あらすじ
レイ・プライス
レイ・プライスがボイトに2人のギャングを売った。
ギャング歴20年でヘロインを扱うフィル・ガンブルとその右腕ダリル。
どうやら金絡みで邪魔になったようで、シカゴの街から追い出したいと情報を渡していた。
レイはケルトンから公式な支援を頼まれていたが、君は好きだけど白人の支援はしない、と冗談交じりに断っていた。
取引きの証拠を掴んで逮捕を狙うが、用心深いダリルを信頼させるには時間がかかっていた。
そんな中レイの情報を使い、ダリルが溺愛する弟にバスケのコーチを紹介する事で、距離を近づけた。
なんとかダリルと親しくはなったものの、ダリルのルートに絡む隙はなかった。
するとボイトは隙がないなら作ればいい、と更にレイから情報を得る。
ダリルの仕入れルートがメキシコのフランコ・ベルティスである事と、その隠し場所を。
特捜班は早速ダリルのルートを潰した。
その効果はすぐに表れ、ダリルはガンブルに売り上げが払えず激怒されていた。
落ち込んでいるダリルにアトウォーターは、さりげなく自分のツテを紹介する。
すでに信頼を得ていた事からダリルはあっさりとそのツテを頼った。
ディーラーに扮したアントニオとの取引きが決まると、特捜班は2人を監視した。
取引きへ向かう道中の車内で、アトウォーターはダリルが悪人になった背景を知る。
父親が早くに逮捕された為、家族を養う為に悪の道に足を踏み入れるしかなかった。
だから弟には違う人生を歩んでもらいたく、自分の夢を託していたのだった。
ダリルは乱暴な男だったが、取引き時には銃を持ってくるな、という約束には素直に従っていた。
「商売人のマナーだ、ガンブルに教わった」
だが待ち合わせ場所に着く前に、予期せぬ出来事が発生した。
偶然パトカーが2人の車を止め、職務質問をしたのだった。
警官2人は白人、車の中には2人の黒人。
特に警官の1人は差別的な感情が態度からにじみ出ていた。
ボイトは最後までアトウォーターの判断に任せ、様子を伺った。
すると最悪の事態に発展してしまう。
黒人2名による強盗発生の知らせが無線に入り、たちまち2人は疑われてしまった。
いわれなき疑いの中、ダリルが突然発砲を受けその場で死んでしまった。
ボイト達も駆け付け、アトウォーターには潜入をさせたままその場から運び出した。
「黒人ってだけで殺された。俺も危なかった」
アトウォーターは怒りが抑えられなかった。
ボイトは平常心を取り戻すよう、休めと言ったがアトウォーターには無理だった。
「俺は冷静になりたくない。二度と起きてはいけない事だ。止めないと」
ケルトンは、潜入捜査中の事件であった事から、警官なら防げたはずだ、とボイトを責めた。
「仲間に黒人を殺させた! 世間が騒いだら彼に責任を取らせる」
ボイトが本部の外に出ると、本部の前ではデモが行われていた。
「黒人の命を尊重しろ!(BLACK LIVES MATTER)」
扇動しているのは、レイだった。
「ガンブルを逮捕すればケルトンは自慢できる。黒人の死も騒がれない」
ダリルの葬儀に出て、そこでガンブルに近づき取引きを続けさせる。
アトウォーターは言われた通り潜入を続け、ガンブル本人との取引きを取り付けた。
その最中にはダリルの弟にも声をかけ、ケアする事も忘れなかった。
ガンブルは無事、現行犯逮捕された。
アトウォーターが刑事だと分かるとガンブルは責めた。
「だましやがったな。お前がダリルを殺させたのか。黒人を裏切るとはな。
あいつを殺した警官より最低だ」
アントニオはよくやった、とアトウォーターを労った。
「そうだ。それが何より大事だ。犠牲を払っても」
そう自分に言い聞かせるように言うアトウォーターの顔には、喜びは感じられなかった。
そこにはダリルが警官の銃を奪おうとする様子がしっかりと残っていた。
無実の殺人だと思っていたが、実際は正当防衛だった。
ルゼックがアトウォーターを心配して様子を見に来た。
アトウォーターは気持ちの整理がつけられなかった。
「警官の暴言が聞こえない。
俺が撃たれてた可能性も。
ダリルが警官の銃に突進したのには理由がある」
「分かるよ。君が無事でよかった。
正しい行動をしたいよな。仲間や家族の為に。
でも警官としては仲間を援護しないと」
「どっちだよ」
「難しい。僕は白人だ。君が経験したことをどんなに理解したくても僕にはムリだ。分からない。永遠にな。でも君を支持する。どちらの答えでも」
「愛だな。救われる」
レイの用件は、発砲事件の事だった。
「君の発言には影響力がある。込み入った状況に重大な背景を加えるだろう。
君は守られている。君の真実から。事実と違うとしても」
レイは黒人殺しの差別主義者を罰する為に、偽証も厭わないと仄めかす。
もともとダリルを売ったのはレイだろう、とアトウォーターは切り返した。
「正直彼の死はどうでもいい。だが白人警官が黒人を殺すのは許せない」
