あらすじ
登場人物の紹介はこちら#10「これは恋...?」はこちら
#12「ホンネの勝負」はこちら
ソルの家
「意味なんてない...気にしない。無視しよう」と言って、
ヨンゴンから送られてきたジョンとイナのツーショット画像を消去するソル。
自分の部屋で、PCに向かいアルバイト検索をしていると、居間からジュンが父に小遣いをねだる声が聞こえてくる。
こっそり見に行くと父はジュンに小遣いを渡していた。
そんな光景を見て複雑な気持ちになるソルだった。
ダヨンに振られるヨンゴン
廊下で口論するダヨンとヨンゴン。
ソルとのことを疑われ逆ギレしたヨンゴンがダヨンにこぶしを振り上げ大騒ぎになる。
そこへ、イナが乱入して来る。
ヨンゴンに殴りかかるイナ。
「これで何度目の浮気よ。ほんと最低な奴」
混乱するダヨンにイナは例のヨンゴンセクシーショットを見せる。
その様子を見ていたソルは、イナとヨンゴンの繋がりを不思議に思う。
ヨンゴンをひっぱたくダヨン。
ヨンゴンはお返しとばかりにジョンとイナのツーショット写真を皆に見せる。
「この女(イナ)の正体は、ユ・ジョンの彼女だ」
ジョンを貶めるヨンゴンに怒りが込み上げて来たソルは、
皆の前でその女性(イナ)は、知り合いでジョンとも幼馴染だと釈明する。
「腕を組んだ写真が何?この人は外国育ちで、スキンシップに慣れてる」
するとイナは、「ソル、ごめん、こんな姿見せて。ジョンには惨めだから言わないで」とソルに縋りつき泣きマネをする。
ダヨンは、「薄汚い野郎。二度と連絡してこないで」とヨンゴンをひっぱたき、
イナも、ヨンゴンの髪の毛を引っ張り、「私にも連絡しないことね」と捨て台詞を吐き、2人とも去って行った。
図書館
疲れて寝ているソルを見て、(好きなのか?)と自問自答するイノ。
しばらくしてソルが起きると”先に行く、ごまんな。家で寝ろ”と置手紙があった。
ソルは、「起こしてよ…」と文句を言いながら、文字を訂正するのだった。
音楽室
”エリーゼのために”を弾くイノ。
教室の外から演奏するイノを見ているシム教授。
「肩の力が抜けて、物悲しい風が吹いてる。ペク・イノらしくなった」
ソルの家出
(逃げることも受け入れることもできない。そのくせ、辛い時は先輩に頼りたいし、会いたい。)
ソルが家に帰ると、学校を中退したと言うジュンと両親の諍いが聞こえてくる。
お金がないのに留学しているのは心苦しいと言うジュンに、「ソルを休学させても、学費は工面する」と父が言う。
隠れて聞いていたソルだが、あまりのショックに思わずその場へ踏み込んだ。
「アパートまで引き払って―往復4時間の通学。バイトに奨学金と自分で学費を工面してきた。今度は、ジュンのために休学しろと?」
しかし父は、ソルは嫁に出すだけだがジュンは家を支えていかなければならない、と言うのだった。
それを聞いたソルは爆発する。
「私は、子供じゃないの?結婚したら他人?」
「お金の心配で頭が痛いのに、いくら必死に努力しても、決して父さんは私に満足してくれない。褒めてくれたこともない。
私だって―褒められたいし、慰めて欲しい」
「あなたの苦労はわかってる」と母が入ってくるが、
「母さんも同じよ。私に負担を強いて不満をぶつけてる。私にどうしろと?」
「ジュンより頼りになるから」
「じゃ、私は?」
ソルは、ジュン、父を順番に見ながら「誰に頼れば?」と言うと家を飛び出した。
イノが歩いてるとジュンが大慌てでやって来る。
ソルが父とケンカして家出したことを聞き、イノも探し始める。
一方、ソルは銀杏並木を歩く。
ボラに電話するが、ボラは父親と仲良く食事中だ。
ソルは、家出を言い出せず普段通りに電話を切る。
誰にも頼れず涙を我慢しながら歩くソル。
(何も変わらない 一人で頑張ってきた でも、時には私も…私にも…)
ふと、前を見るとジョンが立っている。
「ソル…元気だった?」
ジョンを見たとたん涙が溢れて止まらなくなり、走り出すソル。
思い切りジョンにしがみつく、
ジョンもソルをしっかりと抱きしめた。
イノは2人を見つけると、「やれやれ」と言って立ち去った。
外泊
「会いたかった。とても」とジョンが言う。
