LAW & ORDER:性犯罪特捜班/SVU シーズン23 第20話 奇跡を信じた?(Did You Believe In Miracles?)

2022/10/29

LAW&ORDER:性犯罪特捜班 LAW&ORDER:性犯罪特捜班 シーズン23 クライム ジェーン洞 リーガルドラマ

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あらすじ

©2022 NBCUniversal Media, LLC

2022年6月17日(金)22:00~ FOX 日本初放送 (全22話)
(アメリカ放送 2021年9月~)

【登場人物】



14歳少女誘拐事件

母の日前。
学校でカードを描いている少年の絵から、絵の中で一人離れている14歳の姉ベス・リーの話になる。
「ベスはもう帰らないんだ」
不信に思った教師がSVUに通報した。
両親への問い合わせでは、弟の空想が混ざっていて姉は寝込んでいるだけだと言われていた。

ところが実際にフィンとロリンズが訪ねると、両親は誤解だと説明する。
「ルークという家族ぐるみの友人と、伝道活動で難民向けの家を建てにいっている」
学校には教会の活動を批判されたくなくて嘘をついていた。

ブルーミングバーグの建設現場

ベスの希望で行かせていると、両親は未成年を一人にしていることにまったく心配していなかった。
SVUの仕事としては、ベスを確認するまでは完結しない。
工事現場にまで出向くが、ルークとベスは来ていないと言われる。
ロリンズは嫌な予感がした。

ルークの正体

ルークとリー家の出会いは、二年半前、夫婦が主催する聖書の勉強会だった。
ルークはソングライターでギターの先生だという。
リー家は信用しきっているが、ルークを知る教会の牧師夫妻に話を聞くとそういうことなら、とルークが隠していることを教えてもらう。

ルーク・デイビスは偽名で、本名はニック・ピアースというロードアイランド州の資産家の息子だった。
家族には行方不明になっている。
携帯、カード、口座も不明ときいて両親は驚いた。
「あなたの娘は誘拐されたのよ」

手口

ルークは、ベスとの出会いから偽名を使ってた。
最初からベスを狙っていたというと母親クレアが否定する。
「狙っていたのは私よ」
夫には秘密でルークとは愛し合っていると打ち明けるが、そう思いたいというだけであくまでも狙いはベスだろう。

ルークがパーパス・ミュージック社という会社を持っていることがわかり、送金履歴を辿った。
すると、三年前に5000ドルを振り込まれた女性を見つける。

話をきくと、やはり12歳のエヴァという娘がいて、ルークが娘を狙っていることに気づいて離れていた。
「娘は洗脳されていた」
当時、三人でルークの所有するタッパー湖の近くの山小屋に行く予定があったが、娘がいけなくなったというとキャンセルになって不信に思っていた。
「地図は見せてもらったからなんとなく場所を覚えているわ」

ピアース家の山小屋

山小屋へ行くとベスはワンピースのパジャマ姿でベッドの上にいた。
ベスはルークの逮捕時、ピアースに抱き着いて離れなかった。
「ここが私の家よ!」

ベスはレイプ、妊娠検査を拒否するが、14歳ということでその意思が尊重される。
恐らくルークに入れ知恵されているのだろう。

ベス

ベスはルークに洗脳されており、口は堅かった。
「私たちは純潔、彼を愛してるわ。彼の計画は神の計画」

新事実

罪状認否でルークの弁護士はカリシの知らないことを主張した。
「依頼人は被害者だ。信仰心につけこみ、ポール・リーが依頼人に性行為を強要した」
ルークは保釈になった。

父親が妻を遠ざけて、カリシとフィンに打ち明けた。
実は過去にルークに誘導されて、性的関係を持ったことを。
しかも1度ではなく数回も。
「彼はゲイじゃない。親近感を覚えただけだと言っていた。お互い誰にも言わないと約束をした。妻には言わないでくれ」

ルークはいざという時の為に両親二人共誘惑して、弱味を握っていたのだった。
信用され、懐に入り込む、賢い性的搾取者だった。
すべてはベスを手に入れるため……。

カリシがルークの話を聞いた。
「彼女の幸せは僕のとの結婚」
14歳のベスと本気で結婚しようとしている。
「ベスの幸せを証言台で説明してくれ」
このまま裁判すれば陪審員も不審に思うだろうと確信した。

結婚式

直後に、ベスが失踪したという連絡が入る。
両親と共にカフェにいたが、トイレにいくといったまま戻らなかった。

牧師の妻のモリーが夫に内緒で打ち明けると、ベスの伝言をルークに伝えたという。
「すでにある土台に誰も他の土台を据えられない」
それは「明日に架ける橋」の説教だった。
防犯カメラには白い服に着替えたベスが映っている。
結婚式をあげるつもりだと気づくと、フィンが思い出す。
「ベスの部屋のモニターの待ち受けがブルックリン橋だった」
橋に向かうと白い服を着た二人がいた。

「結婚するのよ」と叫ぶベスを取り押さえ、保護命令に反したルークを逮捕した。
ベスはまだ叫ぶ。
「私は神の子を宿しているのよ!!」

結末

ベスは洗脳されきっている上、もちろん子供を産む気でいる。

来月になったらベスが15歳になるときいたオリビアは、ある解決策を思い付く。

母親クレアがベスと二人きりで会った。
ベスは誰もルークとの結婚を祝福してくれない、と母親にも半信半疑だった。

母親は、そんなベスに15歳になればメリーランド州なら親の同意があれば結婚できる、と教える。
「同意してもいいわ」
ただし子の父親がルークだという証明が必要だと条件をつける。
「検査しましょう。検事補に誰も証言しないといえば、起訴は却下よ」
「そう祈ってた!」
ベスは嬉しそうに母親に抱き着いた。
「私もよ」
ベスを抱き返す母親の表情は複雑だった。

検査の結果、DNAはルークのものと証明された。
ルークのレイプの証拠となり、第2級レイプ罪は確定した。
裁判はしないから両親の証言も必要ない。

生まれてくる赤ん坊はリー家の子供として育てることになった。
「いつかベスが許してくれると信じて」



かんそう

ルークの少女への執着も怖かったですが、解決したようで新たな問題が生まれていることにも恐ろしさを感じました。

両親、とくに母親は娘を守った代償として恨まれ役を買って?出たことになります。
でもいつかベスが洗脳から解かれた時、その時こそ本当の解決になるのですが、ベスにとっては生まれた子供をみることで永遠に自分の犯した行動を突き付けられる事にもなる。
子供に罪はないのですが、負のスパイラルは正よりも簡単そうで。
たまたまルークという変態に目をつけられたために、しかも幼いからこそ簡単に洗脳の餌食にされてしまい、被害者はベスなんですけどそれに気づける時にはもう全部遅いって感じで、いつまで経っても救いのなさを感じました。

何より両親もルークを疑うどころか、洗脳どころか懐柔されていたんですから。
ベスのことを責められるわけもないし、かといってルークが凄く知能犯なのかといえばそうでもないのには少し違和感もありましたが、そんなところもリアルさに繋がりました。
SVUならではの後味の悪い、考えさせられる事件でした。



(文:ジェーン洞/海外ドラマクイーンズ)

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