アメリカン・ホラー・ストーリー:カルト/American Horror Story: Cult シーズン7 8話「救世主/Winter Of Our Discontent」

2018/06/12

Simoom アメリカンホラーストーリー アメリカンホラーストーリー:カルト ジェーン洞 ホラー

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あらすじ

2018年4月23日~FOXジャパンで放送!(全11話)
(アメリカ放送2017年9月~)


・シーズン7登場人物

7話「女の報復/Valerie Solanas Died For Your Sins: Scumbag」へ

ヴィンセント


ヴィンセントが、自宅にいるカイを訪ねた。


カイとヴィンセントはほとんど連絡を取っていなかったようだった。
カイの入院中、顔を合わせずに花を置いて帰っていた事を「気が引けたから」とヴィンセントは正直に言った。
「兄なのに弟の選挙活動の事を知らなかった」
ヴィンセントは改めてカイを褒めて、カイならば国全体を変革できると評価した。

最初は距離をおいていたカイもその言葉には喜んで、一気に距離を縮めた。
2人はハグをするが、カイは今度からは「市会議員」と呼べと命令した。


使用人


カイは市議会で、カイがコントロールする警備隊を正式に認めさせていた。

今やブッチャリーは、その若者達の食堂と化しており、アイビー、ビバリー、ウィンターの女性陣は使用人として食事の面倒を見させられていた。
完全に男尊女卑になっていた。

我慢の限界が来ていたアイビーとビバリーは、ウィンターに忠告をした。
「カイは自分の為なら妹だって犠牲にする。
捨てられるわ」
「今の私があるのはカイのお陰よ」

ウィンターはカイを庇った。


2015年10月ハロウィーン


ウィンターとカイは、ネット上で正義ぶる人々を煽っては炎上させて遊んでいた。
中絶反対の過激なカキコミをしていると、突然チャールズという牧師から「招待する」というメールが届いた。

招かれたのは、「ジャッジメント・ハウス(審判の館)」。
カイは直接会ってからかってやる、と迷わず招待を受けた。

「この中で見る事は決して口外してはいけない」

チャールズ牧師は2人を館の中に入れた。
そこは遊園地のアトラクションのような構造になっており、牧師は姿を消すと2人は決められたルートを進むようになっていた。


第1の部屋


最初の部屋には、血だまりの出来たベビーベッドが置いてあった。
「胎児のために声を上げよ」
牧師のナレーションが響く。
奥には、中絶手術を受けたと思われる女性が診察台に乗った状態で陳列されている。

「助けて」

カイは平凡だ、と呟く。
脅かしの為の単なる作り物、そう思っていた。

しかし女性は、誘拐された、演技ではないと助けを求めている。
カイが女性の血を調べると確かに本物のようだった。
そこに牧師のナレーションが響き、女性の首にあった金具が絞められた。
苦しむ女性を見てウィンターはカイの手を取り、隣の部屋に逃げた。


第2の部屋


すぐに天井から半裸の男が降ってきた。
この時点でウィンターはすべて本物だと悟った。

部屋の奥にはベッドの上で薬漬けにされた男が寝かされていた。
身体中に針が刺さっており、ありとあらゆる薬が投薬されているようだった。

男はかろうじて生きていたが、すでにボロボロで死ぬ直前だという。


第3の部屋


次の部屋は男色がテーマだった。
入るなり、椅子に拘束されている男が助けを求めてくる。

牧師はナレーションで同性愛を批判している。
その椅子の背からはナイフが出るようになっているらしい。

カイは突然、助けなくてはいけないと男の拘束を解き始めた。
ウィンターにも手伝わせる。

そしてギリギリの所で、男性を助ける事が出来た。
あと少し遅ければ、背から出た複数の刃が身体を突き抜けていただろう。

カイは、ウィンターに人を呼ぶように命令し、自分は他の部屋の者達を助けだした。


恩人


ウィンターが出口を捜していると、2人の様子に気づいた牧師がウィンターを見つけた。
「ここにいる哀れな者達と同じ目をしているな」
牧師は、役者の1人にしてやる、とウィンターに手をかけた。
その時、背後からカイが殴りつけてウィンターを助けた。


