あらすじ
セミナーレイプ事件
カンザスからニューヨークへ来ていたメーガンが、裸にシーツ姿で倒れている所を保護された。
メーガンは前の晩、友達とはぐれて迷っていたところをアナイスという若い女性に声を掛けられ、輪タクに乗せられていた。
そこで水をもらい飲むと意識が朦朧とし、アナイスに怪しげなセミナーに連れていかれていたのだった。
気づいた時にはベッドに縛り付けられていた。
声をあげてアナイスに助けを求めると、アナイスが3人の学生のような男を連れて部屋に入って来た。
そこからメーガンが覚えているのは、現実と幻覚が混ざった記憶だった。
保護された後の病院でも、メーガンは寝る事に怯えた。
薬の量が多かったせいで幻覚から完全に覚めてはおらず、記憶も曖昧だった。
「機械のエルフに連れていかれる」
会話の断片から、メーガンが利用した輪タクを突き止めた。
画像を見てアナイスの事、セミナーに連れていかれた事等を思い出した。
「絶望は抑圧の産物」
ヒゲの年配の魔術師が言っていた。
DMT幻覚剤
メーガンから検出されたのは、DMT幻覚剤やGHBだった。
DMTの過剰摂取は珍しく、2週間前に同様の少女が運び込まれたケースが別病院でもあっったと担当医師から知らされた。
被害者は、いまだ回復せず、精神科病棟に入院していたが調べた結果、メーガンとほぼ同じ状況だった。
だがメーガン以上に幻覚剤の影響を受けまともに取り調べが出来る状態ではなかった。
そんな中、3人目の被害者セントラルパークで発見される。
3人目の被害者
3人目は、2日前から行方不明のスウェーデン人留学生、フレイヤ・ベルグダールだった。
プラット大学の学生で、普段はドラッグ等と無縁だと友人の証言を得た。
意識が混濁しており、話す事は最初の頃のメーガンと変わらなかった。
専攻が美術だったので覚えているという石の女性とトロール等を描いてもらう。
すると、フレイヤが見たという巨大な石の女性が、ハウストン通りの側にあるピカソのシルヴェットの胸像だという事に警視正が気づいた。
警視正はフレイヤを連れて、現場に行くようオリビアに命じた。
オリビアは車にフレイアを乗せて石像を見せた。
すると、フレイヤはここを通ったと認めた。
そのまま付近を流し他に見覚えはないか確かめていくと、連れていかれたマンションを突き止めた。
容疑者
そこはジュリアス・アドラーという急進的な精神医学で名高い教授の部屋だった。
フィンに言わせれば、変人。
「幻覚剤を万能薬に」
だがロリンズはアドラーに想い入れがあるのか、庇った。
カリシは治験にドラッグを使っているのなら合法になる、と慎重だった。
レイプについては、アドラー自身が関わっているようではなくDNAは検出されなかった。
「逮捕に相当する理由をもってこい」
被害者達はまだアドラーの顔を認識できていなかった為、直接フィンとキャットがアドラーを訪ねた。
アドラーに被害者達の写真を見せても見覚えない、ととぼけた。
「大勢が出入りしている。公開講義に参加したのかも」
被害の度合いを伝えても、何かあったとしても治療中ならありえる、と平然とし、室内の捜査には令状を求めた。
ロリンズとアドラーとの関係
ロリンズはオリビアに、アドラーとの関係を打ち明けた。
実は、アドラーは大学で心理学を学んだ時の担当教授だった。
だからロリンズにはアドラーが事件と関わっているとは思えなかった。
「人は変わる」
オリビアが言ってもロリンズには響かなかったが、ロリンズは自分の立場を利用してアドラーに近づく事を提案した。
潜入捜査
ロリンズは、トンプキンス大学のアドラーの講義に紛れ込みファンを装って近づいた。
するとアドラーも、ロリンズの事を覚えていた。
思惑通り、まんまと公開セミナーに誘われ、カメラと盗聴器を仕込んで参加した。
ドラッグを勧められた所で、ロリンズが合図を送り突入してその場にいた全員を逮捕した。
アナイス
アナイスはアドラーの娘であり、信奉者だった。
「母は死んでいる。
父は自分を犠牲にして私を育てた。父が築いた教えは誰にも奪えない。
完全体になるのよ。皆別の道を求めて父の元へ」
アドラー
アドラーはレイプではなく、合意の上の精神的な性の探求だと主張した。
ロリンズが説得役になるが、そう簡単に太刀打ちできる相手ではなかった。
DMTの研究で政府の認可を得ているから、薬物所持で逮捕はできない。
セミナーは事実上大学の郊外授業。
