【最終回】アメリカン・ホラー・ストーリー:1984/American Horror Story: 1984 シーズン9 9話「80年代よ 永遠に/Final Girl」【シーズン・ファイナル】

2020/12/29

アメリカンホラーストーリー アメリカンホラーストーリー1984 ジェーン洞 ホラー

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あらすじ

American Horror Story 9x09 Promo "Final Girl" (HD) Season 9 Episode 9 Promo Season Finale AHS 1984

2020年11月2日~FOXジャパンで放送!(全9話)
(アメリカ放送2019年9月~)


2019 レッドウッド

2019年になってもレッドウッドは当時のまま、廃墟となっていた。
89年のフェスが潰れ、訪問客が激減。心霊マニアも消え今では誰も訪れなくなっていた。

そんな中、1人の青年(フィン・ウィットロック)がスマホを持ってフェスの残骸を撮影していた。
そこへモンタナが声を掛け、今は何年だと聞き、初めて見るスマホに驚く。

青年は何かの冗談かと思うが、モンタナは殺されるから出て行きなさい、と真顔で忠告した。
だが青年にはそう言われてもすぐには帰れない目的があった。
「ここで父に何があったのか知りたい。僕はボビー・リクターだ」
青年がジングルズの息子だと分かるとモンタナは嬉しそうにハグをした。

ジングルズの息子

モンタナがボビーを小屋に案内すると、トレヴァーも合流した。

ボビーは去年叔母が死に、その際にこれまで隠されていた事実を教えられたのだという。
「父は母の敵を討つ為にここに来たと」
ジングルズの死は知られず、消息不明扱いになっていた。
「振出人不明の小切手を受け取って来た。父が送ってくれてると思うんだ」
だから父と話したい。

モンタナとトレヴァーはそんなボビーに、レッドウッドの現状等を教えた。
ジングルズは死んだ事。湖に引きずり込まれた後は誰も姿を見ていなかった。
自分達はゴースト。殺しても何度でもこのキャンプ場で生き返るが、外へ出る事はできない。

1989年のフェスは、マーガレットの本性に嫌気がさしたトレヴァーが開催の邪魔をして中止に追い込んでいた。
出演者や来場客を全員適当な理由をつけて「中止」だと追い返していたのだった。

怒ったマーガレットは使えないアシスタント、コートニーを撃ち殺し、会場の外にいたトレヴァーも撃ち殺した。
「ここで死ねば生き返れないし、あの女とは二度と会えない」

ところが、死の直前にそこへブルックが通り掛かり、モンタナとの関係を知った上でトレヴァーをキャンプ場まで運び入れていた。
だから今はゴーストとなり2人は幸せになっていた。

そしてモンタナは恨んでいたブルックの行動を見て、改心していた。
「憎しみは人を残忍にする。そんな自分は嫌だから殺しをやめたの」

ボビーの命

どのゴーストも事情は違えど、運命を共にしている。
だから全員でマーガレットの殺人を終わらせる事にしていた。

まずはマーガレットの仲間の2人から。
ブルースも殺しを続けていたが、トレヴァーがナイフで殺しキャンプ場の外で息絶えさせた。

だがラミレスは簡単にはいかなかった。
何せサタンがついている。
元カノのモンタナが油断させ、ビリー・アイドルが待ってると嘘をついて全員が待つ小屋に呼び出し、殺した。
ラミレスはビリーの名前を出されるとあっさり騙された。

どこで死んでも蘇るのなら監視が必要だという事で、そこから30年間ずっと交代でラミレスを見張っている。
生き返った瞬間に殺すように。

それはボビーを守る為でもあった。
ラミレスはジングルズに恨みを持ち、その復讐の為息子を必ず殺すと決めていた。
ゴースト達は、ジングルズの息子を守るという意思を引き継いでいたのだった。
「30年間、君たちが俺の命を守ってくれたのか」

ボビーは危険な立場にいる事を知り、感謝を述べつつも、父親と話したいとすぐにはキャンプ場を出ようとしなかった。

ナイトストーカー

その頃、チェットとバーティーがナイトストーカー当番をしていた。
だが2人は気が緩んだのか、いちゃついて気が付かない間にナイトストーカーが復活していた。

ナイトストーカーは2人を殺すと、自由になりボビーの存在を見つけすぐに襲い掛かっていた。

トレヴァーやレイ達がナイトストーカーを捕まえようとしたが、逃げるボビーに追いついていた。
ボビーを切りつけているナイトストーカーを、再びゴースト達が捕り押さえなんとかボビーを逃がした。
最後にモンタナが戻ってくるなと念を押して。
「レッドメドーズ病院の医長を訪ねてごらん」

