あらすじ
再会
ローマンと特捜班は、火災現場で再会した。
挨拶はボイトが無言で握手をしただけで、すぐに状況説明に移った。
被弾したトラビスは搬送中だった。
ローマンは炎の中、ローガンが逃走していくのを見ていた。
ボイトは調書の担当をバージェスにした。
「2人で話せ」
バージェスとローマンは車に乗り込む。
「何故署に来なかったの?」
ローマンは誤魔化そうとしたが、バージェスは簡単には騙されず、仕方なく真実を打ち明ける。
「サラは売人だ」
ローマンが特捜班に言えなかった理由はそれだった。
妹は薬物依存症な上、売人でブランディの死により薬物誘発性殺人の容疑者でもあったのだ。
「だから消防へ行き、嘘をついた」
全てを知ったバージェスは、私を信じて、とすぐその事をボイト達に言うつもりはないようだった。
トラビス
トラビスの手術は成功した。
アプトンとジェイはトラビスの話を聞いた。
「あいつのせいで……。売った奴が悪いんだ。償わせたかった」
トラビスは火をつけた事を認めていた。
「俺は刑務所へ?」
2人は何も言わず病室を出ていた。
ローマン、特捜班へ
バージェスはローマンを連れて特捜班に戻った。
署の入り口ではプラットがローマンを歓迎した。
「私の教育が悪かったわ」
ローマンはボイトのオフィスへ行き、バージェスとプラット立ち合いのもとこれまでの経緯を説明した。
サラが失踪して9日目になっていた。
だがサラが見つかったとしても、売人をしていたことから重罪が決まっている。
ボイトは見つけてから考えよう、とローマンの気を軽くした。
そしてローマンにバージェスとの同行を認めた。
「もし身勝手な行動を取ったら、俺は容赦しないからな」
「感謝します」
手掛かり
ローガンがウィルソン駅で下車するのが目撃された為、駅付近を捜索する事に。
その移動の際、署内でのバージェスの扱いを見て、ローマンは違和感を持った事を伝えた。
「皆が君に気を使っている。何かあったのか? ルゼックは顕著だ」
「刑事になれるわね」
付近のジャンキーを聞き込みしていると、サラの目撃情報を入手した。
「時々、勝手に使っている湖畔の家がある」
湖畔の家
バージェスとローマンは湖畔の家に到着し、家の中を捜索した。
その際に、バージェスはローマンにアダムとの子を流産していたことをサラりと伝えた。
家の中は無人だったが、S・ハスラーズのマーク入りの袋に入ったドラッグが見つかった。
そして家の裏庭へ行くと……。
ローマンはサラの上着が雪の上に落ちているのに気づく。
そして目線の先には、雪が積もって上半身だけ地上に出ているサラの凍った遺体があった。
サラの遺体を掘り起こす為、セブライド達が呼ばれ雪を切断した。
死亡は1週間前。抵抗した形跡や暴力の痕が見られた。だが直接の死因は放置による凍死だった。
検死の結果によると、19時間は外で生きていただろうと言われる。
誰も言葉が出なかった。
ローマンはバージェスと自宅に戻り、両親にサラの死を伝えた。
父親は行き場のない怒りでローマンを殴りつけ、責めた。
「お前を必要としていたのに!」
バージェスが止めに入った。
サラの爪から採取したDNAはローガンのものと一致した。
売人
押収したドラッグを調べると、案の定偽造薬ではあったがメキシコ産ではなく素人の手作りだった。
そしてローガンのGPSがS・ハスラーズの縄張りで感知された。
そこはレオン・ミラー名義の古い隠れ家だった。
特捜が到着すると発砲が聞こえて来た。
すぐに侵入するが、胸を撃たれて血を流して倒れていたのはローガンだった。
そのまま建物の奥に進むと倒れている男を発見する。
男は銃を持ってはおらず、過剰摂取で倒れていた。ただの依存症者だった。
バージェスとルゼック
ルゼックはロッカーにエコー写真を貼ったままにしていた。
それを見たバージェスは不思議に思う。
「まだ外す気になれないだけだよ」
「意味が分からない」
「僕は分かる。君が嫌なら今すぐ外すよ」
「別に構わない。好きにして」
「君と話す機会がなく何を考えているのか分からない」
バージェスはなら今話しましょう、とロッカールームのドアを閉めた。
「すべて吐き出して」
「そうか、でも何を吐き出せば?」
「怒りよ。分かるわ、流産をした私を責めてるんでしょ」
「僕が? 何故?」
バージェスは妊娠しながらも現場に出た自分を責めていた。
だがルゼックにはそんなつもりは微塵もなかった。
バージェスは仕事をして、人命を救っただけ。
「行かなければ赤ん坊は生きてた!! 分からないの? 同情も助けもいらない」
「君の望みは?」
「私と同じくらい、私に怒って欲しい」
「できないよ、すまない」
ローマン
バージェスが代表でローマンにローガンの死を伝えにいった。
するとローマンは今更どうでもいい、と投げやりだった。
「死んだからって妹は戻らない」
そして自分を責め続けていた。
「僕は妹を見捨てた。僕を必要としていたのに。すぐに帰るべきだった」
自分を責めるローマンに、バージェスは自分を重ねた。
慰めの言葉が何の役にも立たない事はバージェスも身に染みている。
目撃者
署にローガン死亡時の目撃者が現れた。
銃声の後、黒のSUVが急発進するのを見たという。
それはミラーの車と同じだった。
すぐにミラーを殺人容疑で連行した。