アドラーに隙はないようで落ち着いていた。
「大粛清を行う気なら、正当な手続きを」
手掛かり
教え子達も娘も、アドラーを信じ切っていた。
次の手を考える中、ロリンズはアドラーに何かが起きたと考えた。
「20年前は精神医学の権威だったのに……」
その言葉を聞いた時、キャットが手がかりを見つけた。
アドラーが94年に結婚したという結婚証明書はあるが、死んだという妻の死亡証明書はなかった。
妻の行方を捜す事に。
ラガーディア精神科病院
キャスリーン・B・アドラーは97年に精神科病院に入院していた。
診断結果は、幻覚剤による精神疾患に妄想型統合失調症。
意思疎通は断続的で、回復の見込みはなし。
この15年、訪ねてくる人物は誰もいなかった。
オリビアは、妻の状態もアドラーの仕業だと思ったがロリンズはすぐにはそう思えなかった。
「アドラーに奥さんの事を聞くわ」
「あなたに託して平気?」
「他に誰ができる? 私以外は殻に籠り心を開かないと思われてる。悪いけど」
ロリンズは頑なだった。
アドラーVSロリンズ
ロリンズは取調室でアドラーに、死んだという妻の生存を知った事を伝えた。
「妻には関わらないでくれ」
アドラー曰く、キャスリーンは虐待の被害者で出会いは患者だった。
「自殺を試みた彼女を精神鑑定した。
治療を開始してから関係を持った。愛があった」
一時は成功し、幸せに暮らしていたがアナイスを育てているうち、虐待の記憶が蘇って精神不安定になったという。
「それ以降私は、他の犠牲者の救済に人生を捧げた」
ロリンズは確認した。
「麻薬の投与や性的暴行ではなく治療だと?」
「深い傷を負ったものは我々に惹かれる。
現実の認識を変え、虐待を再現する事で真の自己を取り戻させているのだ」
「真の自己?
病院の少女や奥さんは元に戻らない!!」
ロリンズが怒鳴ると、アドラーの様子に変化が起きて来た。
「私のせいじゃない! 壊れた彼女達を救おうとした。そうだろキャスリーン。
私を黙らせる為にきたのだな」
言動が怪しくなっていき、自分を貶める為の陰謀だと言い出し錯乱していく。
終いにはロリンズをキャスリーンと思い込み抱き着いた。
再会
アドラーが入院して3日が経った。
演技の可能性もあったが、あれから一言もしゃべらず、食事も睡眠もとっていないという。
病気なのは確かだろうが、カリシはアドラーを含め、全員の召喚を主張した。
オリビア達は、アナイスの召喚を1日遅らせ病院にいる母親に合わせた。
アナイスは母が生きている事に驚き、自分の事が分かるのかと戸惑いながらも側に近寄った。
そんな様子に先に声を掛けたのは母親の方だった。
「大丈夫?」
「私? 分からない」
「お父さんとあなたの話をしてたのよ」
まるで日頃から一緒に過ごしているように娘を迎えた。
SVUらしい捻りのある展開に、最初は戸惑いました。
結局どういう話なんだろう? と一瞬訳分からなくなりました。
怪しいセミナーにほとんど拉致され、集団レイプに遭った挙句薬で証言できない状態になった所を放置される、という恐ろしい事件なのですが、ストーリーは被害者ではなく、容疑者側に焦点を当てているんですよね。
とはいえアドラーに同情するとか、犯罪の正当化をさせる、というのではなく、あくまでどう追い詰めていくかという過程がメイン。
その中で、アドラー自身の闇(妻の存在)に触れ、アドラーも壊れてしまいました。
でもそれで手を緩める事はなく、オリビア達は娘に母親の存在を知らせ、尊敬する父親がしたことをしっかり認識させようとした。
と、私は思いました。
最後、ドラマの中では何も語られていませんが、娘は父親の罪を証言したと考えました。
だから私にとってはハッピーエンドです。
とはいえ、今回はいろいろ分かりにくい部分が多かったです。
そもそもアドラーがサイコで、幻覚剤を学生達に使いまくっている所まではOK。
でもなんで娘は、通りすがりの旅行者みたいな女性をまるで獲物のように、街から連れて行くの?
そして命までは奪わないまでも、事件になるのが分かってて放置するんだろう?
(レイプを絡めるのはSVUの扱いにするためだろうけど、そことアドラーが直接絡んでないからやや違和感なのかな?)
派手な幻覚シーンから始まって、まさかこんな終わり方になるとは。
まんまとやられましたw
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