あらすじ
副本部長の息子
ミラー副本部長にレストランに呼び出されたボイトは、店の前で大声で電話をしている不安定そうな若者を見かけ注意の声をかけていた。
するとその若者が副本部長の息子ダレルだった。
本部長の呼び出しの理由は、改革の成果が数字に表れたという祝いで、気軽なものだった。
副本部長は上機嫌だったがボイトは一時的なものだと冗談まじりに釘をさす。
店を出たボイトは車での尾行に気づく。
撒きながらもついてくるので、逆に待ち伏せして銃をつきつけると車から降りて来たのはダレルだった。
狙いはなんだ、と襟元を掴んで脅す。
するとボイトを特捜班の巡査部長だと聞いて頼みがあるという。
「大金を返せず命が危ない」
ダレル
ボイトはダレルを家に連れて帰り、詳しく話を聞いた。
まだ大学生のダレルは、最近までは父親の元で暮らしていた。
母親のいるシカゴに引っ越してきて、大学に馴染もうと薬を少量のコカインを手に入れて友達に売っていたのだった。
だが友人からの支払いがなく、売人に金を返せていない。
金額は1万ドル。売人の名はケント・ダービー。
ストリップクラブの経営者でもある。
母親には言えないと、秘密で何とかしてと頼まれるがボイトは当然、副本部長に報告をした。
その上でなかったことにして内密に動こうとすると、特別扱いしないで、と止められる。
「他の人と同じでいい。息子を情報屋として利用して」
おとり捜査
ボイトからケントの捜査が発表されると、疑問の声があがる。
「僕らが捜査する理由が?」
「情報屋ダレルのためだ。ダレルの名字はミラー」
ボイトが説明すると全員納得した。
ダレルに警察の金を渡し、ケントに返金させた後、再取引きをさせて捕まえることに。
息子を記録に残る囮に使うことにバージェスは立派だと感心したが、アトウォーターは違う印象を持ち、ルゼックに愚痴った。
「警官の子供を助けるのは乗り気になれない。特権階級で、本来は俺たちの仕事じゃない」
その愚痴はダレル本人にも聞こえていた。
ダレルにマイクとカメラをつけて、ケントとのやりとりを監視する。
ケントは金を渡したというのにダレルに厳しく、「しくじったら彼を怒らせる」と別人が絡んでいることを伝えた。
だがそれはダレルからは聞いていないことだった。
その上、ケントが金をしまう為に開けた棚には大量のドラッグが隠してあるのが見えた。
ただの下っ端どころではない。
その場の判断で突入しないで済ませると、ダレルは話しが違うと怒った。
だが怒りたいのはルゼック達で、聞いていた話からは想像できない大規模な捜査が必要になった。
母親と息子
署に戻ると副本部長も顔を出すしかなくなっていた。
ダレルはボイトがチクったと、不服だった。
ボイトはこの状況から、もう一度副本部長にダレルの関わりをなかったことにするようアドバイスをした。
「このままではダレルを法廷に立たせることになる」
「そんなことわかってる」
副本部長はあくまでも自分の信条を曲げるつもりはなかった。
「どんな時でも選択は1つよ。法に従う」
ダレルは過ちを繰り返している。少しは痛い目にあって学ぶべきだ、とも言った。
再捜査
ダレルはケントの上のボスの存在は知らないようだった。
そしてケントの身辺を調査してもボロは出そうになかった。
ボイトはダレルとケントを使うのが最速ルートだと、ルゼックとアトウォーターを新たな客としてダレルに紹介させる。
しかしケントはダレルをまったく信用しておらず、話を聞く耳さえもっていなかった。
ダレルがしつこいとしまいには銃を向け、二人の前では薬のことすら認めず、クラブの経営者を頑なに守った。
その様子から、もうダレルを利用することはできないと判断をするが、ダレルは引き下がらなかった。
「家族に見放される」
ルゼックはとりあえず一晩寝かせよう、と一旦手を引くよう言い聞かせて、明日会う約束をして家まで送った。
急展開
ところが朝四時、ルゼックの携帯にダレルから連絡が入る。
電話に出ると、ケントらしき男ともめていることがわかる会話が聞こえてきた。
ルゼックは咄嗟に録音をし、ボイトとアトウォーターとプラットが特捜班に集まり、捜査を急ぐ。
GPSを頼りにダレルの居場所をつきとめる。
だがその場所へいくと壊れたダレルの携帯が捨てられているだけだった。
携帯から朝3時にケントに「会いに行く」とメールを送っていたことが分った。
一人で取引きを進めようとしたのだろう。
ストリップクラブの前の防犯カメラにもめるダレルとケントの姿が映っていた。
二人の外に女と見知らぬ男と一緒だった。
ケントが無理やり女とダレルを車に乗せると、男が現れ、別の車に乗り込みケントの後をついて去って行った。
車のナンバーから男はロイ・ウィルトンだと突き止める。薬物での前科からケントのボスだろう。
足止め
車の行き先が自動車整備行動だとわかった。
だが副本部長はすぐに動こうとするボイトを、令状もないのに捜索はできない、と止める。
「証拠がなくても明らかだ。一刻を争う」
それでも副本部長は頑なにルールを厳守する。
「ダレルがいるとか関係ない。ロイが関与してる証拠がない。動かないで。どの被害者にも親はいる。法を破らず息子を見つけて」
ボイトは部下にも急かされる中、命令に従うしかなかった。
女性発見
映像に映っていた女性が、ジャクソン駅の改札を通ったという情報が入る。
全駅をあたり、ホームに呆然と座っている女性を見つけた。
サーシャ14歳、アプトンが声をかけるとダレルが助けてくれようとした、と泣き出した。
