あらすじ
ギャングのたまり場襲撃事件
ノース・ローンデールにあるウエストサイド・ハスラーズのたまり場が何者かに襲撃された。
たまたま近くにいたジェイが一番に駆け付け、リビングで殺されている子供2人を発見していた。
他被害者は、ハスラーズのメンバー1人。
たまたまバスルームにいた小さな男の子は見つからず助かっていた。
ボイトがボスのカリームに会いに行くと、側近のプロフェットはボイトとの会談を止めようとする。だがカリームはボイトをテーブルに座らせた。死んだ少年はカリームの甥だった。
「報復をせず、警察に任せて欲しい」
「あんたは俺を信用できるか?」
「さあな」
「俺も同じだ。一生ムリさ」
「別に構わんさ」
意見は合わなかったが、ボイトは盗まれたものが何かだけは聞き出していた。
容疑者
盗まれていたのは、ケタミン400グラム、拳銃2丁、半自動小銃1丁、現金2万3000ドル、小額紙幣の束で、カーキ色のバッグに入っていたという。
犯人に心当たりはなかった。
すると2ブロック先の防犯カメラに容疑者らしい男が見つかる。
フードを被った黒人で、顔認証システムで一致する人物は出なかったが、カリームから聞いていた盗まれたカーキ色のバッグを抱えていた。
そんな中、本部長代理から早期解決の為、新しい顔認証システムを利用するよう命令を受ける。
まだ準備段階で公式ではないと聞き、ボイトは気が進まなかったが仕方なかった。
精度が高いと自慢するだけあって、すぐに99.64%の一致でマーカス・ウエスト27歳が浮上した。
自宅は現場から800メートル。
前歴は16歳からあり、薬物所持、窃盗等多数。
312オライオンのメンバーとして登録されていた。
ほぼ容疑者に決定という空気の中、ボイトだけは決めつけるのはまだ早い、と警告した。
「証拠や動機は? 非公式のソフトでは令状も取れない」
すると本部長代理は判事である兄弟に頼む、といって令状を手配した。
殺害現場を見て肩入れするジェイも子供殺しの犯人を逃したくない、と前のめりだった。
すぐに自宅に居たマーカス・ウエストを連行した。
ジェイが取り調べをしたが、マーカスは関与を否定。
それなのに逃走したのは、黒人なら当たり前の事だ、と主張した。
「シカゴの黒人はサツが来たら逃げるもんだ。やましくなくてもな」
逃げではなく自己防衛だった。
ジェイはマーカスの写真を持って、尋問中のハスラーズにも聞き込みをした。
だが、プロフェットとその仲間にも知らないと言われ、収穫はなかった。
カリームに挨拶をすると、そろそろ時間切れだと釘を刺される。
「皆俺達が報復するのを待っている」
焦燥
マーカスの拘束可能時間は残り31時間。
ジェイはなんとか自白させようと思い、目撃者がいたと本人に嘘をついた。
しかし、麻薬常習者であることは認めても、殺人はしないとあくまでも否定を続けた。
「あんたにはもう何も話す気はない」
マーカスを、誰もが一晩で態度を変える悪環境の郡拘置所に入れれば認めるかもしれない、と強硬手段を取る。
それでもマーカスは怯えながらも俺じゃねえ、としか言わなかった。
翌日も証拠集めを進めていたが、成果はなかった。
現場にマーカスの指紋はなし。ハスラーズとの関係もなし。
そこへマーカスが襲われ、昏睡状態で入院しているという知らせが入る。
昨夜拘置所に居たメンバーを調べると、そこにはジェイがマーカスの写真を見せたプロフェットの仲間を見つける。
入所の理由を調べると、3年前の些細な罪での逮捕状の自首だった。
最初からマーカスを狙っていたのだろうが、拘置所にいる男達はそう簡単に口を割らなかった。
ジェイは自分が焦って行き過ぎた行為をしたのではないかと不安になり、ボイトに零すと励まされた。
「お前は優秀で善良な刑事だ。お前は間違ってない」
真実
SNSからマーカスがギャングである証拠の写真が見つかった。
友人のルーベン・ジョーンズと腕を胸の前でクロスし、手でCをかたどるポーズをして映っている。ギャングのサインだろう。
ルーベンはケタミンを取り扱っており、自宅はハスラーズの近くだった。
312がハスラーズに喧嘩を売ったのかもしれない。
ところがルーベンの話を聞くと、マーカスはギャングではないという。
