【最終回】American Horror Story:Roanoke/アメリカン・ホラー・ストーリー:体験談 シーズン6 第10章【ロアノーク】

2017/10/03

Simoom アメリカンホラーストーリー アメリカンホラーストーリー:体験談 ジェーン洞 ホラー

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あらすじ


2017年7月24日~FOXジャパンで放送!(全10話)

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番組の性質上、不快な表現が含まれる場合があります。
ご観覧にはご注意ください。


「ロアノークの悪夢」アフターショー


2016年3月15日に開催された、テレビの祭典ペイリー・フェストのステージに「ロアノークの悪夢」シーズン1の関係者が集まった。


オードリー、ドミニク、モネ、アグネス、ディラン、ローリー、ウィリアム、アシュリー、デイブ・エルダーの出演陣に加え、シドニー、シェルビー、マット、リーも並んで大歓声を浴びていた。

シドニーは新しい構想がある、とシーズン2を仄めかしていた。
リーに共感したというブリストルはロンドンからプレゼントを持って駆けつけていた。


「シーズン2について」


動画サイトにシーズン2を見た熱狂的ファンの感想がUPされているが、その内容は否定的だった。
「芸術的なテーマを悪趣味に変えた。金儲け主義になってすべてが台無し」
配信者はそれでも、シーズン2が更に人気を増した事は認める。
未だに真偽の議論がSNS上でも止まらない。

ゴーストは嘘だったのか?
本当に人が死んだのか?

リーは裁判に掛けられているのだから、メイソンが死んだのは紛れもない事実だった。


「ロット・ポーク」


同じ動画サイトにひっそりとアップされている動画があった。
ロット・ポークの訴えだった。
「裁判所は役立たず。
ポーク家は正当な扱いを受けていない。
リーを法で裁かないなら俺がさばいてやる」
コカインを吸いながらカメラに向かって主張しているが、VIEWは15だけだった。


「crack'd(崩壊)」


「crack'd(崩壊)」というドキュメント番組でリーが取り上げられる。

リーは、裁判の結果、メイソンを含む全ての殺人が無罪になっていたのだった。

シーズン2で殺人シーンが放送された事から、その分の殺人の裁判を始めるが、ポーク家のマリファナから幻覚作業が確認された事と、ポーク家の拷問の映像が陪審に影響した。

あれだけの拷問を受けて、幻覚を見ていたら殺人も無自覚だろう、と。

リーをなんとしてでも捕えたい地方検事のマーク・フィリップスは、ならばとフローラを証言台に立たせてメイソン殺しで裁判を起こした。

だが、せっかくママがパパを殺す所を見たと証言したにもかかわらず、まだ子供のフローラは正直に「プリシラ」の存在を話してしまい、「家庭崩壊したせいでゴーストを信じる想像力豊かな女の子」という印象を与えてしまった。

リーの告白ビデオは、ポーク家の拷問を止めさせる為についた嘘と主張され、それを見た多感なフローラが母親を非難するあまりに妄想を現実だと思い込んだのだろう、と捉えられてしまった。
幽霊話しを証拠にして投獄は出来ない。

検事は、リー役を演じたモネよりもリーは大した役者だと、嫌味を言った。

しかし、リーは無罪を勝ち取る代わりにフローラを失っていた。


「ラナ・ウィンターズ・スペシャル」




リーを対談相手に迎えて、編集も検閲もない番組が生放送された。
「ラナ・ウィンターズ・スペシャル」。
ラナは、今回リーが相手ならば、と復帰を決めていた。
ラナもまた、リー同様に子供との関係に複雑な事情を持っていたのだった。

新聞記者時代に追っていたシリアル・キラー、ブラッディ・フェイスにレイプされて出来た息子を、後に殺していた。

ダイアン・ソイヤー、バーバラ・ウォルターズ等の名だたる司会者の番組を断り続けたリーがラナの番組なら、と引き受けていたのはそれが理由だった。

「異常な殺人犯にやられる前に殺したの。正当防衛よ」
とラナは自身の事を聞かれると一瞬動揺しながらも、冷静に答える。

「どの行動にも情状酌量すべき事情がある」
リーは、ラナを仲間でしょと言わんばかりに話し始める。
しかし、フローラに向けてメッセージを言った後ラナは、フローラの居場所をリーに確認した。

今、会っていないから会いたいというメッセージを発信したばかりなのに、引っ掛けか? とリーは警戒する。
実は、フローラは1時間前に祖父母から捜索願が出されていたのだった。
ラナはまたリーが誘拐したのではないか、と疑いにかかる。

