あらすじ
・1話「1日目:事件発生/Episode #1.1」へ
アマッド
フィリップは、国防軍司令官のパレ・ヴルフに会いに行きテロリストがアマッドだと報告するが、あり得ないと否定された。
何故ならアマッドは、フィリップが帰還した3か月後に爆撃で死んでいるから。
フィリップも知っていたが、その死を疑った。
「ようパートナー」と言う台詞は、ピーター・セラーズの映画「パーティー」のセリフでアマッドの口癖だった。
「死んだのはアマッドだという証拠は?
アメリカの資料を再確認できますか?」
ヴルフは、フィリップが正気かどうかと心配した。
「アマッドは死んだ。
地下鉄にいるのは彼じゃない」
フィリップは引くしかなかった。
フィリップは歩いていても大きな物音から拷問されていた事を思い出して、ビクついていた。
それは誰にも言えなかった。
直後、フィリップの元に父親から電話が入った。
ヴルフに会った事を知っていて、その理由を聞いて来た。
フィリップの父親は元国防軍事司令官だったのだ。
父親はフィリップが脱出した時の話をしたのか、と気にしていた。
「いずれは誰かに話しをしなきゃならないぞ」
「もうとっくに話した」
「私が何を言いたいのか分かってるだろ?」
「ああ、分かってるよ」
そう言いながらもフィリップは、今は地下鉄の事件が優先だと話を逸らした。
フィリップは、テロリストの狙いが金だけとは思えなかった。
入念な計画、地下鉄を選んだのも巧妙。
犯人を突き止める事を急いだ。
ナヤ・トフト
代わりにブログを始めていた。
すると再びアルファから電話が掛かってきて、ブログでの人質インタビューの配信をする事になった。
アルファはナヤを人々の注目を集められる、と気に入っていた。
この事はナヤを監視していた為、フィリップ達もすぐに知り対策を講じた。
人質達
残されていた携帯電話から人質15人の身元が判明した。
王立劇場には親族用の待機所が用意され、30人程が集まった。
ルイーセが親族からの情報収集担当となった。
ルイーセは1人だけ距離を置いていた青年、ラーミが気になって声を掛けていた。
人質は家族ではなく、空手の先生だと言った。
それはアーデルだった。
アーデル
アーデルは空手の先生という事で腕っぷしに自信があるようで1人、テロリストへの抵抗を続けていた。
その態度に気づいたデニースが声を掛けた。
デニースは、特殊部隊との交際経験から、テロリストを特殊部隊だと見抜いていた。
「あなたに何らかの自殺願望があるのかは知らないけど、あの人たちは本気よ。
あなたが彼らを襲う度、私達皆が危険にさらされる。
皆死にたくないわ」
アーデルは納得してもう抵抗しない、と約束した。
募金活動
ナヤの自宅に、マリエの父親、アクセル・ベンディクスが訪ねて来た。
人質の親族代表として、ナヤに協力を依頼した。
それは、政府や警察は当てにならないから、ナヤに身代金を募金で集めてもらいたい、と言うのだった。
400万ユーロは3000万クローネ。
ナヤはそれほど難しくはないだろうと、そのキャンペーンを引き受けて親族達に会いに行った。
親族達はナヤに感謝をした。
ラーミはナヤに話しかけた。
「俺にできる事は?」
ナヤは笑って言った。
「もしお友達にお金持ちの人がいたら寄付してもらって」
ナヤのキャンペーンが発表されると、警察の邪魔になるという意見もあった。
実際、フィリップ達にとっては蚊帳の外にされている上、交渉の邪魔になっていた。
しかしテロリスト達にとっては、「いい案」だった。
「彼女は人気がある」
無線機
なんとか直接の交渉を再開したいフィリップ達は、エレベーターで無線機だけを降ろしてアルファの手に取らせた。
エスベンはアルファに、メディアではなく私達と話してくれ、と頼んだ。
「国全体が注目していると身代金を簡単には払えなくなる」
さらに人質2、3人の解放を頼んだ。
「何のために?」
「パフォーマンスだ。誠意を見せてくれ」
このやりとりは人質達にも聞こえていた。
「パフォーマンスの為だと?
