栄だと謙虚な姿勢だった。
そのまま立ち去ろうとするボイトに、視界の中にあるピザ店が怪しいと伝える。
「警官を見てすぐに隠れたので何か知ってそうです」
ボイトはその理由や観察力については疑わず、すぐに部下を送り込んだ。
ピザ店
アトウォーターとバージェスがピザ店のボブに話を聞いた。
店の外には嫌がらせのラクガキがあり脅されているのがバレバレだったが、ボブは口を閉ざす。
そして工具店の事件についても何も知らないと、二人を追い出すように避けた。
「俺は英雄じゃないし、妻子もいる」
地区のボス
工具店には使い捨て携帯から脅迫メールが届いていた。
「カネを払え」
被害のあった地区はクインシー・バレットという男が牛耳っている。
犯罪歴は無数だが、ギャングではなく一匹狼で数名の手下を連れているようだった。
地区の店舗に嫌がらせをしているのは、クインシーだろうと睨む。
支払いを拒んだ工具店が、見せしめに殺されたのだろう。
また近くで目撃されていた車の色がクインシーのベージュと一致した。
事件の2時間後には、その車が洗車場のカメラに映っている。
だが運転手はクインシーではなかった。
クインシーの自宅を訪ねると、クインシーは関与を否定して弁護士を呼んだ。
その隙に、20代の黒人が裏口から逃げるのも発見する。
追い掛けると「白人警官がいたから」といい、荷物にもゲーム機が入っているだけだった。
その男はダマリといい、どうやら売人でクインシーの雑用係のようだった。
殺害時刻には弟を病院に連れて行っていたというアリバイもあった。
ダマリ
ダマリはてんかんもちのテオという弟と二人暮らしだった。
テオは優秀でダマリがギャングになって養っているようだった。
テオの保護を持ちかけてダマリを寝返らせる作戦を計画する。
まずは客としてダマリに近づくのだが、特捜班は先日の一件で顔が割れていて適任者がいなかった。
するとボイトはクーパーに白羽の矢を立てる。
潜入捜査
クーパーの初潜入捜査が始まった。
売人をしているテオに近づき、警官からの職質に対して反抗してテオと一緒に逃げた。
もちろん特捜班との茶番なのだが、クーパーはジェイを殴りつけてすっかりテオを信用させた。
さっそくテオとの取引きを約束し、成果をあげるが病気の家族がいることを利用して近づけ、というアトウォーターからの指示には一度難色を示した。
「やり過ぎでは……」
「だからこそ利用できる」
それ以上は何も言わなかった。
それから母親がガンだと打ち明け、テオの発作に立ち会い、急速にテオとの親交が深まった。
特に病気の家族には金がかかるという共感は、取引きをスムーズに進めた。
新たな被害者
クーパーの潜入は上々だったが、ピザ屋の前にクインシーの別の車が止まっているという報告が入る。
すると店の奥で先日話をしたボブが死んでいた。
工具店と同じ銃殺だった。
レジの金はそのままだったことから、クインシーが工具店銃撃の目撃者を消したのだと思われた。
取引き
ダマリとの正式な取引の日が決まった。
クーパーはボイトに、ダマリを逮捕した後のことを尋ねた。
「協力させた後の見返りは？ 服役したらテオは？」
「関与の程度によるが、テオは児童福祉局が介入する」
「犯罪者を捕まえても別の問題が起きる。勝利といえない」
「よく聞け。おれたちはクインシーを捕まえる。それが仕事だ」
クーパーは何も言わなかった。
そして取引きのため、昼間にダマリとクーパーが会うが、直前にテオの学校から発作の連絡が入る。
するとクーパーはテオを優先しろ、と勝手に予定を変更した。
「パトカーがいる。嫌な予感もするし、夜にしよう」
アトウォーターはダマリに感情移入をし始めているクーパーに釘を刺す。
「被害者2人の事を考えろ。キツイ仕事だ。正義を貫くために自分の感情は殺す」
クーパーは降りることはしなかった。
新たな指令
