LAW & ORDER:性犯罪特捜班/SVU　シーズン19　3話「因果応報/Contrapasso」

悲鳴で通報された、ホテルの事件現場にフィンとカリシが呼ばれた。
その理由は睾丸がホテルのベッドの上に残されていたから。
バスルームには血まみれのナイフも。


血痕を辿り、被害者ジェイソン・カーを発見するとまだ息が残っていた。

薬物検査で抗不安薬を検出。血中アルコール値も高く、切断時は泥酔していたと担当医が言った。

残された睾丸は警官が機転を利かせて、アイスペールに入れておいたが使い物にはならない。
カーは、陰嚢の再建手術をし一生ホルモン補充治療が続く事になった。
もうこの先子供も持てない。


病院に来ていたオリビアは、そこで自身にかけられていた捜査の打ち切りを知らされた。
検事に身の潔白が認められたのだ。
これで安心して捜査に集中できる。

通報者

被害者カー

監視映像

カリシが、ホテルの監視映像に写るジュリーを発見した。
通報の2分前。嘘をついていたのだった。

ジュリーを呼び出すとホテルに居た事は認めざるを得なかったが、事件については関係を否定した。
去勢の事も知らなかったようで驚いていた。
逮捕されたのではないなら帰る、と何も言わずに帰って行った。

カー自身も、ジュリーではないと証言していたが……。

ナイフ

現場に残っていたナイフには「シャイアン」と刻まれていた。
オリビアはそれがホテルに近い、ヘルズキッチンのステーキ店だと気づく。

シャイアンの案内係から、ジュリーが常連のイブリン・バンディと一緒だったとの証言を得た。

名字の確認で利用履歴を確認した際に、同席していたもう1人の名前を知る。
通報者のノラ・ゲイレンが支払をしていた。

ノラ・ゲイレン

呼び出したノラは、とぼけるあまり、言う事が曖昧でいい加減だった。
確実に何かを隠している。

カリシとフィンで整理して追及すると、ジュリーを巻き込みたくなかったと知り合いである事を認めた。

しかしそれ以上の事には口を閉ざす。
何に巻き込みたくないのか？

イブリン・バンディ

ノラと同時にイブリンも呼んでいた。
ロリンズが聴取すると、シャイアンで初めてノラ達と知り合ったと言う。
カーの写真を見せると、知らないといいながらも抗不安薬に手を伸ばし、あきらかに取り乱した。

繋がり

一見、偶然知り合った3人のように見えたが、詳しく調べると出身高校が同じである事が分かった。
ジュリーは3年生、ノラとイブリンは2年生だが、アップダイク文学部に所属していた。
そして、部の集合写真から、カーが指導教師だった事が判明した。

全員、繋がりがあったのだ。


自宅に戻ったカーに当時の話しを聞く。

しかし、3人の最新の写真を見せても、3人とも犯人とは違うと言う。

同席していた若い妻は、何故過去の女生徒を疑うのか？　と気にした。
カーは妻の前では言いにくい事でもあるように、戸惑う素振りで何も言う事はないと言った。

浮気について許してもらったばかりで、今は回復に全力を注ぎたいと、SVUを追い返した。

動機

カーが元教師であった事から、セックス絡みに違いないとオリビアは断言した。
起訴する為には証言が必要になる。
オリビアは3人を追い詰めて、口を割らせる事にする。

カリシが提案した嘘をついた旨の公務執行妨害で3人を逮捕し、同じ房に入れると案の定3人は揉め出した。
そしてすべてを話す事に。


当時、カーは教師の立場を利用して女生徒を口説き、つきあっていた。
それが1人ではなく、イブリンもノラもジュリーを含む大勢に甘い言葉をささやいていたとは知らずに。


自分が特別だ、と思わせまだ子供である10代の女生徒達を魅了するのは簡単だったのだろう。
また、抵抗したくても出来ない生徒もいたはずだ。


イブリンには大きなホラ貝を渡し、「君は波で洗われた宝物だ」と言ったという。
文学少女だったイブリンには、効果があった。

一方ジュリーは次第に雑な扱いをされた事から、自分に自信を失い自傷行為をするようになっていた。


そして3人は、20年ぶりにシャイアンで再会していた。
そこでカーの話題になり、これまで隠していた秘密をジュリーが打ち明けた時、3人ともカーに人生を壊された事を知る。