パフォーマンスならもうやってる。
人質をいつ解放するかは俺が決める。
交渉のやり方を決めるのも俺だ。
今度許可なくエレベーターを降ろしたら、死体を乗せて送り返す」
アルファは無線機を再びエレベーター内に投げ入れた。
エスベンの交渉は上手くいかなかった。
ナヤとフィリップ
フィリップはナヤを対策本部に呼び出した。
募金は構わないが、人質のインタビューを止めて欲しい、フィリップはそう頼んだ。
犯人との交渉が出来なくなっている上、インタビューで人々は人質に親近感を持つ。
「あなたが犯人に協力すると、状況をコントロールできない」
しかしナヤは真っ向から対立した。
「あなたはこれまでだって状況をコントロールできてないでしょ。
身代金を払うつもりがないなら、いつまで経っても人質は解放されないわよ。
私ならできる」
フィリップは、そううまくいかないかもしれない、と言った。
「募金に失敗したら? 要求が倍になったら?」
ナヤは指名を受けた事から犯人達は約束を守るはず、と信用していた。
「その為に私を選んだんだから」
「あなたを選んだのは交渉の経験がないからでしょう」
フィリップは専門家に任せろ、と念を押した。
「それなら人質が全員1週間後も生きているシナリオを見せて」
ナヤは簡単には引かなかった。
フィリップはお偉方にナヤの件を報告した。
ナヤのブログの閲覧者は200万人になっている。
インタビュー配信でさらに増え、300万、400万にもなるだろう。
もしその配信中に人質が殺害されるような事が起きてしまったら。
フィリップは特にそれを気にしていた。
現場周辺のネットワークを遮断して不感地帯にできる、というフィリップの提案には気が進まないという反応が多かったが、結局はフィリップの判断に任された。
人質インタビュー
2人目の人質インタビューの時間が迫っていた。
フィリップは非常事態用に、ネットワーク遮断の準備をしておいたがその作戦にルイーセは賛同できていなかった。
2人目に選ばれたのはアーデルだった。
アーデルは事前にアルファから騒ぎを起こしたがる傾向を注意されていた。
「募金キャンペーンが上手くいくように、話せ」
命令を受けていくうちに、アーデルはデニースに言われた事をすっかり忘れて反抗し始めていた。
「お前の頭ん中じゃ、偉大な任務を遂行してるつもりなんだろ?
でもそのやり口は病的だし、お前は単なる……犯罪者だ。
腰抜けだよ」
アルファは、これ以上はやめておけ、とアーデルに注意した。
「お前なんか怖くない。
俺を怖がらせることはできないぞ」
「どうかな。
インタビューを受けろ。行儀良く」
アルファはアーデルの挑発には乗らず、意外と辛抱強いようだった。
ラーミ
ラーミは、アーデルの良い生徒と言う訳ではなかった。
むしろ、反抗をしアーデルに面倒を掛けていた。
地味な空手の型の繰り返しに、うんざりだと逃げ出していた。
ある日、借金を滞納していた事から暴力を受けていた。
それをたまたま知ったアーデルは、ラーミを助けに行った。
金を貸していたのは、今ではアーデルが縁を切っていたチンピラだった。
アーデルは、ラーミには何も聞かず借金をその場で肩代わりして返済した。
「ラーミに近づくな。わかったな」
ラーミは、今またチンピラの元を訪れていた。
アーデルに助けられた日以来、初めて顔を出したようだった。
チンピラはアーデルが人質になっている事を知らなかった。
「武器が必要なんだ」
ラーミはアーデルを助け出す為に、武器を買いたいと伝えた。
チンピラは子分を引き払うと、2人だけで金庫のある部屋に行った。
金は払うと約束させて金庫から銃を2丁取り出してラーミに渡した。
するとラーミは受け取った銃をチンピラに向けて、金庫の金を要求した。
インタビュー生配信
インタビューの生配信が始まった。
ナヤはマリエの時と同じような基本的な質問から始めていた。
だが、アーデルはそれを無視してラーミへのメッセージを語りだした。
「ラーミは、大きな心を持つ小柄な男。
心根の優しい人の多くがやりがちな事だけど、彼は友人が困ってると思うと感情に任せてバカな真似をする事がある。
ラーミ、聞いてるか。俺は大丈夫」
言う通りにしないアーデルを大人しくさせようと、アルファはデニースを連れてこさせた。
デニースはテロリストと近づきすぎていると、アーデルから注意を受けていた。
「やつらは刑務所で見たサイコパスと同じだ。いざとなったら何をするか分からないから視界に入るな」
その注意の通り、さっきまでデニースと親しく話していた男(チャーリー)は、強引にデニースを引きずり出してアルファに引き渡した。
アルファはアーデルに見える所で、デニースの頭に銃を突きつけた。