ピザ店店主殺しの捜査から、クインシーがダマリに凶器の処分を頼んでいることがわかった。
防犯カメラに引き渡しの様子が映っており、ダマリは受け取った直後どこかに電話をかけていた。
その番号を入手するため、クーパーにダマリの携帯を入手するよう新たな任務が加わる。
夜、ダマリの家でのクーパーとの会話から、2回続けて警察から守ったことを強調され、バレている可能性も浮上した。
だがボイトはまだ様子を見よう、とクーパーの合図を待った。
そしてトイレを借りる振りをして携帯を探すが、あと少しのところでダマリに呼ばれる。
勝手に部屋に入ったことを慌ててバスケのポスターを見ていたと言い訳をすると、ダマリは「気にしてないよ」と咎めなかった。
しかし、クインシーから呼ばれた、とクーパーと家から出ることになる。
またしても予想外の動きになるが、ボイトは計画を続行させる。
クーパーは携帯を取り上げられ、追跡直前にトラックが邪魔にはいったことから見失ってしまう。その上ボディカメラの映像も遮断されてしまった。
しかしクーパーは機転を利かせ、ダマリの車に金を忘れたといって一人で戻った際に、こっそり緊急速報を発信していた。
友情
現場に到着すると、通常ボスが末端の取引き相手に会おうとするのは初めてだと言われる。
「従うしかない。そういうもんだ」
そこはホラー映画に出て来そうな廃墟で、ダマリは気楽そうだったがクーパーは不安を隠せなかった。
クインシーが一人で登場し、二人の前に立つ。
案の定クインシーはクーパーを怪しんで、二人の出会いなどを根掘り葉掘り聞き出した。
「偶然の出会いで親友なんてのは信じない。運命なんてうさんくさい」
そしてクインシーはクーパーに銃を向けた。
するとダマリはクーパーの前に立ちはだかり、クーパーを守った。
「落ち着いてくれよ。勘違いするな」
その時、SOSから居場所を突き止めた特捜班が突入した。
クインシーはダマリに向かって発砲して逃げ出す。
撃たれたダマリを介抱しながらクーパーは救急車を呼んだ。
その様子にダマリはクーパーが警官だと知る。
「ふんばれ、テオのために死ぬな」
「警官……」
それがダマリの最後の言葉だった。
クインシーは逃走するも、アトウォーターとルゼックが追い詰めて逮捕した。
ダマリはその場で死亡した。
アトウォーターはクーパーをねぎらった。
「お前は悪くない」
だがクーパーは釈然としない。
「わかっている。でも別の道もあった。ダマリに事実を話して協力してもらう手もあった。テオのためにも。罪のない黒人の人生を守る道があった」
「二人の店主も罪のない黒人だ。簡単に答えは出ない。だが黒人警官は一筋の光だ」
かんそう
PDのクオリティは安定しているな～と思いました。
特に今回のような骨太でSVU的な重い余韻のあるエピソードは、PDにもしっくりフィットしていて、ウルフ節？ って感じが味わえます。
クーパーはこのまま特捜班に入るのかどうか？
まだよくわかりませんが、よかったのは若手ポジだったアトウォーターが新人の面倒を見る事ですっかりベテランだなーと思えたこと。
今回は特に初めての巡回地区で起きた事件ということで、サラっとですがあえてアトウォーターの成長も感じさせているのかな～と思いました。
ボイトは相変わらず司令塔ですが、まあよく考えればそれが正しいんでしょうけどｗ
そのボイトの特捜班へのこだわりも垣間見えて、毎週しっかり格好良いです。
クーパー君のいうことはもっともで、だけど特捜班は特にその「綺麗ごと」の対局に位置する存在だと思うので、加入してもかなり苦悩しそうだな～。
それが特捜班に必要なのかどうか、というのはよくわからなくて、最終的にはクーパー君の個性がなくなっちゃう未来が想像できましたｗ
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