アメリカン・ホラー・ストーリー: ダブルフィーチャー「死の谷」まとめ/American Horror Story: Double Feature「Death Valley」シーズン10

2022/07/19

アメリカンホラーストーリー アメリカンホラーストーリー10 ジェーン洞 ホラー

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あらすじまとめ

American Horror Story: Double Feature | Death Valley – Part 2 Teaser | FX



今回は二本立てということで、一つのシーズンに二つのストーリーが入っています。
ただし全6話と全4話というバランスになっていて、2本目の「死の谷」がボリューム少なくなっています。

そしてこの二本はほぼ分離していて、これまでのアメホラシリーズに見られる、別世界のように思えてもどこかにリンクを感じる……といった、狙ったようなわかりやすい演出には気づいていません。
二本の共通点で分かりやすく私が気付いたのは、インテリアのトゲトゲのツボ? でした。
でもそのツボ自体に意味はない……と思うので、せめてものリンク感なんでしょうか?

登場人物もそれほど重要ではないストーリーなので、省略します!

各話あらすじ

7話 大統領との面談

1954年 ニューメキシコ

空飛ぶ円盤が落下しているのが見つかり、アイゼンハワー大統領(Neal McDonough)が呼ばれる。
現場からは宇宙人の遺体も基地に回収されていた。
さらに落下付近では裸の女性も見つかった。

女性を保護すると、アメリア・イハート(Lily Rabe)だといい妊娠2ヶ月だった。
アメリアは1937年失踪しており、今でも生きていれば60歳のはずだが失踪当時のままだった。

宇宙人解剖

宇宙人を解剖すると体内からゲル状の何かが飛び出し、医師の顔に張り付く。
そこから大虐殺が始まる。
宇宙人は武器などを使わずエスパーで頭を爆発させることができ、次々と大統領以外を殺していく。

宇宙人に乗り移られると、目が真っ白になり宙に浮いて移動する。
その状態の見知らぬ女性にひるまず、大統領は果敢に話し合いで解決しよう、と求めた。
「いいえ大統領、話を聞くのはそちらだ」

現在

大学生の仲良し四人組が夏休みに再会し、砂漠でのキャンプに出掛けた。
カル・カンボン(Nico Greetham)とトロイ(Isaac Powell)はストレートだったがいつのまにか恋人としてつきあうようになっていた。
ケンダル(Kaia Gerber)とジェイミー(Rachel Hilson)は男友達二人を祝福した。

砂漠を歩いていると、真っ二つになっているのに血の出た後がない牛の遺体が大量にあるのを見つける。
しかも近づいて触ると死んでいるはずの牛の目が動いて反応した。

四人は慌てて車に乗って帰ることにするが、走行中に車が宇宙船に攫われる。
だが四人にその記憶はなく、気づいたら車の中に戻っていた。

そして翌朝から四人に異変がおきる。
その兆候は妊娠だと経験のあるジェイミーが気付き、それぞれ妊娠検査をすると陽性だった……。

8話 体内

1963年 パームスプリングス

新大統領はジョン・F・ケネディになっていた。

アイゼンハワーはそれまで隠していた宇宙人との取引きを、内密にケネディに伝える。
その内容は、アメリカ国民を誘拐し、人体実験をすることを許可するという契約だった。
「年5000人の犠牲で1億9000万の国民の安全が保障される」
その対価は最先端の技術の入手。
「世界を支配できる」

驚いたケネディはこの話をベッドでマリリンに話し、国民にも打ち明けようと密かに準備を進める。
だがそれに気づかないわけがなく、しばらくするとダラスを移動中にケネディ大統領は暗殺されてしまう。

合意

9年前、決してアイゼンハワーは気軽に契約したわけではなかった。
どちらかというと合意するつもりはなく断るつもりだった。

ところが妻メイミ(Sarah Paulson)の身体を乗っ取られ、殺すと脅されて仕方なかった。

宇宙人の狙いは、自分達の世界の滅亡を感じ、地球に移住するにも適応できるよう地球人とのハイブリッドの製造だった。

その頃、アメリアが出産をしたが、狂暴でその場にいた全員を襲ったため、被験者1号は失敗に終わっていた。本格的な実験を開始する必要がある。

現在

ケンダル達はもちろん、男子が妊娠するわけがなく宇宙人の子だと確信する。
四人は産婦人科に行き、エコーでみてもらうがどこからか黒服が現れると、医師はその場で殺され、四人は眠らされて攫われた。
エコーに映ったのは明らかに人ではない形だった。

四人が目覚めると、施設だった。
そこは白い壁、白い家具、白いウエアと白尽くしの世界。
だがスティーブ・ジョブズだけはいつもの黒タートルにデニムのスタイルだった。

ジョブズと親し気に話すのはキャリコ(Leslie Grossman)という女性で、1979年から施設にいるという。
キャリコは少数だが年次計画員の古株だという。
「政府がグルなのは確か。ここでは歳をとらない。食事以外は悪くない」

トロイがパニックで暴れると、捕り抑えられ分娩台に乗せられる。
そこで施設のリーダー的存在の宇宙人が縦長のマスクを外して素顔を見せる。その顔の半分は人間で、半分は大きな黒目の宇宙人というアンバランスだが、数少ないハイブリッド人だった。