未成年のサーシャは、ロイに強要されてクラブで踊っていたところを、ダレルに助けられたという。
それがケントにばれて、二人で車に乗せられていた。
ロイはダレルの携帯を見てキレていた。
連れて行かれた場所はわからない。
「看板に車の絵があった。そこから水辺へ移動した。その隙を見てひとりで逃げ出したの」
手掛かりはお城みたいな巨大な門しかなかったが、ジェイが第四地区の湖沿いに発電所があると気づく。
ダレル
そしてダレルの遺体を見つけた。
特に隠してもおらず、岩の影で血まみれになっていた。
周辺の様子から死んだ後、ここに捨てられたと判断した。
最初に寄っていた整備工場を調べるとバスルームが血まみれだった。
ボイトは救えたのに、と思わず呟く。
ダレルの遺体を見た副本部長はその場に崩れ落ちた。
大捜索
サーシャの協力でケントとロイの逮捕を急ぐ。
まだサーシャと同じような被害者がいるはずだ。
ダンサーたちは住み家がどこなのかもわからず、クラブまでの道のりも伏せられて移動していた。
手掛かりはバスルームから見えたというGC看板だけだったがそれで充分だった。
「G&C STEVEDORES」という看板の向かいにある、荒れた建物に突入した。
そこで少女たちが生活させられていた痕跡はあったが、すでに撤収した後で人気はない。
だが奥へ行くと4人の少女が遺体で見つかった。全員壁の前に並んで頭を撃ちぬかれていた。
恐らくダレルの携帯から、ロイが警察に気づかれたと先手を打ったのだろう。
それを知った副本部長はなんてやつらだ、と怒りと悲しみを増す。
「ダレルは売られた少女の1人を命がけで救った。彼は善人だ」
ボイトは自分が息子を亡くした時の経験からアドバイスをする。
「家に帰って忙しくしてろ。音楽が止まると痛みが始まる」
副本部長は運び出される少女たちの遺体に、自分を責めた。
「はっきり言って、私のせいよ。女の子たちも。規則に従ったせいで、私が殺したの」
二人を逃がさないよう、シカゴを封鎖し特捜班を中心に大勢の警官が班に分かれて捜索を始める。
そこからもボイトはあくまでも規則に従って動いた。
居場所として可能性のある建物を片っ端からしらみ潰していくが、なかなか目当ての二人はいない。
バージェスは一人で該当の建物の前に車を止めていた。
すると無線で連絡と取る最中に窓から声を掛けられる。その瞬間、車から引きずりだされてあっという間にボコボコにされた……。
シーズンファイナルに繋がる、緊迫した大事件が発生しました。
しかもミラー本部長の息子が発端で、その息子はあっさり殺されるという。
PDらしいシリアスで重いストーリーでもあり、同時にミラー本部長のルール至上主義は特捜班とは対極ともいえるスタイルで、ボイト達が大人しく従っているのはある意味これまでにないPDとも言えます。
そんな表面上のスタイルを守ることで自分の息子を失っただけではなく、ある意味被害者を無駄に増やしてしまった副本部長。この先どんな影響があるのかないのか、それはストーリーとして気になりました。
個人的にはボイトの解決に手段を選ばないという、目には目を的なグレーさが好きなので、ドラマ的には副本部長の頑なさには一切共感できないのですが、リアルに考えるとアトウォーターの「身内びいき」批判も凄くわかるんですよね。
ダレルが直接母親に頼らないのは、コンプレックスがあるからで、でも一人で解決できないから内緒でボイトを頼っている、というぶっちゃけただのわがままおぼっちゃまで、殺されても自業自得って同情できない子でした。
要は物事をなんでも軽くみていて、なめている。だからこそケントも煙たがっていて避けていた。ケントはなかなかボロを出さない事からも、なかなか頭は良さそうですしね。
ただ冷静に考えると、ダレルを自業自得だと突き放すことと、他にも被害者がいるかもしれないという中で被害の拡大を引き留めることとは別なんですよね。
副本部長は自分の信条に拘り過ぎて、視野が狭くなっていたというのは実際あったと思います。
このやるせなさとかキツさがいい!!
そしてまたしても? 危険な目にあうバージェス!!
襲ったのはおそらくケントではないかと思うんですが。
続きが気になります!!!
2 件のコメント:
普通の男の子が、好奇心からだったり友達に馴染むためだったりで覚醒剤に手を出し、惨殺されてしまう。ちょっと脇が甘いし、何も考えていないようなダレルでしたね。敢えて突き放し、痛い目を見て目を覚ませとした副本部長の親心が裏目に出てしまいました。「音楽が止んだら痛みが始まる」ボイトの言葉が重いです。
今シーズンは、ギャング同士の縄張り争いや仕返しといったわかりにくい、しかも個人的にどうでもいいエピソードが少なくて、ストーリー展開がしっかり面白くて見応えあります。
次回で最終回ですか!ずっと続いてほしいです。
しかしバージェス、一人行動はだめでしょ。どうか無事で。
バージェスの一人行動、本当ですよね!
まあストーリー上の都合で仕方ないんでしょうが、ペア行動徹底して欲しいですよねw
言われてみるとボイトが大人しくなった=ギャングの抗争ネタ減ったってことになりますね。暴れる必要がなくなった……というほどシカゴの街が変わったわけではないんですけどねw ドラマ的には控え目にするために身内のストーリーにせざるを得ないという面もあるのかもしれないですね~
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