あの警官の記録には、過去にも差別的な行動があった事が残っていた。
「差別的な発言があったと報告しろ。証拠の映像なんか帳消しにできる。
もはや君だけの問題じゃない。街の未来の為だ」
レイは市長への立候補を宣言した。
「シカゴの現状を変えないといけない」
アトウォーターは悩み続けたが、いよいよ審査機構に報告しなければならなくなった。
ボイトは直前に、自分の判断を信じろ、だが警官だと忘れるな、とアドバイスした。
「世界を変えるのが仕事じゃない」
「それも警官の仕事かと。いい世界をつくる」
「いいか、ここはシカゴだ。理想を追うのは困難だ」
結局、アトウォーターは正直に正当防衛であることを報告した。
「正当防衛だと真実を言った」
警官は「悪いな兄弟」と握手を求めたが、アトウォーターにそんなつもりはなかった。
「握手をしに来たと思うか?」
アトウォーターは店の裏に警官を連れ出し、こぶしで決着をつけた。
「銃を向けたな! いつかバッジを外させてやる」
あの時と同じように警官に銃口を向ける。
「気分は?」
そして血を流して座り込む警官を置いて去った……。
ギャング歴20年でヘロインを扱うフィル・ガンブルとその右腕ダリル。
どうやら金絡みで邪魔になったようで、シカゴの街から追い出したいと情報を渡していた。
レイはケルトンから公式な支援を頼まれていたが、君は好きだけど白人の支援はしない、と冗談交じりに断っていた。
潜入捜査
その為、アトウォーターが潜入捜査をしていた。取引きの証拠を掴んで逮捕を狙うが、用心深いダリルを信頼させるには時間がかかっていた。
そんな中レイの情報を使い、ダリルが溺愛する弟にバスケのコーチを紹介する事で、距離を近づけた。
なんとかダリルと親しくはなったものの、ダリルのルートに絡む隙はなかった。
するとボイトは隙がないなら作ればいい、と更にレイから情報を得る。
ダリルの仕入れルートがメキシコのフランコ・ベルティスである事と、その隠し場所を。
特捜班は早速ダリルのルートを潰した。
その効果はすぐに表れ、ダリルはガンブルに売り上げが払えず激怒されていた。
落ち込んでいるダリルにアトウォーターは、さりげなく自分のツテを紹介する。
すでに信頼を得ていた事からダリルはあっさりとそのツテを頼った。
ディーラーに扮したアントニオとの取引きが決まると、特捜班は2人を監視した。
取引きへ向かう道中の車内で、アトウォーターはダリルが悪人になった背景を知る。
父親が早くに逮捕された為、家族を養う為に悪の道に足を踏み入れるしかなかった。
だから弟には違う人生を歩んでもらいたく、自分の夢を託していたのだった。
ダリルは乱暴な男だったが、取引き時には銃を持ってくるな、という約束には素直に従っていた。
「商売人のマナーだ、ガンブルに教わった」
だが待ち合わせ場所に着く前に、予期せぬ出来事が発生した。
偶然パトカーが2人の車を止め、職務質問をしたのだった。
警官2人は白人、車の中には2人の黒人。
特に警官の1人は差別的な感情が態度からにじみ出ていた。
ボイトは最後までアトウォーターの判断に任せ、様子を伺った。
すると最悪の事態に発展してしまう。
黒人2名による強盗発生の知らせが無線に入り、たちまち2人は疑われてしまった。
いわれなき疑いの中、ダリルが突然発砲を受けその場で死んでしまった。
ボイト達も駆け付け、アトウォーターには潜入をさせたままその場から運び出した。
黒人の死
ダリルと引き離されていたアトウォーターには発砲時の状況は見えていなかった。「黒人ってだけで殺された。俺も危なかった」
アトウォーターは怒りが抑えられなかった。
ボイトは平常心を取り戻すよう、休めと言ったがアトウォーターには無理だった。
「俺は冷静になりたくない。二度と起きてはいけない事だ。止めないと」
ケルトンは、潜入捜査中の事件であった事から、警官なら防げたはずだ、とボイトを責めた。
「仲間に黒人を殺させた! 世間が騒いだら彼に責任を取らせる」
ボイトが本部の外に出ると、本部の前ではデモが行われていた。
「黒人の命を尊重しろ!(BLACK LIVES MATTER)」
扇動しているのは、レイだった。
捜査続行
ボイトは冷静にすべてを終わらせる為、アトウォーターに命じた。「ガンブルを逮捕すればケルトンは自慢できる。黒人の死も騒がれない」
ダリルの葬儀に出て、そこでガンブルに近づき取引きを続けさせる。
アトウォーターは言われた通り潜入を続け、ガンブル本人との取引きを取り付けた。
その最中にはダリルの弟にも声をかけ、ケアする事も忘れなかった。
ガンブルは無事、現行犯逮捕された。
アトウォーターが刑事だと分かるとガンブルは責めた。
「だましやがったな。お前がダリルを殺させたのか。黒人を裏切るとはな。
あいつを殺した警官より最低だ」
アントニオはよくやった、とアトウォーターを労った。
「そうだ。それが何より大事だ。犠牲を払っても」
そう自分に言い聞かせるように言うアトウォーターの顔には、喜びは感じられなかった。