9話 ブルームーン

使者

1954年に宇宙人との保安条約を結んでから3年が経っていた。
それまでの誘拐は298回になっていた。
なのに大きな進展はなく、騙されたのかと思っていると突然、ヴァリアント・ソー(Cody Fern)と名乗る連絡係が現れる。
ソーは見た目は人間そのものだが、頭をめくると回路が入っているのが見えた。
「捕獲物をこの世界で生きていけるために加工する作業の監督をするために来ました」
人間でも火星人でもない新しい種の創造だった。

そして未来の技術だといってスマホのような端末を人類に与えた。

エリア51

それからホワイトハウスの地下で本格的な人体実験が始まった。
だがそれを知ったアイゼンハワーは我慢できない、とメイミに愚痴ると、メイミは「それならネバダの土地があるじゃない」と移動をさせる。

そこはエリア51と名づけられ、表向きは存在しないものとされた。

メイミはソーと親しくなり、浮気をする。

5年前 マリリン暗殺

ケネディ暗殺後、マリリン・モンローが告発ビデオを撮影した。
「アイゼンハワーのせいで宇宙人に誘拐されている!」
アイゼンハワーの反対を無視して、ニクソンはマリリン暗殺を企てていた。

現在

トロイが出産をした。腹をレーザーで切られ取り上げられる。その時には身体が硬直して痛みは感じない。
生まれた子供は失敗作でその場で処分される。

それから1週間後、トロイがみんなの前に戻った。
出産体験はトロイの父性を刺激し、カルの子供が生まれたら二人で育てたいと思うようになる。
二人はこっそりと脱出しようとするが、キャリコにそれは不可能だと止められる。

月面着陸

キャリコは1969年から年に2、3回出産しているという。
なぜそれで正気でいられるの? と聞かれると、キャリコはこの施設の中でお気に入りの場所がある、と四人を案内する。
そこは月面着陸の撮影スタジオだった。

キャリコの事情

50年前、有名な映像を撮影した場所は施設内のセットだった。

その場所は、キャリコが攫われた理由とも関係していた。

当時、キャリコが働くバーにニール・アームストロングとバズ・オルドリンがお忍びでやってきた。
既に月に出発しているはずなのに。
二人に気づいたキャリコは、酒を飲ませてしゃべらせた。

そもそも宇宙にはいっておらず、スタジオで月面着陸シーンの撮影をしている、と。
その夜キャリコは二人を客にすると、黒服がやってきてこの施設に攫われていた。

そして自分の目でスタジオを見ていた。監督はキューブリック。
当時の大統領ニクソンのお気に入りで、その後大手映画会社と終身契約を結んでる。


「行ける技術はあったのに何故そんなことを?」
「行けるどころか、宇宙人の技術があるからすでに行く必要がなかった。突然コンピューターを見たら混乱するでしょ?」

そしてカルが産気づく。
トロイは二人で産もうとスタジオにつれていく。
出産の経験からトロイが盗んだメスで腹を裂いてとりあげることに。
取り出すと大きな黒い目の顔は宇宙人だが、上半身は人間そのもので、成功したように見えたが、その足元はタコの足だった。
赤ん坊は突然、カルの顔に張り付いてカルを襲った。

10話 完璧な未来

1972年

いまだ実験は成功していない。だがその実験から目を逸らさせるための戦争はその分続いている。
大統領となっていたニクソンは国民の批判の的になっていた。
しかし宇宙人にとってそんなニクソンはちょうどよいスケープゴートで、ソーは助けてはくれない。

アイゼンハワーは3年前に自宅で死んでいた。
エリア51で生き続けることもできたが、最後まで自分の決断を悔いて、人間としての死を選んだ。
そして宇宙人どころか爬虫類種の別種族が侵入していることにも気づいていた。

メイミ

反面、メイミはソーとの親交を深め、宇宙人との契約は正しいとアイゼンハワーを批判する立場になっていた。
愚痴ばかりのニクソンも邪魔に想い、ソーに「殺したら?」と提案する。
だがさすがに殺しすぎだということで、メイミも協力してニクソンを辞任に追い込むデマを記者に流した。

そして辞任後に口を割らないよう、宇宙人なりの拷問(直腸検査?)をしてニクソンを黙らせた。

7年後、1979年になるとメイミは自らエリア51入りを決めた。
もう人として地球に残り、夫のように死んでいくつもりはなかった。

そこでキャリコと出会い、すぐに意気投合していた。

現在

何かの事件が起きたようで、被験者たちは食堂に集められた。
そこでケンダルらはカルとトロイがいない事に気づく。

逃げるわけはない、とキャリコに言われ月面を見に行くと、カル、トロイ、数名の警備の遺体を発見する。
泣き叫んでいるところを回収され、二人も分娩台に乗せられた。

先にジェイミーが出産をするが、失敗で母子共にその場で殺された。
母体としての可能性がないと判断されたのだった。

次にケンダルが出産をすると、初の完璧なハイブリッドが誕生する。

実験は成功し、ケンダルは首を切り落とされ、金属の玉が頭の代わりについた。
永遠に子供を生み続けるだけの母体となった。

反乱

メイミが実験成功を知ると、反乱を企てる。
なぜなら宇宙人は最初から共存など求めていない。もう人類は不用品になった。
あとは地球をのっとるだけ。
メイミはソーに、あなたのような貢献者はそれなりの扱いをする、と保障をうけるがそれでは納得できなかった。

