あらすじ
Easy Street
救世主のアジト「サンクチュアリ」で太っちょジョーイの死体を見つめる救世主たち。
ドワイトはバイクが1台なくなっていることに気が付き、すぐにダリルを監禁している部屋へ向かうが、そこはもぬけの殻だった。
ダリルと入れ替わるように、サンクチュアリに連れてこられるユージーン。
(Photo by Gene Page / AMG)
おびえて泣き出すユージーンに与えられたのはベッドに食料の入った冷蔵庫、テレビまでが揃っている快適な部屋だった。
オーディオセットから流れる曲は、ダリルが監禁中に大音量で幾度となく聞かされていたあの曲だった。
“何不自由ない暮らし”
“とってもいい気分”
“ここにいれば おいしいだけの世界”
go now
ドワイトは自分の部屋へ戻り、部屋がダリルによって荒らされたことを知る。
そして落ちていたメモに目をやると、そこには「go
now」と書かれてあった。
メモを見つめているとニーガンたちがやってきて、ドワイトを痛めつけた。
ダリルを監禁していた部屋に、今度は自分が監禁されてしまったドワイト。
部屋の外からニーガンが話しかける。
ダリルが逃げたあと妻の1人がいなくなった。
そしてそれはドワイトの元妻のシェリーで、ダリルを逃がす手伝いをしたのだろうと。
ドワイトは否定するが、シェリーを連れ戻すように命じられた。
以前結婚していた頃、二人で暮らしていた家に戻ったドワイト。
そこに落ちていた写真には、まだこの世界になる前の幸せそうなドワイトとシェリーが写っていた。
キッチンにあったシェリーが書いたメモを見つけ、ダリルを逃した「go
now」のメモと見比べてみた。それは同じ筆跡だった。
寝室にはシェリーがドワイトに残した手紙と結婚指輪が残されていた。
手紙には自分より善人だったドワイトが人を殺すようになったのは自分のせいだ。
そしてあそこにいるより死を選ぶ、あなたも逃げてと書かれていた。
Dr. ユージーン
ユージーンはローラにサンクチュアリ内を案内してもらう。
ユージーンは、アジトで働く一般の者たちよりも階級が高く、良いものが食べられるようだ。
部屋でピクルスが食べたいと言ったユージーンに、ローラは瓶ごと手渡した。
「欲しいものは 手に入れな」
その後、ニーガンがいる庭に連れて来られた。
以前、アレクサンドリアでロジータが撃った銃弾が埋め込まれたルシールを見せながら、ニーガンがユージーンに問いかける。
「お前は博識か?」
それに対しユージーンが答える。
「私は本当にできる子だ。独学で銃弾を製作した」
さらに、以前エイブラハムについたのと同じ嘘をニーガンにもつき、自分は”博士”だと話した。
それならば、フェンスを守る役目のウォーカーが腐ってしまって真っすぐに立っていられない問題も解決できるだろうとユージーンに話す。
それに対しユージーンは、溶鉱炉で金属を溶かし、ウォーカーをフェンスごと覆えばいいと答えた。
ニーガンは「人生で最高にクールな話だ」と非常に喜び、自分の妻たちと一緒にディナーや談笑をして楽しんでこいとユージーンを見送った。
ユージーンは部屋でニーガンの3人の妻たちとテレビゲームをしていた。
妻の1人は、ユージーンにヒトゲノム研究について聞きたがったが、それは機密事項だとごまかした。
さらに爆弾を作れるか問う妻たちに、家庭用雑貨で作れるとユージーンは答え、実際にそれらの雑貨を使い、爆発させてみせた。
妻たちは大喜びし、ユージーンに抱きついた。
翌日、2人の妻が訪ねてきて、もう1人の妻のアンバーが死にたがっているので(死ねる)薬を作って欲しいと頼む。しかも念のために2つ欲しい、と。
ユージーンは一般の住人よりも高い階級を利用し、薬の材料を集め完成させた。
