あらすじ
セントラルパーク・レイプ事件
セントラルパークを子供と散歩中の母親コリーンが、不信な黒人男性がいると通報した。
「子供を怖がらせた!」
警官が到着し、何もしていないという黒人ジェイボンと押し問答していると子供が木陰に倒れているアジア人男性を見つけ、SVUも呼ばれる事に。
ジェイボンは反抗的で、別件での令状も出ていた。
被害者はエリックと言った。
「逆上して僕をレイプした……」
その直後意識を失った。
フィンは、コリーンの言う事だけで容疑者と決めつけていいのかとオリビアに確認したが、現場周辺にはスマホを構えた野次馬だらけで、騒ぎを大きくしたくなくオリビアは逮捕を許可した。
オリビア達は、署に戻り野次馬の1人が投稿した動画を見て、思い込んで勘違いしていた事に気づく。
それはオリビア達が到着する前のもので、ジェイボンの通報とエリック発見は順番が逆だっった。
被害者
被害者は26歳の研修医、エリック・アキノ。
コロナでER所属になっていた。
家族はカトリックでカミングアウトしていない。
弟からの情報で、昨夜は母親には内緒で夜勤の後9番街の流行のバーに行っていた事が分かった。
昏睡から目覚める様子はなかった。
容疑者取り調べ
ジェイボンを調べると、令状はBLM運動によるもので、性犯罪の前科は一切なかった。
本人も関与を否定し、ただトレーニングをしていただけなのにコリーンに絡まれたと主張した。
「なぜ白人女を尋問しない!?」
だがアリバイがあるとはいえ、ジェイボンには空白の2時間もあった。
夜勤の仕事を5時で退社してから7時にセントラルパークでトレーニングを始めるまでの2時間。ちょうどエリックが襲われた時間だった。
それを追求すると、ジェイボンは渋々告白した。
実は、6時からは薬物克服の会合に出ていたと。証人のスポンサーもいるという。
黙っていたのは運転手をしている職場に知られたくなかったから。
昔の怪我で鎮痛剤中毒になっていたのだった。
フィンは上司には言わないと約束した。
オーニー・マッデンズ・バー
エリックの弟に教えてもらったバーにロリンズとキャットが行った。
オーナーらしき男に確認するとエリックは覚えてないが、ジェイボンは見た気がする、と言った。どこか非協力的で店内カメラも壊れていると言い、収穫はなかった。
だがキャットが店の前の交通カメラにアクセスしてエリックが歩く姿が残っているのを見つける。
その隣で一緒に歩いている男を見てロリンズが気づく。
現場を撮影していた野次馬の1人だった。
反転
ジェイボンは、スポンサーが電話越しにアリバイを証明した為、正式に棄却となった。
オリビアは申し訳なさそうに、レイプ現場の近くにいたジェイボンに今度は捜査協力を求めた。
だがジェイボンは怒りを収める気はなかった。
「仮に何か気づいても教える気はない」
その後、ジェイボンはNY市警を訴えた。
オリビアとフィンも名指しで。
オリビアは翌日、IAB(内務監査部)の調査を受ける事になった。
警視正はオリビア達に不手際があったのではないかと怒った。
「世間はジョージ・フロイドとブリオナ・テイラーの死で警察のルールに反感を持っている」
そしてフィンだけを呼び出して確認した。
「SVUが現場に到着した時、人種的偏見が働いたと思うか?」
「そうは思わない。警部が味方する相手は被害者だけです」
同時にフィンに警告する。
「用心しろ。君は誠実だけど、今年2回目の訴訟だ。黒人男性を撃った。子供を守る為でも、理由は関係ない。今は誰もが危険だ。私も君も、ベンソンも」
手掛かり
容疑者の新たな投稿動画が見つかった。
ハンドルネームはサーストトラップ94で、ロリンズを撮影した動画に"高飛車な美人刑事"というタイトルをつけ、自ら顔を出して警察批判をしていた。
過去の投稿画像から元カノだという女性を突き止めSVUに呼び出した。