ソルも「私も会いたかった。とってもね」
ソルの手を握るジョン。その手の上に手を置くソル。
(先輩に会ったら―いろいろ聞きたかった。でも、そばに居ること。顔を見て声を聴けるということ、体温を感じられること。
それだけで―別れられない理由は十分だ)
ソルのケータイにかかってきたのを見て、「ご両親が心配してるね」とジョンは言うと、
送って行こうとするが、「今は、家に帰りたくない。一緒に居て」と言うソル。
ドライブをすることにしたが、いつの間にかソルは助手席で寝ていた。
ソルが目を覚ますとジョンの部屋だった。
ジョンが目の前に立っている。
意識がはっきりとしてきて、飛び起きるソル。
「僕は、一睡もできなかったのによく寝てた」
イビキを心配するソルにジョンは、「顔がむくんでる。パンパンだ」
恥ずかしさとショックで顔を隠すソル。
ケータイを見て母と父からメールが着てたことを知るソル。
ボラに頼んで家へ連絡をするよう手配したジョンだった。
それから、ジョンはソルを抱きしめ「電話していいか。もう会いに来てもいいか」と訊くと、ソルは頷く。
それを聞いてジョンは、大喜びするのだった。
チラシ配り
ソルのことが気がかりで徹夜したイノは、ククス屋の前にいる。
そこへ、ジュンが店を開けに来る。
ジュンからソルが朝帰りしたことを知る。
ジョンとソルが朝まで一緒に居たことに落ち込み、滅入るイノ。
「チラシを配れ。ボケッとするな」ソルの父がやって来る。
チラシの写真について文句を言うイノ。
ホン食堂(ククス屋)のチラシにモデルとしてイノが出ている。
モデル料はジャージャー麺だった。
配り終えたら酢豚をおごると言う父。
父とイノはホン食堂のチラシ配りをするのだった。
インターン中のジョン
”母さんに叩かれた”
”当然だよ”
”先輩、共犯者でしょ”
”あれ、そうだな。ご両親に自首する?”
”ごめん。言っちゃダメ”
”仕事は大変?週末なのに可哀相”
半休を取ったジョンがソルとメールをしていると、会社の先輩が声を掛ける。
「具合は大丈夫か?」
ジョンは、今やっている作業が出来たら検討を、とお願いするが、
「必要ない。ジョン君に任せる。ところで社内公募の企画案は?締め切り間近だ」
「いいアイデアがあるので追加しようかと。明日、渡します」とジョン。
それを聞いた先輩は満足気で、「さすがだな、一を聞いて十を知る。仕事の覚えが早くて助かる」
会社でもやはりいいように使われていた。
ヨンゴン
イナに電話するが、無視され続けるヨンゴン。
ネットの掲示板に自分の誹謗中傷が書き込まれてるのを見つける。
ソルをストーカーするヨンゴンの画像がたくさんアップされていた。
ソルとイノ
自分の気持ちを知ったイノは、ソルに近づかないよう距離を空けて座る。
ソルが近づいて来るとまた離れるイノ。
近づく離れるを繰り返した末にイノは、
「やめよう。行くよ」とソルが止めるのも聞かずに席を立つのだった。
帰りの電車で、イノはソルと少し距離を置きつつ立っている。
ソルは、ジュンのことを呟く。
「ジュンが黙って中退したのを見ると、よほど辛かったのね。ヘラヘラしてて気づかなかった」
「中身はしっかりしてる。家出したお前を捜し回って…回ってた。本当だ」
ソルの自分に対する呼称の話になり、
「だったら”お兄さん”と呼ぶ?」と言うソル。
「お兄さん、お兄さぁん」と繰り返すと、イノはニヤニヤは止まらなくなる。
そして「遊びに行く?」と言うと、次の駅で降りるのだった。
チラシ配り
「お兄さんどこへ連れて行くの?」
「そう呼ぶな」と照れるイノ。
イノに腕を引かれ着いた通りでは、父がチラシ配りをしていた。
「じゃ、チラシを配るために(手伝いもしないで)出かけていたのね。私は、理解してなかった。父さんも。ジュンも。辛いのは、自分だけかと…」
ソルが、何も知らない母とジュンを連れて来ると、母と父はいつものように痴話ケンカを始めた。
「客が増えたのは、俺のお陰だぞ」
「誰も頼んでない。ご近所の手前恥ずかしい」と母は言いながら、ストールを無理やり父に巻く。
「内緒の約束だ」と思い切りイノを叩く父。
「ソルが家出のお詫びにおごると言うから来たの」と言う母に、