レッドメドーズ病院

ボビーは傷ついたまま、レッドメドーズ病院へ行った。

すんなりと面会させてもらえはしなかったが、偶然通りかかったドナに会う事が出来た。

ドナはボビーにジングルズが無実であることを教えた。
仕組んだのはマーガレット・ブース。
ブルックもその犠牲者。
新聞記事で知った情報からはとても信じられずボビーは驚いた。

ファイナル・ガール

マーガレットの死は、ゴースト達とドナ、ブルック全員によるものだった。

まずはドナが襲い掛かっていた。
だが返り討ちにあい、死にはしなかったが気絶させられていた。
そこへブルックが遅いかかるが、何者かが撃った銃弾がブルックにも当たってしまい2人は倒れた。

意識のあったマーガレットは、ゴースト達によって生きたままバラバラに切断され、遺体はミンチにしてキャンプ場の外に撒かれた。

結局、ドナがファイナル・ガールだった。
その後ドナは数回キャンプ場を訪れていたが、自分だけが歳をとっていくとゴースト達がつらそうだと感じていた。

ドナの話を聞いたボビーは、ドナが小切手の送り主だと思い、感謝を告げた。
「父じゃなくてあなただったのか」
だがドナは即答で否定した。
「私は何も送ってないわよ」

もう1人のファイナルガール

他にも生存者がいる可能性があると分かったドナは、小切手の送り主捜しを手伝った。

小切手の金融機関コードから貯蓄貸付組合を突き止め、その支店がプラインビルにだけある事から支店の前で2人で張った。

すると意外な人物が姿を現し、後を着け自宅のドアを叩いた。

2人の来訪に驚いたのはブルックだった。
「やっと来た」

ブルックは医者と結婚し子供達と暮らしていた。

生きている事を隠されていたドナは複雑な心境になるが、ブルックの気持ちも理解できた。
「何度か電話したのよ、だけど言葉が出なくて。あなたの声を聞いた途端、レッドウッドの記憶が浮かんだの。毎回黙って切った。でもあなたを想わない日はなかったわ。
悪いけど前に進むにはそうするしかなかった」
「幸せな暮らしをしてる事は責めてない。関わりたかったの」

実は死んだと思われたブルックは、レイに助けられていた。
当たった銃弾は貫通しており、意識を取り戻すとレイが応急措置をしてキャンプ場の入り口まで運んでいた。
ブルックはなんとかキャンプ場を自力で出た所で倒れ込み、その後気づいた時は病院だった。
恐らく誰かがキャンプ場から救急隊を呼んでくれたのだろう。

ボビーはブルックに送金の理由を尋ねた。
「何故父に苦しめられたのに俺を助けてくれた?」
「不思議に思うでしょうけど、悪夢の後でも普通に生きたかったの。私にとってあなたのお父さんは希望の光だった」
ジングルズはレッドウッドに関わりながらも、一時は新たな生活を築いていた。
「でもレッドウッドに引き戻された。私も同じだったの。
いずれあなたもそうなると分かってた。だからあなたの自由の為にできることをした。
結局それは自分のためでもあったのよね」

ドナとブルックはわだかまりを捨て握手をした。
「2人ともファイナル・ガールね」

家族

ドナと別れたボビーはもう一度キャンプ場に戻った。
あの場所にいた時に誰かに見守られている気がしたから。

最初に声を掛けたのはマーガレットだった。実はミンチが吐き出され終わる前ギリギリに死の判定が起きていて、ゴーストになっていたのだった。
だが、ずっと隠れて待っていた。
復讐の時を。
マーガレットは父親に会わせると嘘をつき、ボビーを誘い込んで殺そうとした。

ボビーの背後からナイフをかざしたその時、ジングルズが姿を現し、マーガレットを殺してボビーを助けた。
ジングルズはろくな挨拶もせず、すぐにボビーを追い返そうとしたが、ボビーはやっと会えた父親に抱き着いていた。
「父さん」
「何故戻った? 親とは言えない」
「いい親だよ。身をもって示してくれた。俺の為に犠牲になった。お礼を言いたくて」
「命を懸けるだけの価値がお前にはある。この場所の事は忘れて生きるんだ」

再び生き返ったマーガレットが背後からジングルズを刺して殺した。
「私の勝ちね。勝ち残る、ファイナルガールは常に私よ!」
ボビーが慌てて逃げると目の前にボビーにとってはおばあちゃんであるジングルズの母親が現れた。
そして追いかけてくるマーガレットを殺した。
「消えて。彼は幸せになる」

祖母はボビーを、小さいままの息子のボビーと重ねて歓迎した。
「ハンサムね。私のボビーもこうなったかも」

気付けば、その背後にはゴースト達が揃っていた。
そして生き返ろうとするマーガレットを、母親の命令に従い、全員で捕まえようとした。

モンタナはボビーにもう一度忠告した。
「もう二度と来ちゃだめよ。あんたが語り継げば私達は永遠に生きられる。80年代は不滅よ」

行きなさい、と言われボビーは一心不乱に出口に向かって走った。
無事ゲートを出て、息をついて振り返った時――、父親とその家族が揃って立って見送っていた。
最後は笑顔で別れた。