「幼馴染で同じ野球チームだった。写真のポーズは、ギャングのサインではなく地元の地名の頭文字を表しただけ。
マーカスは数年前地元を離れたんだが、エアコンがなかったからしょっちゅう涼みに戻って来てたんだ。この前もそこのソファでラリってぶっ潰れてたぜ」
確かに詳しく調べると、それはマーカスのアリバイになった。
マーカスが何も言わなかったのは、ラリっていて記憶がなかったからか、薬物売買をしているルーベンの名前を出したくなかったからなのか、今となっては分からなかった。
真犯人
バージェスとアプトンは、もう一度バスルームに隠れていた少年に当時の話を確認した。
すると思い違いがあったことに気づく。
玄関を壊す音の後に銃声がしたのではなく、銃声の後に玄関を壊す音を聞いていた。
考えられる理由は、恐らく侵入者の犯行に見せる為、玄関をわざと壊す必要があったのだろう。
犯人は身内にいる。
そしてマーカス死亡の知らせが入る。
ジェイとボイトは認証システムの担当者にクレームをつけた。
担当者は謝罪と共にとんでもない真実を口にする。
「本部長代理には時期尚早だと伝えたんだ。このソフトを作ったのは白人の技術者たちで白人のデータをもとにしている。だから肌の色が濃くなると誤判定の確率が高まるんだ」
最初に言うべきことを言わずにいた……。
ボイトが本部長代理に現状報告をすると、本部長代理はジェイに責任を押し付けようとした。
「誰かが責任を取らねば」
「部下ではなく、あなたでは? あなたが勧めたソフトのせいでこんなことに」
すると本部長は世間的にはマーカスを犯人とし、真犯人捜しをしなければいいのでは? と仄めかした。
だがボイトは捜査を進め、カリームの周辺にいる人物からプロフェットに目をつけた。
カリームとの会談の時、阻止しようとした事でピンと来た。
ひっかけ
ボイトはカリームとプロフェットに真犯人は別にいる、と言いに行きその際に、プロフェットの事は疑ってはいないとわざと思わせた。
「これから1人1人捜査するが、お前にはお手本になって欲しいんだ。逃げたり発砲したりして抵抗せず、言う通りに協力してくれ。一刻も早く犯人を見つける為に」
プロフェットは安心したのか、わかった、と協力を約束した。
油断させてからプロフェットを監視すると、姉の家からカーキ色のバッグを持ち出す姿を捉えた。
そしてバッグを車のトランクに入れるとそのままどこかへ歩き出した。
全員が見守る中、ボイトは何もするな、と命令した。
ジェイは、捕まえられるのに、と焦った。
プロフェットが遠ざかった事を確認してから、ボイトはトランクをこじ開け中身を調べる。
それは確かに盗まれたブツで、そのままバッグを回収した。
シカゴ流解決法
ボイトは本部長代理に真犯人が見つかったと状況報告した。
「どうすれば?」
本部長代理に尋ねられると、ボイトは警察学校では教わらないが、丸く収まる方法があると提案した。
ボイトは1人でカリームだけを呼び出し、ブツを返した。
これを盗んだのはプロフェットだと告げ、その後については委ねた。
「あんたに任せるよ。俺を信用するか?」
――プロフェットはカリーム達によって処刑された。
本部長代理は会見でマーカスを犯人として発表した。
その背景には新しい認証ソフトが活躍したことも。
プロフェットの死を知ったジェイは、ボイトのオフィス行った。
ボイトは黙って引き出しから酒とグラス2個を出し、ジェイにも勧めた。
「ボスがやったのか?」
「ジェイ、今回に限っては、受け入れろ」
ジェイは黙って酒を飲んだ。
かんそう
アントニオなき後の、特捜班の良心はジェイって感じですね。
今回もボイトはヴァイオレンスこそなかったものの、格好良かった~。
本部長代理はちょろいですね。
なんだかんだボイトの手のひらの上って感じ。
マーカスは……。
ドラッグはいろんな意味で身を滅ぼすって教訓かな。
ギャングのボス、カリームがなかなか格好良かったです。
ボイトを信用しない、といいつつもすぐ報復に動くのではなく、一旦はボイトの言う通りにしていたし。
最後は悪人がキッチリ報復を受け、スッキリしました!
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