あらすじ
バネッサ
NYに「バネッサ」というオーナー女性の名前がついた、老舗のレストランがあった。
開店して約20年。マネージャーはアイラという男性で上手くいっていた。
ところが2020年3月頃にはバネッサも例外ではなくコロナの影響を受け始める。
入っていた予約は次々とキャンセルされていく。
バネッサの夫エディは、トランぺッターだったがブロードウェーでの仕事がなくなり失業保険待ちになっていた。
息子のネイトは大学の寮が閉鎖になり自宅に戻って来ていたが、退学を選択せざるを得なくなる。
同居していたバネッサの母親は76歳で、ネイトがマスクもせずに出歩くせいか、何度も陽性と陰性をいったりきたりしていた。
そのうち、エディは両親が心配だからとミシガンの実家へ戻って行った。
11月末には、レストランの従業員は0人になっていた。
ワクチン接種をして戻って来てとは声を掛けていたが、そんな状況にはならなかった。
2021年になると、いよいよ入院していた母親が死んでしまった。
そして今、バネッサはとうとう店を手放さなさなければならなくなっていた。
もう家賃が払えなくなっている。
客も来なければ、そもそもまともに経営が出来ていない。
ミシガンにいるままの夫にビデオ通話しても、問題が浮き彫りになったと戻って来る気配はない。
不動産屋のジョーイから、店を追い出される前に持ち出せるものは出しておいた方がいいと連絡が入り、仕方なく1時間後に約束をした。
出かける準備をするバネッサの手には銃があった……。
人質
オリビアは、愛用のレストラン「バネッサ」でテイクアウトでもして帰ろうと歩いていた。
バネッサ本人とも知り合いだった。
すると店の前には警官が集まっていた。
「女性がナイフを持って……」
オリビアが店の中を確かめると、ナイフを持ったバネッサがジョーイを脅していた。
すでに警官2名が銃とスタンガンを向けている。
「私の店よ!!」
オリビアは2人と交代をし、HTN(人質解放班)を呼ばせ、警視正にも連絡を入れさせた。
「店を奪われる、渡さない!」
「こんなのだめよ解決できるわ」
オリビアの説得でバネッサはナイフを置が、その時入れ替えにバッグから銃を取り出した。
説得
現場に警視正やキャットも駆け付け、担当者から状況説明を受けた。
店内ではジョーイが、高血圧もあり心臓がバクバクし始めたと訴え出していた。
オリビアはせめて座らせて、とバネッサに頼んだ。
ジョーイは自分は単なる不動産仲介業者で何の決定権もない、とバネッサに訴えている。
だがオリビアは会社に電話して猶予を延すよう言って、となんとかバネッサを満足させるように動いた。
バネッサは追い詰められ、興奮状態にあった。
「40人の従業員が失業している。立ち退きの猶予なんて契約書にはなかった」
解放
オリビアの説得により、ジョーイは解放された。
バネッサとオリビアだけになり、エディからのビデオ通話につないだ。
エディとは感謝祭以来話していなかったという。
数週間で戻るといいつつ、あのまま戻っていない。
「みんな嘘つき」
アイラだけがバネッサを見捨てなかった。
いざエディと通話しても、やはり喧嘩で終わってしまった。
「今更戻っても遅い。意見が合わない。さようなら」
バネッサが一方的に電話を切った。
バネッサは、今度はオリビアに銃を向けて店から追い出そうとした。
その頃、外ではスナイパーも手配されていた。
中の様子は分からないが、警視正はまだその段階ではないと一生懸命止めていた。
「警部に任せてくれ」
店内でバネッサは酒を飲み始めると、オリビアにも勧めた。
アル中のような様子に医者への相談を進めるが、バネッサは相談しようにも、店の維持を優先し保険にも入っていなかった。
オリビアの説得はなかなか響かなかった。
バネッサが薬を飲んでいたことも分かった。
「母の死の後、エディの心気症の薬を飲んでいた。変な夢ばかり見たわ」
バネッサは完全にコロナのストレスにやられている。
息子のネイトも今では音信不通になっているという。
「ロックダウン生活に耐え切れずマスク無しで出かけるので、母親がコロナになった時ネイトを責めてしまったの。二度と帰って来るなと」
以降、電話にも出ないままになっていた。
息子を追い出したことも悔いている。
オリビアは即座にそれを利用した。
「これが望みならばもう止めない。でも息子さんには謝らなきゃ。
そして彼を許して。
そうしなきゃ一生重荷を背負って生きていくことになる」
苦悩
オリビアがバネッサを案じていると、バネッサは「あなたは何も失ってない」と言い出す。
そこでオリビアは弟の死、タッカーの死等をバネッサに伝えた。
「ごめんなさい知らなかった」
「ちゃんと話していれば……」