容疑者の本名はジョー・マーフィー。
「酔うと人が変わる。勃起しないと私に当たるの。25歳で母親と同居。甘えてるわ」
ロリンズとキャットがジョーの自宅を訪ねると、ニヤついてあっけらかんとしていた。
「ブロンドの刑事さん?」
動画はBLMを真似ただけだといい、ジェイボンの件だと勝手に勘違いしてすんなりとSVUに着いて来た。
取り調べ
DNAは、今では誰もがしているマスクを利用して採取した。
ジョーはまるで事件とは無関係のように話し出した。現場も見てないし、被害者も知らない。
だが交通カメラの映像を見せ、言い逃れ出来ない状況に追い込むと小芝居を始めた。
「あれ? 彼が被害者なの? 誤解しないで、彼がついてきただけ。僕がゲイに見える?」
ジョーは、彼女の家に行ってそこでサイレンを聞いたから、公園に駆け付けただけ、とあくまでも無関係ぶっていた。
照合には時間がかかる為、DNAが付着していたと嘘をつくとまたしても悪びれず言い訳を始めた。
「あー、忘れてた事がある。
公園で大麻を吸おうと誘われ、酒の勢いで同意する彼が口説いて来た。だけど俺はゲイじゃないから突き飛ばして逃げた。ほんの軽くさ。彼は追いかけて来た。泥酔して転んだんじゃないのか」
そこへ呼んだ覚えのない弁護士がやってきた。
「ドノバンさんに雇われた。君たち親子の心配をしていたよ」
ドノバンとはオーニー・マッデンズ・バーの男だった。
ジョーはニヤリと笑って、大きな態度でソファに座った。
「彼は誠実な人だ。毎晩タダ酒を飲ませてくれる」
その後弁護士との打ち合わせを済ませると、ジョーはエリックに公園に誘われ性行為を迫られた、と主張した。
「でもICUにいるのはレイプされたエリックよ」
ロリンズが突っ込むが、弁護士は平然と屁理屈で返す。
「薬物と酒と誤った欲求が重なったせいだ」
カリシは、殺人未遂、暴行、犯罪的性行為での起訴を提示したが、弁護士はあくまでも合意の上の行為として、Dクラスの軽罪を主張した。
すると、エリックは"同意"ではなく"強要"だと言い張った。
どのみち弁護士に自信はあった。
「起訴は出来ん。誤認逮捕で印象が悪いし、被害者は意識がなく証言出来ない」
IAB
取り調べの間、オリビアはIABの調査を受けていた。担当は黒人女性のカリー警部でタッカーの葬儀で会っていたというが、オリビアは覚えていなかった。
間違ったことをしたと思っていないオリビアは弁護士を手配しなかった。
「あの時私達はルール通りに行動した」
カリーはオリビアとフィンが過去にジェイボンと会っていた事を伝えた。
2013年8月6日ワグナー団地。
白人女性カスティーユがレイプ犯と誤解し黒人少年を撃った事件があった。
その時もジェイボンを取り調べしていたが、オリビアは覚えていなかった。
「犯人は黒人の連続レイプ犯。多分、犯人像と合致したのよ」
そして通報したコリーンには、虚偽告訴の前歴と元夫への接近命令が出ていたという。
「調べるべきだったわ、私の落ち度よ」
「その原因を考えた?」
オリビアは偏見はないと、改めて言うがそこでカリーが録画していたカメラを止めた。
「理解者ぶらないで」
「何ですって?」
「警察官は2種類に大別されると悟ったわ。1つは差別心を隠さない攻撃的な人。
もう1つは無邪気な善人。自らの差別心に気づかずNY市警の構造的な差別に従う人。あなたのような人よ」
「NY市警内に差別意識があるのは気づいてるわ。私は差別主義者じゃない」
「そうよ。表面上はね。潜在意識は? この国で育った人の共通意識よ。私の中にもある。法執行機関の信用は失墜したわ。私達1人1人が真剣に考えなければ信用を取り戻せない」
警視正とオリビア
翌日、オリビアは警視正に打ち明けた。
「一晩寝ずに考えた。被害者の事しか頭になかった。自分の偏見に気付けなかった。無自覚でした」
