ブラックリスト/THE BLACKLIST シーズン5　9話「崩壊/Ruin」

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昏睡から目覚めたリズは、リハビリを乗り越え今では1人、アラスカに住んでいた。

グレースと名乗り、ケイトという名をつけた犬と一緒に。

娘のアグネスは、トムの実母であるスコティーに預けていた。

アグネスに怒りを感じさせたくない、という理由で。

トムは、スコティー逮捕後に証人となっており、スコティーとリズも友好関係にあったようだ。

レッドには2つの願いを託して行った。

1つは、自分が居なくてもFBIとブラックリストを続ける事。

それはすごい事だから。

2つ目は、自分を追わない事――。

レッドは、復讐などではなく「ただ悲しむ事」を条件にリズを送り出していた。

Scott Gries/NBC | 2017 NBCUniversal Media, LLC

アラスカの厳しい氷夜となると言われた日――。

リズの家の前に怪我をした男が倒れているのを、ケイトが吠えて見つけた。

助けを呼ぼうとするが、無線は通じずレンジャーのコリンを呼びに行ったが留守だった。

緊急事態のメモを残して家に戻ると、リズの家には4人の男達がいた。

怪我人マイクの友人で一緒にヘリが墜落したという。

釣りに行く途中だった。

ビリー（ウィリアム・メイポーザー）と言う男がリーダー格のようだった。

ヘリの運転手は死に、一番怪我の酷いマイクが歩いて助けを求めたのを捜していたのだという。

リズは、内心では信用はしなかった。

墜落した割に、何の音も聞いていないし誰も骨折をしていない。

レンジャーのコリンがメモを見てリズの家にやって来た。

ヘリのブラックボックスの位置発信機を作動すれば助けが呼べるかもしれない、とリズが提案をすると4人のうちの1人が、コリンをヘリまで案内すると言った。

リズはコリンに耳打ちをして、あの4人は怪しいというが普段は平和な土地なのだろう。

コリンは心配し過ぎだって、とまったく気にも留めなかった。

リズはコリン達に着いて行きたかったが、残るよう言われたので仕方なく残った。

寝ているだろうマイクに、「助けを呼ぶから、あなたの友達と」と話しかけて励ますとマイクはなんとか力を振り絞って「友達じゃない」とリズに伝えた。

実は、マイクはマフィアを裏切り証言をする予定になっている証人保護プログラムの対象だったのだ。

アラスカに隠れている所を、4人に見つかってしまっていたのだった。

リズはそっとマイクに銃を握らせた。

戦闘開始

コリンと一緒に出て行った男が、1人で戻ってきた。
恐らくコリンを始末して戻ってきたのだろう。
途中で別のレンジャーに会って、2人が現場に向かったとウソをついているのは明らかだった。

その時リズは、ケイトの姿が見えなくなっている事に気づく。
ケイトを探すといって、マイクに渡した銃をこっそり取り戻すと家の発電機をわざと落としてから、外を見に行くと出て行った。

納屋で無線を試そうとすると、すでに使えないよう線が切られていた。
気になって銃を調べると弾が抜かれていた。

ビリー達も先回りをしていたのだった。
そして納屋を調べると、ケイトとコリンの遺体を見つけた。


リズは、トランシーバーを使いビリーに宣戦布告をした。
「殺したわね。私の犬もコリンも」

ビリーは、まだ君は殺していないと前置きして真実を言った。
マイクはボスに引き渡すまで殺せない事。
そのマイクを生かす為にリズを殺さない事。

すべてが終わったら、リズも殺す事。

リズも真実を伝える。
「私はグレースじゃない。エリザベス。元FBI捜査官よ」

これまで4人をプロファイルして、すでに仕掛けをしていたとバラす。

氷を噛むのが癖のビリーのグラスには、ガラスの破片を。
ピーナッツバターを舐めるのが好きな男には毒を。

リズは、久しぶりに生きていると実感していた。
「あんたら4人と森で戦うのはただの練習よ」


1人はすぐに毒で倒れた。
ガラスを飲み込んだビリーは、苦しみはしたが戦闘要員としては欠けなかった。
3人はリズを取り囲んで輪を狭めていく作戦に。


しかしリズの罠はあちこちに仕掛けられていた。
ビリーはトラバサミに足を挟まれた。
扉の空いた地下室に1人が入ると、閉じ込めて外から火をつけて焼死させた。



残り2人。

リズは、寝たままのマイクをソリで引っ張って森を逃げるが、1人に見つかって取っ組み合いとなるが、オノを突き刺して始末した。


残るはビリーのみ。

マイクと共に、近くの建物に到着しその場でビリーを迎え撃つ準備をする。

追いついたビリーを足止めして逃げるが、マイク連れではすぐに追いつかれてしまう。

だが、リズにとってはそれも計算のうちだった。

「言ったでしょ。戦うと」

リズは、入手していた火炎銃をビリーに撃って火だるまにした。

ゴースト

翌日、死体の山に地元のFBIが捜索を始めていた。

行方不明となっているグレースについて住民に尋ねると、皆いい人だと答えた。

マイクはERに届いていたようで、無事だった。

だがグレースが居たという痕跡を示す証拠は何も残っていなかった。
髪の毛一本、指紋１つも。

一体彼女は何者なのか？　と言う問いに住民達は答えた。
「彼女はゴーストさ。よくいるだろ？」

復活

リズは、レッドを訪ねた。
その表情を見て「笑顔が力強い」とレッドは言った。

リズはレッドが約束を守った事に礼と謝罪をした。
自分は約束を守れなかった、と。

トラブルは向こうから来た。
それがうれしかった。
何人か殺した。

それを悔いる事もなくやり甲斐を感じた勢いで、リズはトムの復讐を果たすと改めて宣言した。
だから、許して欲しい、と。
そもそもトムを殺した犯人の資料は、アラスカに取り寄せて集めていたのだった。


レッドは今度は、復讐を止めはしなかった。
リズの頬を手で挟み、頬にキスをする。
「だが自分を許せるかな？」

今はすっきり眠れても、いずれ眠れなくなる夜が、遅かれ早かれ必ず来る事をレッドは知っている――。



つづく

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