さようなら ハニー
サンクチュアリに戻ったドワイトは医師に傷の手当をしてもらいながら、シェリーを殺したと話した。
その後、溶鉱炉のある場所へ集められた救世主たち。ニーガンの妻たちや医師、ユージーンも連れて来られた。そしてニーガンは、ユージーンにしっかり見ておくように言うと、いきなりバットで医師の体を殴りつけた。
何もしていないと話す医師に、ニーガンは医師の机で見つけたというメモを見せた。
「さようなら ハニー」と書かれている。
これはシェリーがドワイトに宛てたあの手紙の最後を切り抜いたものだった。
ニーガンは医師がシェリーの気を引きたくてダリルを逃したと言う。
ドワイトがアイロンを溶鉱炉で熱し、それをニーガンが医師の顔に近づけると、医師は自分が逃したと罪を認めて謝った。
アイロンを顔に押し当てられずに済んだと誰もが思った瞬間、ニーガンは医師を溶鉱炉に投げ込んだ。
顔をそむける者、泣き出すニーガンの妻。
ニーガンはドワイトに「他にも医者がいてよかった」とユージーンを見つめながら言った。
私はニーガン
ユージーンの部屋に妻の2人が訪ねてきた。
薬を作ったかと尋ねる妻に、作ったが渡さないと答えるユージーン。
さらに、薬を2つ作れと言ったのはニーガンを殺すためだろう、自分を侮るなと無表情で答えた。
妻たちは薬を渡さないなら、ユージーンが自分たちをそそのかしたとニーガンに言う、と脅すが、ユージーンは「戦略ミスだ」と言う。
妻たちの代わりはいるが、自分の代わりはいないと。
妻たちは「あなたは臆病者よ」とユージーンを罵った。ユージーンは答える「その評価は正しい」
妻たちは部屋を出て行った。
ピクルスを食べているユージーンの部屋にノックの音が響く。
ドアを開けるとニーガンがいた。
(Photo by Gene Page / AMG)
部屋に入り、ニーガンは話し始める。
変化を受け入れるのは大変だが、誰でも歓迎するわけじゃない。
手加減もしない。怖がらなくていい、と。
1つだけ質問に答えるように言うニーガン。
「お前は誰……」と質問が終わる前にユージーンは答えた。
「ニーガンだ」
「私は完全に徹底的に完璧にニーガンだ」
「あなたに出会う前からニーガンだった」
フェンスの外では、ユージーンが提案したように、フェンスに繋がれたウォーカーに溶けた金属を流しかけていた。
建物の2階から指示を出すユージーンの隣にドワイトがやってきて「腹をくくったか?」と訪ねた。
(Photo by Gene Page / AMG)
ユージーンは「ああ 君のように」と答えた。
そしてユージーンはこう続けた。
「ユージーンだ」
「君はドワイト」
「私たちはニーガンだ」
かんそう
今回はリックたちが1ミリも出てこない、ユージーン回でした。
相変わらずの怯えっぷり、乙女ユージーン。
自分で自分のこと「できる子」って言っちゃうあたり、ユージーンらしくて微笑ましいね。
ユージーンの食い気味に答えた「私はニーガンだ!」もウケた~。
しかも「あなたに出会う前からニーガンだった」って何?
ユージーン、面白すぎ!
ドワイトもやっぱり昔はいい人だったって分かったね。
あの写真を棚に戻したシーンは切なかったな。
でも医者に罪をなすりつけたのはよろしくない。それを疑わずに信じるニーガンもどうかと思うけど。
シェリーは本当に死んでしまったのか?どこかで生きていて欲しいな、ダリルを助けてくれた人だもんね。
今は完全にニーガン側についちゃったように見えるユージーンは今後どうするのか、楽しみ。
でも来週はニックとミショーンの武器集めかな。なかなか話が進まないから、じれったーい!
(イラスト:Simoom、文:ぼぼち)