あらすじ
ロリンズの留守電に、妹のキムから2年ぶりのメッセージが入っていた。ところがその直後、過剰摂取で病院に運ばれていた。
キムは2年の間に産んでいた息子のメイソンを見知らぬ人に預けたまま、ピザ店のトイレでドラッグをやっていたのだった。
病室で再会したロリンズはこれまでの事情を聞いた。
「自立したくてロレンゾ弁護士と同居していた。それが原因で彼と別れた。
出産はシェルターで。薬物は妊娠中はクリーンだったけど、帝王切開で感染症になり鎮痛剤を飲んで。
一度始めたらやめるのは難しい。医師に頼むと金がかかるから、売人から粗悪な麻薬を買った」
そしてロリンズに助けを求めた。
「刑務所行きはいやよ。メイソンの為にも」
ロリンズが売人の情報くらいじゃ検察は納得してくれないというと、キムは医師を売ると言い出した。
確認
ロリンズから相談を受けたオリビアとフィンは、2人だけで拘置所にいるキムに会いに行って詳細を確認した。
「医師の名前はポール・カぺジオ。違法の処方箋で高額請求をしている。
シェルター仲間の紹介で何回か買い、支払いできなくなると交換にセックスを迫られた。
メイソンが4か月の頃。
ED薬を自分で注射し、5分後にのしかかって来た。そして処方箋を受け取りいつでもこい、と言われた。回数は少なくとも10回以上。
止めようと思ったけど、シェルター住まいでメイソンは手がかかり……。つらすぎたの」
その後、カぺジオではなく売人から買い始めていた。
「囮になるから捕まえてよ」
「あなたには頼めない」
「協力すれば罪が軽くなるでしょ?」
検事補がカリシになっていると知ると、あの人は優しいから最高と喜んだ。
囮捜査
カペジオは整形外科医で、病院の閉鎖で失職していた。
今は診療所を借りて不規則に診療している。
囮にはキムの代わりにロリンズが志願した。
「キムの姉だし、膝のX線写真もある」
ロリンズは膝に水が溜まって病院にいったばかりだった。
フィンが付き添いになり、待合室にはキャットも待機した。
ロリンズが膝のレントゲンを見せ、市販薬が効かず妹にこちらを勧められたというとカペジオは何の疑いもなく、身体と引き換えに処方しようとした。
フィンとキャットが隠しカメラカペジオがED薬を自分に打ったのを確認して、診察室に踏み込み現行犯逮捕した。
カペジオ
カペジオは、セックスは交換条件の1つに過ぎないと悪びれなかった。
「自称被害者は依存症のウソつきばかり」
診療履歴や帳簿から支払い記録のない12人の女性患者が確認できた。
薬物流用や保険詐欺でも有罪にできる。
これらをキムの貢献とし、ハディードはGPS装置付きの釈放を求める事にした。
「でも親権については面倒見切れない」
オリビアが早速DEAに連絡しようとすると、ハディードが待ったをかけた。
「カペジオは小物だから。同罪の医師は他にもいるはずよ」
「それはDEAの捜査に任せては?」
「彼らは性犯罪の捜査に慣れていないわ。薬物に集中し、被害者を置き去りにする。うちが捜査を主導できる間にできることをしましょう」
オリビアは納得して同意した。
ハディードとオリビアが直接カペジオと話し、死ぬまで刑務所かもと脅すと業界の慣習だと言い出した。
「詳しく聞かせて」
ハディードの思惑通りになった。
新情報
カペジオの情報からハリントン製薬が医師に身体を使った営業をし、薬を売り込んでいると知り、営業担当のティファニーとキャットが接触した。
ティファニーは元AV女優で、今はオキシコドンを売っている。
「医者に奉仕すればたくさん注文してくれる」
まんまとキャットは営業にスカウトされた。
ところがハリントン製薬と聞いて、3代目と同級生だというハディードが慎重になる。
「上層部が関わるはずがない、営業部門が勝手にやってる」
2人の具体的な繋がりは不明だったが、SNSによると3代目ウイリアムとかなり親密そうに見えた。
オリビアは情報漏れを気にしたが、カリシにもハディードの立ち位置は読めなかった。
新薬発表会
キャットが新薬発表のランチ会に、新人営業として潜入する事になった。
オリビアはハディードを納得させる為に自分も医師として潜入する事にした。
オリビアがテーブルにつくと、整形外科のゴールドという男が声を掛けて来た。
そこへキャットをつれたティファニーが、ゴールドとは懇意のようで席に着いた。
壇上から各テーブルに営業がいるという説明の後、くつろげるようスイートルームも用意してあるとアナウンスがあった。
ゴールドは当たり前のようにキャットの膝を触り、酒を勧めた。
するとすぐにステファニーに部屋に行くわよ、言われテーブルを立った。
「薬の説明はできない」
「話しはしなくていい」
スイートルーム
スイートルームに入ると、キャットはティファニーに薬を買わせる為の確認をした。
すると念の為録画している、と小声で教えてもらう。