牧師は、男色を罰する椅子に拘束させられた。
カイは助け出した人達から聞き出した事情を、牧師に突きつけた。

女性が婦人科に行ったのは感染症の為。
ドラッグ中毒の男性は、リハビリ施設で更生を目指していた。
同性愛者の男性は、HIV患者の支援をしていた。

牧師が、ただ理由もなく裁きと言う名の殺人をしていた事は明らかだった。

通報すれば刑務所行きだが、カイはそれを良しとしなかった。
「こいつが君らにしたのと同じ事をしてやろう」
ウィンターに合図をする役目をさせた。
「殺して」
椅子のスイッチを押すと、牧師の胸から刃が何本も付き出し、正面にいたカイの顔に血痕が降りかかった。


ここから全てが変わったと、ウィンターはアイビーとビバリーに説明した。
薬を飲み始めたカイは皆は救えないと悟った。
だから全部怖し、新世界を作ろうとした。

今は道に迷っている。
だから彼を正しい道に戻してあげる。

「私がカイと話して説得するわ」

アイビーとビバリーはウィンターの話に納得した。

ただ、ビバリーはこのまま台所の仕事が続くなら彼を殺す、と釘を刺した。


救世主


ウィンターはカイと話しをした。

カイはウィンターに指切りをさせ、真実のみを話すよう約束させた。
「俺を愛してるか?
ずっと忠誠を誓うか?」
「時々兄貴に戸惑うわ」
「今こそ理解する時だな。
お前は自分の役割を知り、俺に誓うんだ」



カイは小指の儀式を初めて中断した。

カイがウィンターに与える使命は、「救世主」の母親になる事だった。
目標達成が今すぐできるとは思ってはいなかった。
何世代もかかる、その為に血筋を残し、使命を受け継がせる。

相手はサミュエルズで、兄妹を結びつける道具だという。
「彼がお前の中へ入り、俺が彼の中に入る。
そうやって俺は父親になるんだ。
お前の純潔は守られる」


アリー


アリーの家にヴィンセントが来ていた。
アリーは、3週間施設で監禁されていたといい、ヴィンセントにも当たり散らしていた。

ヴィンセントは、これまでアリーが話していた危ない男がまさか自分の弟の事だとは夢にも思っていなかった。
アリーの言う事も信じてはいなかったが、今ならば信じられるという。
そして、そのカイと兄弟である証拠の写真を見せてアリーに打ち明けた。

写真にはウィンターも写っており、アリーはすぐにアイビーとウィンターの関係にも気づいた。

アリーは、そもそも兄弟だからカイに自分の病状が知られていたのだと、ヴィンセントをグル扱いした。
だがそれはカイが勝手にカルテを盗み見ていたようだった。

ヴィンセントを責めるアリーに、ヴィンセントはオズを取り返す為に協力すると宥めた。
いざとなれば弟を施設に入れるか、告発してもいい、と。


アリーは1人になると、オズの帽子やおもちゃを取りだして、オズを懐かしんでいた。
そして何かを思いついた。

儀式


カイは、早速ウィンターとサミュエルズを呼んで儀式をした。
カイの選んだ聖なる曲は、ALL-4-ONEの「I Swear」。
ウィンターには不満だった。
「救世主を身ごもるたびに流す」と言うと、ウィンターは救世主は1人じゃないのか? と不安になった。