ジュリーは自信を失い、ノラは人間不信。そしてイブリンは抗不安薬が手放せない。
それでニューヨークにカーが居ると知った3人は、過去を乗り越える為カーと話しをすることに決めていた。

それが去勢という結果になってしまった。

再会したカーは悪びれず、むしろイブリン達が誘惑してきたと責任転嫁したのだった。
イブリンが飲み物に薬を入れていた。
ジュリーとノラを帰して。

真相

実行はイブリンの単独で、後の2人はほぼ無関係だった。
イブリンをかばっていただけで。

イブリンを第1級暴行罪で起訴。すぐに罪状認否へ。

そこへカリシが、3人への法定レイプが時効を過ぎていなければ起訴対象はカーだったと言う。
何か手段がないのか、翌日オリビアはイブリンと話す事に。


別れ話を持ち出した時に、ワインの栓抜きを顔に当てて脅し、無理やり押し倒されていた事を知る。

第一級レイプ罪には、時効はない。

罪を逃れる為の作り話かも、とロリンズが言うとフィンとカリシはイブリンを一切疑わなかった。

すぐにカーをレイプで逮捕するが、妻はそれでもカーの無実を信じた。

高位裁判所　第17法定

カーの裁判が始まった。

イブリンは、ワインの栓抜きで脅された話しを証言台で話した。
そして、ホラ貝を取り出し見せた。
「覚えてる？　カー先生」

カーは無言で妻の様子を伺った。
妻はホラ貝に驚いていた。

証拠

ホラ貝を叩き割ってイブリンが手を怪我した為に休廷となった。

その合間に、カーの妻が自宅から当時の学生誌を捜してSVUに提出した。
カーには不利になる内容なのに、何故？　とロリンズが確認すると、妻はバッグの中からホラ貝を出して見せた……。

夫の本性に気づいたのだ。


裁判が再開すると、カーは去勢されたという不幸を売りにして陪審の同情を引いた。
過去の行いについては、若気の至りの本気の恋愛だとアピールした。

だが、学生誌がそのウソを暴く。
そこにはイブリンが、ワインの栓抜きで脅され犯された体験に基ずいた詩が掲載されていたのだ。

ワインの栓抜きとはっきり書かれていて、言い逃れはできない上、書いた日付やイブリンの名前も残っている。

バーバ

カーのレイプが確定したが、バーバは司法取引を考えているとオリビアに打ち明けた。
去勢という手段に男性陪審員が同情すると読んだのだ。

オリビアは私達の仕事は、レイプされた女性の想いの代弁だと、釘を刺した。


翌日の法廷で、カー側は去勢で報復を達成しているのだから、これ以上カーの苦しみを増やすのは不公平だ、と主張した。

バーバは出だしで、それを認めてオリビアを驚かせた。
そもそも公平というなら、イブリンの身体の一部も切り落とさねばならない、とも言った。

しかし、それで済むならそもそも裁判所はいらないと流れを変える。
店を燃やされた人は放火犯に火をつけ、子供を殺された人は犯人の子供を撃ち殺す。
それで相応の罰となる。

だがそれは街を血で溢れさせるだけ。
長靴を履かなければ歩けない程に。

評決

バーバの主張は陪審員に届いたようで、ジェイソン・カーは第1級レイプ罪で有罪となった。

オリビア

オリビアの元に、弁護士トレバーが訪ねてくる。
すでに打ち切られた検察と児童保護局の件かと思いきや、ノアの親族の話しだった。

ノアと養子縁組をする際に、ノアの母親エリーには両親がいないという前提で処理をしていた。
本人にそう聞いていたからというオリビアに、トレバーはそれはウソで母親シーラ・ポーターが生きていると伝えた。
そしてノアの存在を知り、養子縁組を無効にするよう申し立ててきているという。

最悪の事態に、オリビアはトレバーに当たった。
何故当時ちゃんと調べなかったのか？
トレバーは、NYに多い名字だし君を信じたと、お互い擦り付け合う。

だがここで揉めても仕方がない。
トレバーはとことん闘おうと、オリビアを励ますがオリビアには楽観できなかった。


カーの裁判が終わり、ノアと団らんしているとまた予定のない来客が来る。
ドアを開けると、ノアの祖母シーラだった――。



4話 「無邪気な悪意/No Good Reason」へつづく