「商売はどうする。早く店に帰って準備しろ!」と父は返したが、
結局、イノもいっしょに皆で食事をしに行くことになった。
音楽室
”エリーゼのために”を弾くイノ。
シム教授が入って来る。
「この前は物悲しかったが―今日は、太陽が昇ったな。感情の起伏が激しい。
ベートーベンは、感情を引き出す。まだ、イ教授が気まずい?訪ねるだろ?」
しかしイノは、まだ自信がない、と拒否するのだった。
そんなイノをシム教授は食事に誘った。
学食
ソルが校舎から飛び出してくる。
ジョンが会社を抜け出してソルに会いに来たのだ。
「久しぶりに学食へ行こう」と、2人は手を繋ぎ歩き出した。
ヨンゴンの件は言わないでおくが、イノとの勉強のことは話さなければ、と考えるソル。
「先輩、実は…」と言いかけたがジョンはあらぬ方を見ていた。
その目線の先にいたのはイノだった。
いっしょにやって来たシム教授が、
「名刺を渡した学生だね」とソルに話しかける。
ソルの横に並んで座る2人。
シム教授の「勉強して正式に入学すべきだが…」の言葉に、
「勉強は楽勝だ。なぁ、犬毛」とソルに向かって返すイノ。
ソルは、咳をしてごまかす。(まだ、先輩に話してないのに)
シム教授がジョンに「君もイノの友達?」と訊くと、
イノが「違います」と割り込むが、
ジョンは、「はい。経営学科4年。ユ・ジョンです」と答えた。
ジョンの発言に驚き顔のイノ。
イノの様子をジョンに問われ、シム教授は
「すぐカッとなる。以前は、この性格が問題だったが―最近は、いい具合に旋律に感情が乗ってる…
最近、恋してるのか?」と言う。
吹き出すイノ。
そんなイノを見てソルのことが好きだと気づくジョン。
ジョンは、イノに見せつけるようにソルの袖についた米粒をとってやると
それを見たシム教授は「お似合いのカップルだね」と言い、一足先にカフェへ行った。
そのタイミングで、イノにジュンから電話がかかってくる。
ホン食堂の用事を頼むものだった。
その電話のやり取りに横入りするソルを見て、
いつの間にかイノがソルの家族と仲良くなっていることを知ったジョンは、昔のことを思い出す。
それは、イノとイナがジョンの父親と仲良く話していた場面だった。
疎外感を感じたジョンは、突然「お先に」と言って席を立って行ってしまった。
ジョンを追いかけるソル。
「急にどうしたの?」
「イノと親しくなったのか?」
「それは…勉強見てあげてるし、うちの店でバイトも…先輩、待って」
「ごめん。もう行くよ」と、ジョンはソルの言い訳もそこそこに行ってしまうのであった。
かんそう
やっぱり今回は、ヨンゴン成敗のターンでしたね。
でもきっかけがイナだったのは予想外。
相変わらずのキレっぷりですね~(格好も行動も)。
更にはネットで悪評拡散。コレは黒ジョン?
さて、どこまで追い込むつもりか。
でも今回のメインはソルの家庭の話。
”家計”を案じて中退したジュン。
”家系”を案じてソルを犠牲にしてでもジュンを学校にやりたい父。
ソル頼みの母。
そして、労苦を一身に背負って(?)大学に通うソル。
前回、ミンスに言った「…自分で努力して掴んだの!」
の言葉の重みがわかる場面でした。
結局、父もチラシ配りをしてて、苦労してるのは自分だけじゃない、
ってオチになったけど…納得いかないー!!
あんな両親はイヤだー。
ジョンは、そんなソルの家庭環境を透かし見ていて、自分と似ていると思ったのかな。
そしてジョンは、そんなソル家族にいつの間にか入り込んでいるイノに気づき大ショック。
と言うか、過去と同じ傷をえぐられた感じ。
上手に人の内に入っていけるイノに嫉妬していたのか。
お父さんとも仲良くしたかったんだな~。
ソルは、今までの反動なのか、他人の気持ちを考えない感じになってきてる気がする。
ソル~!気づいてあげて~!
せっかく、SOS状態のソルの前に絶妙なタイミングでジョンが現れて、仲直り出来た上お泊り(?)までして ラブラブに戻れたというのに、雲行きあやしくなってるよ~。
登場人物の紹介はこちら
#10「これは恋...?」はこちら
#12「ホンネの勝負」はこちら
(イラスト&文:Simoom)