おしまい
(AHS シーズン10につづく)

かんそう

若手劇団員フィン・ウィットロックが息子のボビー役でした。
最後まで、ジングルズの息子であること、サタンとの契約後に生まれた事などから、ボビーが「へっへっへ」とナイフをかざすんじゃないだろうか、ドキドキしたのですが、そういうどんでん返しはありませんでしたw

最後はシンプルに「いい話を見た」って気分になっていて、アメホラ・マジックにまんまとひっかかった……のかな?
とりあえずジングルズが幸せになっててよかった!
ボビーもいい子だったしw

気になったのは、ブルースが結局なんってことなかった事。
なんかドナに個人的な恨みでもあるんじゃないかって思わせていたのは、なんだったの?
単なるレイシスト野郎だったって事? アメホラあるあるで勝手に深読みしちゃっただけ??
最後は、あっさりゴーストにもならず消えて終わったのは、スカっとしたけど。
てかブルースって単に劇団員出したかっただけの配役に思えるw けどそれもアメホラならありか。出ないよりは出てくれたほうが嬉しいもんね。

ブルックが生きてました、のところもドナの説明だと良く分からなかったです。
ドナは「おいて帰ったから気になってた」といいつつ、ボビーには「生きてたけどキャンプ場の悪夢にとりつかれて死んだ」みたいな説明をしていました。
(ここは分かりにくかったのであらすじでは省いています)

厳密には、ブルックは銃で撃たれて倒れていたから、死んだと思って自分だけ生きて帰った、って事なんじゃないかなと理解しましたけど。

ブルックが実は生きてたけど、ドナにはその事をなかなか言えないでいた事には驚きはなかった。自分がブルックの立場になっても、悪夢を思い出せる人物には会いたくないかもしれない。乗り越えるまでは。
ただ、そういう状態だったらボビーへの送金も私は出来ないだろうけど。
だってその都度思い出しちゃうもんね。

とはいえ、「送金」はボビーをキャンプ場に来させる、(生きてる父親かも、と思わせる)為のギミックでしょうから、細かい事はさておき面白かったです。

モンタナが改心してるのも、予想してなかったので驚きでした。
トレヴァーとはピュアラブだったみたいで、それもビックリ。
モンタナは嫌いになれなかったから、嬉しいサプライズでした。

ゴースト達は、マーガレット以外根っからの悪人ではなかったって事で、静かに? 暮らしているようで最後はなんかほっとした。


ラミレスを封じ込める策には納得感があったけど、急にボビーを守る! って団結してるあたりはちょっとデキすぎにも感じました。
まあ、罪滅ぼしみたいなものなのかな?

ラミレスのサタン信仰も結局、実在の設定をそのまま生かしただけって感じでした。
詳しい背景などはなく、まあアメホラだから当たり前に超常現象が起きるって、だけのようで。

それにしてもゼイヴィアといい、ラミレスといい、ゆるふわ脳が揃ってるのが1984の売りなのかしら?w
ラミレスはビリー・アイドルの名前だせば、簡単に騙されるじゃん。
オレオレ詐欺にも絶対ひっかかるよw
そんな所が憎み切れなくもあって、1人だけ悪人扱いされているのは元ネタの存在が強くあるのではないかな、と感じました。
ってナイトストーカー自体、ほとんど知らなかったのですが。

ゼイヴィアはジングルズに恨み満々でボートで流したのが最後だってのに、その恨みがいつの間にか風化して? 仲間意識持ってるって事なんだけど。
でもゆるふわゼイヴィアだからそれもありかもねw
他のジングルズに殺された人はどうだか知らないけどw

そしてジングルズの世界とゴースト達の世界は別だったようですが、ジングルズママが登場して命令すると、ゴースト達は大人しく聞いちゃうのね。
ママのボス感、ハンパなかったです。
今回のリリー・レーブを見ていたら、ジェシカ亡き後の大ボス席狙えるんじゃないかと思いました! 迫力あった!!

1984を見終わって、とにかくテンポが良く次から次へとスピーディーに新要素や回答が登場して、考える間も与えないって所が凄く面白かったです。

最後は感動でなぜか温かな気分になれましたし。いい話??w

逆に通常のホラーやサスペンスのものさしでは計りにくく、アメホラに不慣れな方には戸惑いを感じやすい可能性もありそう?
80年代というテーマはキャッチ―なんですけどね~。

ともあれ私は、アメホラが増々好きになりました!


(文:ジェーン洞/海外ドラマクイーンズ)

アテンションプリーズ!!

当サイトは、ネタバレ全開しております。
また、あらすじ・感想等は主観に基づいた表現が含まれます事を、ご了承の上楽しんでいただけると幸いです。

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