バネッサは、正常に戻ったかのようにオリビアの話に聞き入った。
その頃、警視正たちもネイトがキーになるのではないか、とネイト捜しを始めていた。
もう日は落ちて真っ暗になっていた。
ネイトの連絡先をアイラに聞くとエディが知ってるかもという。
内緒で連絡を取り合ってたのだった。
そして無事、施設にいたネイトが見つかった。
キャットとアイラでネイトを説得するが、母親を簡単には許せないと言う。
家族より店を優先した、母親を。
「もう母親に二度と会えないかも」
その言葉がネイトを動かした。
再会
バネッサは息子に会える、と分かると動揺し出した。
逮捕されるところを見られてしまう。
オリビアは、あなたは人の面倒ばかりみてきて、誰もあなたの面倒を見る人がいなかったと慰めた。
「あなたも人を頼っていい。助けを求めるのよ」
「やり方が分からないし。手遅れだわ」
ネイトが店の前に到着し、そこから通話が繋がった。
ネイトはこれまでの空白の期間などまるでなかったかのように、やりすぎだよ、と軽口を叩いた。
「大好きだよ、帰って来て」
「愛してる」
無事、オリビアはバネッサと揃って出て来た。
すると店の前に集まっていた元従業員や常連客も拍手で出迎えた。
バネッサには何が起きているのか分からない。
アイラが叫ぶ。
「クラウドファンディングで3万5千ドル集まったよ!」
オリビアはバネッサの命を救った。
警視正はオリビアに数日休めと言った。
「君も誰かに頼るんだ」
「ええ」
ロリンズ
ロリンズは、カリシを同伴して脳卒中で倒れた父親の見舞いをしていた。
軽症だったようで、すでに車椅子に座ってリハビリをしていた。
父親はカリシを彼氏と勘違いした。
ところがその後、ロリンズはすぐに聖マイケル病院に呼ばれていた。
45分前にロリンズの父親発作で倒れていたのだった。
医師の説明によると、CVAを引き起こした脳血管発作でまたしても脳卒中だった。
治療中なのにタバコをやめなかった、酒も飲んでいた等、原因は様々だった。
医師が妻の存在を確認するが誰も見舞いには来ていない。
代理人がロリンズになるが父の希望を何も知らないので、患者支援サービスを勧められる。
そこへカリシも心配で顔を出した。
父の死を覚悟するロリンズに、カリシは側にいると約束した。彼女との約束もキャンセルした。
病院にいっぱなしのロリンズはオリビアの件も知らなかった。
保険も何も分からず困っていると、継母のアンバーリンが登場した。
ロリンズの母親から連絡を受けて来たと言うが、ロリンズはまったく歓迎しない態度を見せた。
アンバーリンにカリシが挨拶すると、またもや彼氏に間違われた。
ロリンズは、アンバーリンが金目当てだと気に入らない。
どこかに財産があるのかもしれない、と母親に確認を入れると公的医療保険が申請できると分かる。
そしてアンバーリンが生命保険をかけている事も教えてもらった。
その後、父親が山場を乗り越え、会話可能となった。
呼びに来た看護師にまでカリシはロリンズの旦那に間違われる。
今更、アンバーリンを見ても父親はあまり喜んではいなかった。
ロリンズが、アンバーリンを調べるとフロリダで小切手偽造の逮捕状が出ている事が分かる。
「知ったからには逮捕しないといけない」
「家族でしょ?」
「しかも最初の旦那とは離婚もしていなかった」
「習慣法上の離婚だからよ」
アンバーリンに逃げ場はなく、ロリンズは州外へ出る事を勧めた。
コロナのリアリティのあるある家族のエピソードでした。
特に東京はまた数字が増えていますからね~。ただ、ロックダウンしたことないですからね……。
それでも影響を受けて閉店せざるを得なくはなっていますので、誰にとっても厳しいエピソードだと思います。
ただコロナで具合が悪くなり、最悪の場合死に至る……というだけではなく、コロナは家族をもバラバラにしたって事ですよね。
バネッサの心も。
今回、バネッサはオリビアのお陰で、最悪の事態は免れましたけど、コロナの状況は変わらずなんですもんね。
まあ、ネイトが戻って一緒に暮らせるだけでもバネッサがアクションを起こした価値はあったんですけど。
でもそうでもしないとダメだったのか、というと決してそうではないからハッピーエンドと言えるのかどうか。SVUらしい難しいエピソードでした。
というシリアスな事件の中に、ちょいちょいロリンズのエピソードが混ざっていたんですが、ロリンズだって父親が危篤になっていたんですからシリアスなんですよ!
でもね。
そこにカリシが彼氏に間違われるっていう天丼が入るもんだから笑っちゃうんですよw
なかなか珍しい? 雰囲気の回でしたw
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