ティファニーは慣れた様子でベッドの上で注文の話をし、ゴールドはその場でスタッフにメールをし始めた。
その時、フィンが突入し医師とキャットたちを逮捕した。
再潜入
逮捕したティファニーに命じた上司の名前を吐かせようとしたが、上層部というだけで具体的な名前は分からなかった。
ティファニーの協力と、キャットにも潜入を続けさせ、オリビアは次にハリントン主催の慈善イベントに潜入する事にした。
「全社員が集まる事になっているので、ティファニーより上の人間と話せる」
ハディードは捜査を止める事はなかったが、上層部は関与せず末端が勝手にやっていることだと信じているようだった。
オリビアは、ランチ会で話した営業部門の責任者リックを見つけるとストレートに切り込んだ。
「うちの医師にセックスの奉仕はいらないわ」
「何です?」
「10軒のクリニックを開設する資金を調達した。取引きしたければ売春婦よりもっといいものを提供して」
リックは売春を否定せず、半ば認めた。
「可能です。自社株購入とか……」
だがそれには上の許可が必要だとも言った。
「上って? 社長に会える?」
「僕でも会えません」
すると、そこへ本人が登場したのでオリビアが近寄ろうとすると、横からハディードが親し気に登場しハリントンを別室に連れて行ってしまった。
耳元でオリビアとキャットの正体を明かして。
オリビアとキャットは慌てた。
ハディード
ハディードはハリントン本人に事の顛末を説明し、関与を尋ねた。
ハリントンは、すぐに保身のための嘘だと否定したが、やっている事自体は否定しなかった。
「信用したかったけど、元AV女優に営業をさせてる時点で……」
「商売の為にどんな接待をしようと自由だ」
そしてハディードが味方だと安心したのか、隠そうとはしなかった。
「状況は?」
「DEAには知らせてない」
「ありがたいよ。彼らの攻撃は容赦ないから」
「薬の常用性を軽視しないで」
「常習するやつの責任だ」
「ウィリアム、友達として忠告してるのよ」
ハリントンは、ハディードを味方につけようとスカウトし始める。
「ただの友達じゃなく相談役になってくれ。新しい法律顧問を迎えてもいいと思ってる」
「今の立場で私は何をすればいい?」
「捜査状況を知らせてくれたら家族も君に感謝する。パートナーになろう。仕事上でも社会的にも個人的にもな。別れたのは間違いだ」
――と、これら2人の会話はすべて録音されていた。
ハリントンは、ハディードの元恋人だった。ハリントンの父親が反対しなければ結婚していたかもしれない。
ハディードはオリビアに言い訳した。
「単独で潜入したのは、話を引き出せるかどうかわからなかったから。こうなって複雑よ」
友情を利用したのも事実だった。
罪状認否の前、ハディードは廊下でハリントンと顔を合わせた。
「将来を棒に振ったな。検事への出馬は諦めろ。この代償は高いぞ」
脅しは平気だった。だが「僕の気持ちを踏みにじったな」という言葉には傷ついているように見えた。
ロリンズの父親
その後キムが釈放され、ロリンズの自宅に向かうと家の前で父親が待っていた。
キムの為にジョージアから13時間かけて運転してきたと言う。
久しぶりの再会で孫にも会いたいと言われるが、ロリンズは警戒した。
「常習者と一緒に居てはだめよ」
それでも心を入れ替えたから償いたいと言われ、キムにも頼まれると断り切れず、結局一晩泊める事にしてしまう。
翌日は、ロリンズの一次親権が認められ、メイソンを連れて帰った。
すると、1人で留守番していた父親が苦しんでいた。
テーブルには薬の瓶とアルコールがあり、過剰摂取だった。
父親は病院で目覚め、事なきを得た。
だが翌日、キムと見舞いに行くと手紙を置いて姿を消していた。
「検査と治療を勧められた。お前達を愛してるがここに留まれない。寝無し草だ」
ロリンズは手紙を投げ捨て病室を出た。
その後、キムは父親の過剰摂取を見て刑務所での更生を選んだ。
メイソンはロックランドの母親が預かる事に。
意外と近いと、オリビアに言われたロリンズは諦めたように言った。
「家族と離れたくてNYまで来たけど、どれだけ走っても逃げきれないみたいね」
キムのドラッグから、悪徳医師、そして大企業の汚職へと大きく展開していくストーリーでした。
そして、やっぱりハディードへの不信はミスリードだった、と思えるハディードの印象が変わる回でもありました。
立場のせいでぶつかる事もあるけど、ハディードもオリビア同様、信頼できる人物だと思っていいんだよね。
初めて? ハディードの人間味が感じられたな。
ロリンズは特に踏んだり蹴ったりが多いような印象があるのですが、妹も父親も急死とならなかっただけでも良かったのかな。それにしてもどんだけキツい家族設定なの……。
それなのに他人の為にSVUで活躍しているロリンズは本当に凄いわ。
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