そこでメイミは初めて夫が悔いていたことに共感をする。
「やっぱり宇宙人なんて最初から信用しなければよかった」
そしてもう一つ、思い出す。
他の種族も存在していると夫が言っていたことを。
ソーはそれを簡単に認め、そして人間よりは使えるとすでに契約を交わしていることを伝える。

メイミはせめて人類のための時間稼ぎをしよう、と母親と赤ん坊の殺害をジェリコに提案する。

二人だけでは無理といわれるが、内部に協力者がいる、とハイブリッドのリーダーに分娩室に入れてもらう。

ところがメイミがメスをもって赤ん坊に近づくと、リーダーはメイミの動きをエスパーで止めた。
最初から協力者ではなかった。
「半分人間だから味方すると? 人間のおぞましさは知っている。人間の部分は私の恥だ。この惑星の資源をむしばむ者を助ける義理はない。人間は偽善者だ。我々と共存できないだろう。同族ですら助け合わないのに」
キャリコはすぐ殺されることなく、子供を育てる母親が必要だと仲間に誘われる。
「正論だわ」

メイミは頭を吹き飛ばされて殺され、キャリコは目の前で生まれた新生児を抱いた。
出産の間隔はどんどん短くなっている……。


<おしまい>

かんそう

これは……。
アメホラなの……?
スピンオフに「ストーリーズ」というシリーズがありますが、あちらっぽいな~という印象でした。

その理由は、そもそもストーリー的に宇宙人が来て、人体実験して~というまああるよね、のお話な上、実在の人物も多く、登場人物として突出したキャラがいない……。
この題材をアメホラならどう料理する? みたいな楽しさがいつもに比べると意外とフツーなんですね、みたいな感じ?
1本目はそういう意味ではありがちな吸血ゾンビに、「凡人否定」の強烈なメッセージを9歳の少女に言わせるという、他では見られない、アメホラらしさがあったと思うんです。

こちらは明確な主人公が不在に思えて、よくもわるくもどこに感情移入しいたらいいのかわからず、感情の動きがないまま見終わっていた、みたいな。
最後の宇宙人の訴え「人間しょもない」は感動的で説得力もあったので、宇宙人が主人公でもいいのに中途半端?

後半はメイミがキーパーソン? って気づくのですが、メイミが急にいい人? になって人類を救おうとするのが唐突過ぎて……。
キャリコもメイミにつきあわされたとはいえ、あまり主張がわからず、最後宇宙人側についた終わり方でしたけど、「だよねー」も「えええ」もなく、「ほーん」みたいな?
キャリコもドヤる割りには「知らない」ことも多かったし、あの施設自由なのかなんなのかわからないし……。

現代パートの仲良し四人組はあらすじからはがっつり省いていますけど、キャラは魅力的でみんな好印象なのですが、それこそ豪華な脇役みたいなものでそもそもこの子たちが何か起こしてどうなる感が最初からなかった気がします。
まあそれはそれでアメホラらしい贅沢さですね。

キャラとしてはコーディーのソーが良かったです。
人ならざる者をやらせたら本当にコーディーのはまり度合は凄いですね! ラブ。

それはそうとメイミはコーディーとHしてるのに、なぜそこで子作りをしなかったんだろう???
人間とのハイブリッドで苦労してるなら、コーディーの種族を増やせばいいじゃん? とそれも少し気になりました。
まあそういう出産方法はない、ってことなのかもしれないですが……。

SF好きにはいろんなオマージュ探しができたのではないかと思います。
私は最初に目が白い子供が出て来た時に「光る眼」だ! と思いました。

それにしても1本目もラストは唐突な程あっさりしていたのですが、こちらはもっと唐突に感じましたね。
せめてキャリコがどんな感情で終わったのか、もっとじっくり? 見せて欲しい気もしましたが。
そこが有耶無耶なのが狙いなのかな? でもそもそもキャリコの感情どうでもいい……みたいな感じなんですよねw

劇団員は、「赤い海」とは少し違った顔ぶれなのもよかったですね。
どちらにも出ている人は、見比べることもできましたし。こちらでもやっぱりメイミ役のサラは凄いと思いました。
年齢以上の役をするのって、どちらかというと抵抗あると思うんですけど、なんとなくサラは嬉々として演じているような印象があります。


本国では10月にシーズン11の放送が予定されています。
本格的にDisney+配信になったことでいち早く、日本でも配信されるのが楽しみです!!

(文:ジェーン洞/海外ドラマクイーンズ)

アテンションプリーズ!!

当サイトは、ネタバレ全開しております。
また、あらすじ・感想等は主観に基づいた表現が含まれます事を、ご了承の上楽しんでいただけると幸いです。

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