シカゴP.D./CHICAGO P.D.　シーズン6　12話「因縁の相手/Outrage」

チャイナホワイト

特捜班はチャイナホワイトというドラッグを取り締まる為、クラブに潜入捜査していた。

クラブには大金を掛けたポーカーをする為、薬物関係者達が集まっていた。

その場ですぐにデータ照合をし、身元を判明した。

逮捕歴のあるフランク・デルガド、そして売人マシュー・ギャレッド。

潜入していたジェイは、ギャレッドの名に耳を疑った。

実は以前ギャレッドを追っていて顔を知られていたのだった。その上、ギャレッドは刑務所に入っているはず。

ジェイはギャレッドに気づかれ、声を掛けられるが過去の因縁から挑発されたが、捜査についてはバレずにその場を立ち去った。

マシュー・ギャレッド

ギャレッドを調べると、懲役20年のはずが服役6年で先月釈放になっていた。
逮捕前の事務処理不足を理由に違法捜査とみなされていたのだった。
しかも市から和解金として20万が支払われている。
その金を元手にビジネスを始めたようだった。

そんないきさつから、本部からはギャレッドを”追うな”と指示が下りていた。

だがジェイは反発した。
ギャレッドは過去に、17歳の家出少女ローレンに売春を強要した上、殺害している。
遺体は未だ見つからず。
なのに無罪放免になっている。
「奴は絶対に捕まえるべきだ」

ボイトは少し考え、決定した。
「よし、奴を葬るぞ」

ガス

囮捜査

ガスから入手したいとこの情報を利用して、ルゼックがギャレッドに近づき、麻薬取引きを持ち掛けた。

ギャレッドはいとこに身元の確認が取れたら、と条件を出しさらに今日中に5万ドル用意しろ、と要求した。

その為、すぐに捜査用として5万ドルを申請したが、ケルトン本部長から却下を受けてしまった。
ギャレッドについては、警察の汚点で今はあえて事を起こす時ではない、という理由だった。

それを受け、特捜でも今は時期ではない、と引き下がるつもりだった。

ところがジェイの元にローレンの母親が訪ねて来る。
ギャレッドの釈放を知り、行き場のない怒りをジェイにぶつけた。
「なぜ誰も私に知らせに来ないの？　8年経っても気持ちの整理がまったくつかない。
あの子の遺体は？」
ローレンを助けるという約束を守れないまま、ジェイは何も言えなかった。

ジェイは何とかせねばと、倉庫にあった別の事件の証拠品の偽札を持ち出しボイトに渡した。
「これを使ってギャレッドと取り引きを」
ボイトはジェイの熱心さに捜査を続ける事にした。
ただし、ジェイにはギャレッドとの接触を禁じて。

予定通り、ギャレッドと待ち合わせしたモールで偽金を見せ、翌日の取引きを約束した。

取引きの場では、ドラッグを確認したら逮捕するという算段になっていた。
ところが当日現場にギャレッドは来ず、手下2人だけだった。

直接引き渡しがルールだと押し通し、ギャレッドの居場所を確認する。
最初はとぼけていた手下の1人が、同伴していたバージェスの挑発に乗り、居場所を白状した。
「マッケンジー通りの古い倉庫」

ジェイとギャレッド

すると無線で聞いていたジェイが、命令を無視して真っ先に向かった。

ジェイは直前で無線を切り、倉庫の中に入って行った。
すると驚く事に、ギャレッドは撃たれて首から血を流して倒れていた。

ジェイは駆け寄り、まだ息のあるギャレッドに尋ねた。
「救急車を呼んでやるからローレンの遺体がどこにあるのか言え！　正しい行いをするチャンスだ、罪を償え」
最期の力を振り絞ってギャレッドは言った。
「クソくらえ」

息を引き取ったと同時に、アプトンが到着した。

ジェイは、ギャレッドは最初から死んでいたという事にした。

容疑者

ギャレッドは死に、用意していたはずのチャイナホワイトは倉庫からは見つからなかった。

ボイトは麻薬取締課から捜査を引き取り、ジェイから本当の事を聞き出した。
「生きてた事は誰にも言うな」

凶器、目撃者など手がかりはない。
抵抗した形跡がなかったため、顔見知りか不意打ちだと思われた。

そんな中、チャイナホワイトの大量取引きの情報が入る。
現場を押さえると、そこに居たのはギャレッドの仲間のサンタナだった。
慌てて捨てた大量のチャイナホワイトも回収できた。

だが逮捕したサンタナはギャレッド殺しを否定した。
倉庫の外で銃声を聞き、駆け付けるとギャレッドにブツを持って逃げろと頼まれたという。

確かに防犯カメラに逃げていくサンタナの車が映っていた。

疑惑

サンタナの車の映像を調べたアプトンは、ジェイの車が報告よりも早く到着している事を知った。

ジェイはアプトンに追求され、真実を打ち明けた。
救急車を呼ばず、証言させようとした事は職権乱用罪にあたる、とアプトンはジェイを責めた。

その上、ジェイとギャレッドの因縁から、ジェイは殺人課にも目をつけられる。

ボイトは部下を疑うな、と直々にケルトンに訴えるが、ただでさえ手を引けと言われた事件に手を出した事から、ジェイが最有力容疑者だと言われてしまう。

真犯人

ボイトはジェイの疑いを晴らすには、真犯人を見つける事だ、と捜査を進めた。

プラットの情報網から、非公式の銃の分析結果を聞き出した。
「2015年の強盗事件で使われた銃弾と一致したとか」
当時の犯人はフランク・デルガド。
ギャレッドの顧客で、ポーカーに参加していた男だった。

ボイトは今度こそジェイにオフィスから出るなと釘をさし、デルガドの自宅に向かった。

デルガドを逮捕すると、ギャレッドを殺しても何の得もない、と殺人を否定した。
それどころか、強盗で使った銃は当時のデカに押収されたという。
「証拠として登録されていない」
「誰かがくすねたのさ。警官の汚職は珍しくない」

ボイトはデルガドの話を聞いてピンときた。
そして当時の事件ファイルから、自分の考えが間違っていない事を確認した。

担当刑事はガスだった。

ボイトはガスの自宅を訪ねた。
「さすがだよ。成功寸前だった」
「何の話だ？」
「1つだけ不明な点が。何故ギャレッドが倉庫にいると？」

シラを切るガスに銃の事を突き付けると、もう否定はできなかった。
「銃がなければ立証は難しい」

ガスはギャレッドの釈放を知り、耐えられなかった。
自分の足で情報を集めた。
「悪を持って悪を制す、さ。バレないと思ってた。まさか取引相手がお前らとはな」

見逃して欲しいというガスにボイトは苦しい判断をした。
「無理だ」
ボイトはジェイを守らなくてはならない。

ガスは不公平だと言う。
自分は職を失ったのに、悪人のギャレッドは釈放され金までもらっていた。
「おかしくないか？」
「分かってくれ」

ガスはボイトを動かせないと分かると、諦めて1人になりたいと言った。
「整理したいことが」

ボイトは少し考え、外で待つと言って部屋を出た。
最後に聞いたのは「お前はいい刑事だ」だった。

少し歩くとガスの部屋から銃声が聞こえた。