アーデルは、すっかりカメラの前でもテロリストの文句を言っていた。
「俺は奴らに従うなら死んだ方がマシだ。
奴らに金を渡す価値はない」
だが、カメラの外を見ると話しの内容をラーミに戻した。
「ラーミ、ちゃんと稽古しろ」
アーデルの様子がおかしい事は、誰もが感じていた。
すると突然、アーデルはアルファに襲い掛かった。
フィリップはそこで回線を切断した。
アーデルは、何もできずテロリストの1人に取り押さえられていた。
切断された事はテロリストにもすぐに分かった。
アルファはアーデルに怒鳴りつけた。
「行儀よく質問に答えろと言ったはずだ」
ほぼ同時にもう1人の男が銃を向けた。
「おい待て、止めろ!」
アルファは止めたが、銃声は鳴り響いた。
その時、ラーミもチンピラの反撃にあい、腹に銃弾を受けていた。
金を詰め込んだ袋を持ってなんとか駆け出したが、すぐ道に倒れた。
チンピラが追いつく前に、通りかかった人が見つけて声をかけたので、チンピラは逃げた。
エスベンの無線機から通信が入った。
「1人解放した。
南トンネルにいるから連れてけ」
そこに置かれていたのは、アーデルの亡骸だった。
アルファから連絡が入った。
フィリップは交渉役をエスベンからルイーセに交代させた。
3話「3日目:突入のチャンス/Episode #1.3」へつづく
かんそう
あーーー面白い!
これこれこれって感じのサブ・ドラマの見せ方!!
人質15人なので全員ではないんでしょうけど、アーデルのように人質の抱えるドラマもクローズアップされていくんですね。
それにしても、アーデルとラーミの不器用な絆が感動的であり、悲劇的でした。
アーデルはデニースの言うとおり、最初から「自殺願望」でもあるかのように、無鉄砲でしたけど、そこには空手を極めているとか、ラーミへの愛情などからかなりストイックな人物であったと知れました。
「テロリストに従うなら死んだ方がマシだ」
ストイック故の極端な行動だと思いますし、アーデルのような人こそ生き抜いて欲しかった。
時間にしたらほんの数分のドラマなのに、ものすごく深く切なく感じました。
ラーミの不器用さがこれまた痛々しい。
恩師の為にできること、ナヤが冗談めかしていった「金を集める事」を素直に実行してしまった。
アーデルの為に、アーデルが許さないであろう行為をして、撃たれてしまった。
アーデルは帰らぬ人となってしまいましたが、ラーミについては分かりません。
生きていて欲しいと思いつつも、この先アーデルを失ったという事実を知る事を考えると、ラーミも何も知らないままの方がいいのかな、とも思ったり。
でも、自分が人質になっても、ラーミの事を心配するアーデルの姿をラーミは見ていないままでいいのか?
この短いドラマだけでもいろいろ考えさせられてしまいました。
何故だか「賢者の贈り物」を思い出しました。
2人の、強すぎる愛がすれ違っている上にバッドエンドだなんて!!
メイン・ストーリーとしては、アマッドは死んでいるという事実が判明しました。
「ようパートナー」からの展開としては、ドキっとしました。
でもフィリップも疑うように、爆死という遺体も見つかっていない状態なのかもしれません。
ドラマが盛り上がる設定がまた1つ追加されました。
そして、フィリップ脱走の真相めいたものが存在すると思われる仄めかしもありました。
フィリップのお父さんは元国防軍事司令官で、フィリップの人質事件にも何か絡んでいそうな感じでした。
と同時に、フィリップが人質経験があるからリーダーに抜擢されたというのではなく、エリートだったから、なんですね。
そういえば1話で登場していた屋敷は豪邸だったな……。
他、ナヤがあっさりクビになっているのも驚きました。
ニュース番組としては、人質インタビューなんて超視聴率取れてむしろ褒められるんだろうな、と思っていたんだけど……。
詳しい犯人像は未だ分からないままですが、アルファはどうやらそれほどクレイジーでもない、という事が分かりました。
ブラヴォとチャーリーの区別がよくわかってないんですけど、キャップを被っててデニースと話したり、アーデルを撃ったのがチャーリーなのかな? (デニースと親しいのがチャーリーでした)
チャーリーはアーデルの言うサイコパスみたいですね。
今回もいいところで続いています。
早く続きも観たいのですが、フィリップの言うピーター・セラーズの「パーティー」という映画を調べたら、これがなんか面白そうなコメディですごい見たくなっちゃった!
でも古い映画で、アマゾンプライムに無かった><
残念!
・登場人物
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