「今は?」
「分かりません。私の偏見が警察官としての判断にどのくらい影響を及ぼしたのか。
困惑してる」
「皆そうだ」
警視正は嫌な予感を伝えた。それはフィンへの警告と同じだった。
「組織は危険を感じた時に、自らを守る為に容赦せずいけにえを差し出す」
大陪審
エリックが昏睡から戻らないまま、大陪審でフィンが当時の状況を証言した。
だが、状況はややこしくジェイボンを誤認逮捕したことを責められ、論点が微妙にズレてしまう。
「黒人の犯行と決めつけていたの?」
BLMで警察への風当たりは強く、収拾がつかなくなる。
ロビーに出ると、警視正に頼まれ証言していたフィンは、証言は不本意だと言ってしまう。
それを聞いたカリシは、逮捕に疑問があったと言っているようにも聞こえ、心証が悪いとフィンを大声で責め、一触即発となる。
ロリンズが止めに入った時、突然ジョーが証言すると、ジョーの弁護士がやってきた。
嫌な予感がした。
ジョー証言
ジョーは証言台の上でバイだとカミングアウトし、偽証していたことを認めた。
酒とドラッグでハイになりエリックと性行為をした。
嘘をついたのは羞恥心だった。
家族や婚約者に知られたくなかった。
だが性行為の後については何もなかった、としか言わなかった。
カリシが突っ込むと、エリックを突き飛ばしたというのは警察の誘導があったと言い出した。
性行為は認めても暴行は認めない。
SVUからの圧力を訴え責任転嫁した。
「ジェイボンの誤認逮捕に抗議したから……」
ジョーはエリックもジェイボンも自分も被害者だという。
「警察は嘘つきだ。でも私は違う」
陪審はジョーの証言にうなずき始めていた。
カリシはまんまとジョーの作戦にはまってしまった。
嘘をつき、カリシからの追求を受ければ受ける程、同情されるのを狙っていた。
長い結果待ち後、ジョーは不起訴となってしまった。
ジェイボンの誤認逮捕とジョーのレイプは別事件とも言えるのに、1つ間違えたせいで何もかもがおかしくなってしまっていた。
エリックの家族も真犯人が野放しになっている事に納得できず、警察を責めるしかなかった。
謝罪
オリビアは家では、ノアにも責められていた。
「ママが無実の人を逮捕した動画」が学校でも有名だという。
ノアは差別じゃないなら、間違えて謝ったの? と聞いた。
ノアにとっては会社に禁じられているから話せないの、と言われても納得できない。
悪いと思ったら謝らなきゃと言われ、オリビアはセントラルパークに会いに行った。
ジェイボンは薬物の事がばれ、仕事を解雇されていた。
「でも何もするな」
コリーンは虚偽告訴で起訴される方向で進んでいる。
それもジェイボンの慰めにはならない。
「俺は仕事を失い、犯人のジョーは自由の身。あの女を起訴すれば世間が許すと思うか?」
「NYPD、いえ私には取り組む課題がある」
「ああ、そうだな」
ジェイボンは去っていった。
コロナとBLMでとにかく重い!!
メッセージ重視のシナリオだけどSVUという確立された世界があるおかげで、しっかりエンタメになっていたと思います。
ゲイバーのママも差別主義者だったというのが、じわじわと怖かったです。
アジア人がレイプ被害にあっても、犯人の白人を庇ってる。
しかも無関係の黒人ジェイボンをバーで見た気がすると、嘘までついて。それもあったから容疑者から外しにくかった訳でし。
あのBBAも偽証罪にならないの?
そしてオリビア。今回はいつにも増して女優魂を見たって感じがしました。
演技とはいえ差別を認めるのは大変な事だろうな、と思います。
ノアが急に大きくなっててビックリ。別人ってくらい。そりゃ誤魔化しが効かなくなる訳だよ。オリビア踏んだり蹴ったり……っていうのかな?w
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