カイとサミュエルズは服を脱ぎ、ウィンターを横たわらせた。
しかしゲイのサミュエルズには無理だった。
「コップに出した精液を使えば?」

次第に、ウィンターもレイプされるような気分になり、とてもつきあいきれなかった。
「ダメだこれは神聖な儀式だぞ」
「今日思いついた儀式でしょ。最悪ね」


招待


アリーは自宅にカイを招いた。

情報提供をしたいといい、食事も作って待っていた。
2人だけで話したいと、連れていた警備隊を外に出した。

アリーは情報と引き換えに、オズを要求した。
「兄さんがあなたを施設に入れる」

カイはあくまでも自分はただの市議会員だと言い張るが、アリーにも兄にもバレている事を伝える。

「(カイの)悪事に巻き込まれるのを恐れているから、あなたを止める」
「嘘だ」
「わかるでしょ。
お兄さんにとって、あなたは厄介な存在なの」
「君は変わったな」

カイもアリーの変化に気が付いた。
アリーはこれまでアイビーやヴィンセント、どんな薬でも出来なかった事をカイがしたという。
「私を治したの。
もう何も怖くないわ」

カイもアリーを信用したのか、毒見もさせずにアリーの出したミンチバーガーを食べた。
ゆっくりと味わいながら。


サミュエルズ


ウィンターは、カイからの罰として炎天下の中、ゴミ撒きをさせられていた。
そこへサミュエルズが差し入れを持って車でやってきた。

カイは温暖化を信じていないから、とゴミ袋ももう1つあるようだった。
差し入れは、昨夜のお粥の残りだった。

不満を訴えるウィンターに、サミュエルズはすべてはカイの命令だ、という。
何でもカイに従う必要はない、忠犬なの? というと元はカイが自分の犬だったと話し始めた。


サミュエルズは過去に、ヴィンセントの処方箋を悪用して稼いでいたカイを現行犯逮捕していた。
その時、利益の7割をピンハネする事を条件に見逃したのだった。

その週に一度の売り上を届けた時、カイはサミュエルズの弱味を知った。

ナチスに心頭している様子が分かる部屋に、デスメタルが流れ、女は首を絞められたと怒って帰って行く。


その上、女性相手に上手くいかずに落ち込むサミュエルズに、カイはゲイだと見抜いた。
「もう女は要らない。
男を求めろ」
「ゲイじゃない」
「性的指向は関係ないんだ。
自分の男らしさを意識する。
つまり電気と同じ。プラスとマイナスだよ。
両方があって初めて電気は流れる。
君だって強くなれるんだ。
相手が男ならエネルギーは放出しない。
力が急速にたまっていく。
失い続けた力を今こそ取り戻すんだ」

その時、カイとサミュエルズは肉体関係を持っていた。


そこまで聞いたウィンターは、目の前のサミュエルズにスッパリと言う。
「あんたはゲイよ」
「違う! そんな単純な話じゃない!」
イラだったウィンターは粥をサミュエルズにぶちまけた。

怒ったサミュエルズは妊娠させてやる、とウィンターを襲い始めるが、すぐにウィンターに銃を奪われた。

「ヴァレリーは正しいわ。男は全員クソよ。
ヒラリーが負けた時、怒りに燃えて戦うべきだったわ。
私はもう手遅れよ」

そして、あんたも手遅れと言って、サミュエルズを撃ち殺した。


裏切り者


カイの自宅の地下に、2人の男女が拉致されてきた。
警備隊とピエロのマスクを被ったカルトが2人を囲む。

拉致された1人はヴィンセント、もう1人はビバリーだった。

カイはマスクを外して2人に顔を見せた。

「何を企んでいたか知ってるぞ」
カイはアリーから聞いた話しで、ヴィンセントを信用できなくなっていた。
ヴィンセントは、慌ててその場を取り繕う。
「お前を愛してる。
絆がある限り、何をしようが構わない。
真実を話せば許される」
カイに小指の力を教えたのはヴィンセントだった。