大量の偽造薬も押収した。
薬物についてはともかく、ローガンの殺人容疑を追求するとミラーは知らないと言った。
「倉庫は使わせたが殺してない。倉庫にも行ってない」
ミラーのアリバイは別の場所の防犯カメラの映像で立証された。
だが殺し屋を雇った可能性もある、と考えていた時、新たな手がかりが舞い込んだ。
近隣の防犯カメラに青の日本車が映っていた。銃声の3分後だった。
運転手までは見えていない。
代わりに黒のSUVの記録はなかった。
バージェスが、SUVの目撃者を再び呼び出した。
するとその証言がかなりあいまいだという事に気づく。
ウソをついているのは明らかだった。
気になったバージェスはプラットに目撃者クリスチャンを調べるようオフレコで頼んだ。
その頃、特捜班では青の日本車の持ち主を調べていた。
通常殺し屋は日本車には乗らない。
そのリストの中にあった名前タムラ・ライリーにバージェスは見覚えがあったが、誰にも言わなかった。
そしてプラットからクリスチャンの情報をもらった。
クリスチャンは情報屋をしていた過去があった……。
情報を渡しつつプラットはバージェスに忠告した。
「ボイトに隠し事をするのは危険よ。抱え込まないで」
真実
夜、バージェスはローマンを訪ねた。
どうしても皆が知る前に確認したいことがあった。
「ローガン殺人事件の容疑者はあなたよ」
目撃者はローマンの情報屋だった。
そして監視カメラに残っていた日本車は、ローマンのいとこタムラ・ライリーの車だ。
「私はタムラとパーティーで会ってる」
ローマンは自分の立場を分かった上でバージェスを追い返した。
「明日は妹の葬儀だ。弔辞の準備がある」
そして翌日、バージェスは自分からは誰にも言わなかった。
だが聞かれれば嘘をつく事はできず、目撃者の証言は曖昧だったともう一度連れてくるようボイトに指示された。
しかしバージェス、ルゼック、アトウォーターの3人でクリスチャンの家へ行くとそこはもぬけの殻になっていた。
滞納していた家賃も現金で支払い、姿を消していたのだった。
隣人を聞き込みしていると、現場にボイトも到着する。
ボイトはすでに詳細を知っていて、現金の記番号で雇い主を追跡できる、とバージェスに揺さぶりをかけた。
「お前は知らないのか?」
「知りません。私も探ってるところです」
バージェスはボイトにウソをつき、そしてサラの葬儀に出る許可をもらった。
だが車に乗ると、すぐにどこかへ電話をかけていた。
葬儀
サラの葬儀会場には、バージェス、シルビーの他、ボイトを始め特捜班のメンバーも顔を出した。
だがボイトはバージェスの隣に座ると耳打ちをした。
「よく電話をくれた」
ローマンの弔辞が始まった。
ローマンはサラの死で自分を責めた。
「僕が見捨てたんだ」
そして聖書にある言葉を引用し、それを否定した。
「そんなの嘘だ。罪は消せない。残りの人生で罪を背負い続けるべきだ。
痛みや罪悪感も。全身で感じてこそ。次はうまくやれる。誰かの叫びに手を差し伸べられる」
葬儀が終わるとボイトはなんて弔辞だ、とバージェスに言った。
「正直でした。しゃ罪を信じますか?」
「そうは考えない」
「ええ、ですよね」
そこへローマンが、待ってくれて感謝しますといって二人の前に現れた。
だがボイトはバージェスをしばらく見て黙っていた。
そして出した答えは何もしない、だった。
「ローガンは自業自得、責任を負って当然。捜査は続けるがもう最優先事項じゃない」
ローマンも狐につままれたようだった。
「何なんだ?」
バージェスにも分からなかった。
改めてバージェスはローマンを正しいと言った。
「私達はこの痛みを背負う。でもその方法は自分次第」
バージェスは待っていた特捜班の仲間達と一緒に教会を去った。
クロスオーバー後半のPD編は、いい意味でクロスオーバーを忘れる程のPD色が強く、そしてしっかりバージェスのストーリーにもなっていました。
これでやっとバージェスは少し前進できそうな。
良かった。
ルゼックは個人的には見た目も好みじゃないしw なんかフラフラしていて性格的にも頼りない感じがしていたのですが、父親になるかも、というストーリーになってからは、どんどん頼れる雰囲気になってきて、魅力が増しました。今は好きですw
今回のロッカールームでの会話も、素敵でした。
でも、ここまで想いがあるのに、二人がつきあってもいないっていうのが本当に謎です……。
そしてやっぱりボイトですね!!
そもそもサラにせよ、ローマンにせよ、ボイトの一言で人の人生が動かせてしまうってのがもう凄いんですけど、その判断がしっかりダークヒーローって感じで温情が感じられていいですよね~
ルールに従っているだけじゃこうにはならない。
バージェスの隠し事にも気づいていながらも、様子を見ているのとか。
しっかり部下を信用している感じもいいんですよね~。
今回はファイアとだけのクロスオーバーでしたが大満足でした!
ていうか思い起こせばクロスオーバーみ、といえばセブライドが雪切ったくらい??
とあまりクロス感はなかった気がしますがw
それでもPD単体としてでも十分、見応えのある回だったと思います。
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