真相
アトウォーターは審査機構に報告する前に当時のボディ・カメラの映像を見た。そこにはダリルが警官の銃を奪おうとする様子がしっかりと残っていた。
無実の殺人だと思っていたが、実際は正当防衛だった。
ルゼックがアトウォーターを心配して様子を見に来た。
「大丈夫か?」
「警官の暴言が聞こえない。
俺が撃たれてた可能性も。
ダリルが警官の銃に突進したのには理由がある」
「分かるよ。君が無事でよかった。
正しい行動をしたいよな。仲間や家族の為に。
でも警官としては仲間を援護しないと」
「どっちだよ」
「難しい。僕は白人だ。君が経験したことをどんなに理解したくても僕にはムリだ。分からない。永遠にな。でも君を支持する。どちらの答えでも」
「愛だな。救われる」
圧力
そこでアトウォーターはレイから呼び出された。レイの用件は、発砲事件の事だった。
「君の発言には影響力がある。込み入った状況に重大な背景を加えるだろう。
君は守られている。君の真実から。事実と違うとしても」
レイは黒人殺しの差別主義者を罰する為に、偽証も厭わないと仄めかす。
もともとダリルを売ったのはレイだろう、とアトウォーターは切り返した。
「正直彼の死はどうでもいい。だが白人警官が黒人を殺すのは許せない」
あの警官の記録には、過去にも差別的な行動があった事が残っていた。
「差別的な発言があったと報告しろ。証拠の映像なんか帳消しにできる。
もはや君だけの問題じゃない。街の未来の為だ」
レイは市長への立候補を宣言した。
「シカゴの現状を変えないといけない」
アトウォーターは悩み続けたが、いよいよ審査機構に報告しなければならなくなった。
ボイトは直前に、自分の判断を信じろ、だが警官だと忘れるな、とアドバイスした。
「世界を変えるのが仕事じゃない」
「それも警官の仕事かと。いい世界をつくる」
「いいか、ここはシカゴだ。理想を追うのは困難だ」
結局、アトウォーターは正直に正当防衛であることを報告した。
決着
その後、アトウォーターはダリルを撃った警官に会いに、バーへ行った。「正当防衛だと真実を言った」
警官は「悪いな兄弟」と握手を求めたが、アトウォーターにそんなつもりはなかった。
「握手をしに来たと思うか?」
アトウォーターは店の裏に警官を連れ出し、こぶしで決着をつけた。
「銃を向けたな! いつかバッジを外させてやる」
あの時と同じように警官に銃口を向ける。
「気分は?」
そして血を流して座り込む警官を置いて去った……。
レイ・プライス初登場はこちら シーズン5 1話「悲劇の銃弾/Reform」
久々の曲者レイの登場でした。
ケルトンVS特捜に、レイも絡んで来てなかなか盛り上がりそうです。
今回はアトウォーター回。
いつもアト回は、アトウォーターの人柄もあってどこかじーんとしたり、考えさせられるドラマになっているのですが、今回はかなり濃厚でした。
最初はかなりヤバイ悪党に見えたダリルが、潜入でつるんでいるうちに、実はそうじゃないと生きられなかったという事情や、そんな自分とは別の人生を歩ませたいと願う、弟に対する愛情の深さ、等、知れば知るほど選択肢のない人生を強いられた苦労に同情してしまう。
しかもダリルの最期は、差別的な警官に撃たれての死。
アトウォーターにとっても、短い間にも縁や絆のようなものはあったはずで、でもそれらをすべて「仕事」だと割り切って、逮捕、報告しなければならない……。
しかもアトウォーターという人間だから、そういった出来事にいちいち苦しみ、悩む。
最終的には真っ当に、真実を述べましたが、心の中ではそれでは納得がいかなかった、というのもアトウォーターらしい。
おそらく正解という1つの答えはないんでしょうけど、ある意味これが正解の1つだと納得できる終わり方でした。
アトさんは比較的部下の中でも、ボイトの言う事を素直に聞く扱いやすいキャラだと思いますが、今回はそんな教育の表れか特捜らしい? 正義の為の悪を発動するアトウォーターが見られました。
さすが優等生?w
またアトウォーターといえばルゼックとの友情も熱い!
いつもはルゼックが宥められる事が多いけど、今回は立場逆転してました。
お互いが支え合っている関係性がまさに友情って感じで、いいですね~。
2人のつながりも特捜班の奥行を見せるのに重要だな~、と思いました。
オリンスキー亡き今特に。
ところで、最近ボイトのドアップを見ていると、レジデントの「コンラッド」(マット・ズークリー)を思い出すんです。
(FOXでは「グッド・ワイフ」(ケイリー役)の再放中! 2020年8月現在)
コンラッドが歳を重ねるとボイトになるのか……もw
(どっちもキャラだけどさw)
シーズン6 14話「結束バンド/Ties That Bind」へつづく
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