ヴィンセントの拘束を解き、もう一度兄弟で小指を絡ませる。
カイは再びヴィンセントを許したように見せかけて、油断をさせた所へヴィンセントの小指を切り落とした。

思わず驚いたウィンターが、マスクを外した。
次の瞬間、カイは大声を上げてヴィンセントの首にナイフを突き立てた。

恐らく即死だろう。


次はビバリーの番だ。
カイはサミュエルズ殺しの犯人が、ウィンターからビバリーだと聞かされていたのだった。

ウィンターの作り話では、車に乗っていた所へビバリーが突然やってきてサミュエルズを撃ち、次はカイを殺すと言って去って行った事になっていた。
「全部嘘だわ」

カイはビバリーに裏切られたといい、ビバリーも対等だとウソをつかれたと言い合う。
「妹のウソを信じるならさっさと殺せばいい。
あんたを信じた私が大バカだった」

カイはすぐに殺すことはせず独房に入れさせた。

カイは仲間達に「忠誠」を強調した。
ピエロ軍団がマスクを外していく。
ゲイリー、アイビー、そして見慣れぬ警備隊が入っていた。

最後に、ビバリーが今まで着ていたピエロのマスクが1人残った。

「新しいメンバーを紹介しよう」

マスクを外すと、中に入っていたのはアリーだった――。


9話「本物の家族/Drink The Kool-Aid」へつづく


かんそう


さすがアメホラ!
いろいろ予測が外れ、物凄い展開になりました。

ジャッジメント・ハウスの悪趣味さといったら!
しかも牧師がリック・スプリングフィールドって何?w


気が付けば後残り3話! と言う事で展開も早いです。

まずは、ヴィンセント。
フェイス・アイコンのバッジのシーンから、カルトの黒幕なんじゃないかと読んでいたのですが、今回を見る限りまったく無関係でした。

カイが兄の職場を利用して、「恐怖」を持つ患者をターゲットにしていただけだったようです。

それにしても兄は、カイのカルト活動を止める以前に、両親の死体をどうにかした方がいいんじゃないでしょうかね……。
共犯っていうか、通報しなかったのは兄の案なのに。

その事が、ヴィンセントのサイコ感のイメージとして強かったのも、黒幕案に繋がったのですが、あっさり殺されて終わりました。

しかもアリーに売られるという、とんでもない裏切りw

そしてそのアリーは、なんとカルトの一員になるという!!
対立のイメージが強すぎて、そんな展開はまったく考えていませんでした!
やばい、超面白くなってきた! というかもともと面白いのに、更なる上を行くなんて。
カルト、やばいですw


アリーはやっぱり恐怖症を克服していたんですね。
しかも、カイのお陰でw
いわゆる荒療治ってやつでしょうけど、効きすぎでしょw

でも、これで真の救世主がアリーとして終わるという可能性が、ゼロではなくなってる!w
アリー最強説、どうなるのか楽しみw


サミュエルズは、最後まで空気のままで終りそう……って思い始めたら、今回あっさりお亡くなりになりましたw
少しだけ、サミュエルズ・ストーリーも明かされましたけど役者さん的にはもっとフォーカスされるのかな~と思いきや、さすがアメホラといった感じで、そういう物差しは通用しないのでした。


前回のビービーについては、今回はまるっとスルーでしたが、ちゃんとウィンターのセリフの中に「ヴィバリー」は登場していました。


これまでは、アリーVSカルトの対立というわかりやすいストーリーがありましたが、アリーを取りこんだ今、次はどんな展開になるのか。
いや、アリーが潜入しただけなのかも。

やっぱり、対立(女子VS男子)は続くでしょうね。
女子はアリーが味方になれば、かなりのパワーアップになりそうw

でもウィンターが、もっと早くカイを裏切るかと思いきや、意外に兄妹愛がしっかりしていいて手強さもある。
あのビバリーを売ったのにはびっくり。
自分を守る為とカイを(ビバリーから)守るという、一石二鳥ではあるんだけどね。

どちらにせよ、またしてもアリーがキーマンになりそう!
しばらくお休みのオズ君もそろそろ登場かな?

最強アリーの息子のオズ君が救世主って事にそろそろカイも気づく頃?w

そして気が付けばかなりのサバイバル状態。
次あたり、アリーに狙われてアイビーが危ない予感w


9話「本物の家族/Drink The Kool-Aid」へつづく

・シーズン7登場人物

7話「女の報復/Valerie Solanas Died For Your Sins: Scumbag」へ

(イラスト:Simoom、文:ジェーン洞)

アテンションプリーズ!!

当サイトは、ネタバレ全開しております。
また、あらすじ・感想等は主観に基づいた表現が含まれます事を、ご了承の上楽しんでいただけると幸いです。

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