それを聞いたリーは、慌てて立ち上がる。
こんな番組に出ている場合ではない。
フローラを捜さねば。

すると廊下で銃声が響いた。
ただでさえ番組続行で慌て出すスタジオ内で、突然スタッフが撃たれて倒れた。
ロットが銃を持って乱入していたのだった。

生放送中にリーへの復讐の為銃を向けた。

ラナは、勇敢にも間に入って説得を始めるが、よくしゃべる女だと、ロットに銃で殴り倒されてしまう。

立ちはだかるものがなくなったロットは、覚悟しな、とリーに銃を向けようとした時、射殺された。
瞬間、放送はカラーバーになった。


「スピリット・チェイサーズ」


11月18日放送のスピリット・チェイサーズ。
鑑賞における注意喚起が表示された後、ロアノークの悪夢のロケ現場である屋敷に潜入する回である事が発表される。


案内役は、ボブ・キナマンとデイブ・エルダー。
技術担当のトレイシー・ローガン。
そして、霊能者クリケット役をしたアシュリー・ギルバートがゲストに招かれていた。


番組放送以降、取材禁止となっている屋敷の外周には金網が張り巡らされていた。
許可を得るのではなく、勝手に金網をカットして侵入していく。
3人揃って呑気に「幽霊を捕まえよう」と笑顔を見せていた。

屋敷はその後観光地化していたようで、あちこちに落書きだらけで廃墟感を増していた。
万全の準備でブラッドムーンの夜を迎えると、昼間とのエネルギーの違いが明らかだった。

早速、4人をポルターガイストが襲うが、感じた気配は気のせいではなく暗闇の中からリーが出てきたのだった。

リーは、フローラを2週間探していたが見つからないので、ここに来るしかなかったと言った。

アシュリーが拾っていた古いボンネットに気づくと、リーはプリシラを見たという。

リーの登場に、お気楽に盛り上がる4人は、
「ゴーストは向こうからやってくる。
脳みそがあるなら逃げなさい」
とリーに怒鳴られてもお構いなしだった。

再び大きな音がすると、熱探知のカメラにチェンが写ったり、プリシラの声が録音されたりと、ゴースト達の活動が活発になって行く。

2階へ進むリーの後をボブが追うが、あっという間に見失ってしまった。

1階に残った3人は、肉眼では見えないが熱探知カメラで廊下の奥を誰かが横切るのを見る。
すると、すれ違って人間の体温を表示してリーが出てきた。
リーは2階に行ったはずだったが……。

「目の前にゴーストがいたぞ。気づかなかったか?」
すると、それを合図のように、3人の背後にピギーマンが現れる。
アシュリーは、番組さながらにクロアトアンと叫んで立ちはだかるが、あっさりと腹を切られる。

エディとトレイシーは慌てて逃げるが、逃げ込んだ部屋で天井から壁沿いに現れたチェンに、エディが襲われ連れ去られてしまう。

その頃、2階に居たボブはサイコ姉妹が歩くのを見て、さすがにヤバイと思い始める。
慌てて階下に逃げると、同じように逃げていたトレイシーと合流し一緒に外へ出た。

すると屋敷の前には、リーを追い掛けて報道やパトカーが数台到着していた。
助けてもらえると思った直後、トレイシーの姿がないのでボブが振り返ってみると、撮影のカメラのライトに照らされる中、トレイシーはブッチャーらしきゴーストに切りつけられていた。

そのあと、カメラマンも切られて倒れた。

慌てて警察に「危険だから車に戻れ」と声をかけながら走るボブ。

警官2名がフェンスの中に入ってきた時、ブラッド・ムーンが真っ赤になっていた。

そして3人共、どこからか飛んで来た矢に射ぬかれて倒れた。


フローラ


朝になっても、リー立てこもりのニュース中継は続いていた。

屋敷の中には、確かにフローラとリーが居た。
すでに夕日に変わっていた。

リーは一緒に暮らそうとフローラを説得していた。
しかし、例え父親殺しを許したとしても、フローラの気がかりはプリシラの存在で、置いてはいけないという。
ゴーストになれば一緒に居られる。
この屋敷を焼いて、ブッチャーから守りたいとまで言った。

リーは、そんなフローラの想いを聞いて考え直す。
一緒に暮らせなくても、娘には生きていて欲しいと願う母親の気持ちを。
そして自分が、その役をやると決心する。

プリシラには母親が必要だから、ちょうど良くもある。
その代り、フローラは生きておばあちゃん達と一緒に暮らす。
ブラッド・ムーンじゃない時に会いに来ればいい。

するとフローラはリーの背後を見て「どう思う?」と言った。
そこにはプリシラが居た。


結末



夜になり、屋敷から煙が上がる。

狙撃隊が屋敷に近づくとガス漏れだと叫んで、すぐに爆発が起きた。
そして、時屋敷の中からフローラが歩いて出てきた。

リーは屋敷の中でプリシラに銃を持たせて命を絶った。

パトカーに乗せられたフローラはゴーストとなったリーとプリシラが並んでいるのを見て手を振り合って森を出て行った。


大爆発の後、燃える屋敷を取り巻く警察や報道陣。
その頭上ではブラッド・ムーンが赤くなり、遠くから複数のたいまつが近づいていた。



おわり


かんそう


最終回でした。何をどう書いたらいいのか凄い悩む!!


まず驚いたのは、サラ・ポールセン演じるラナ・ウィンターズ。
シーズン2の「精神科病棟(Asylum)」で登場していたキャラが約3年ぶりに再登場!



アサイラムでの設定そのままの息子殺しという事情を抱えている所を、リーに気に入られたようでした。

これは、過去のキャラがそのままの設定で登場するという、アメホラという同シリーズでありながらも、どこかワープしてくるようなパラレル感があったり、これによって「この世界は皆繋がってるんだな~」って感じられたり。
不思議で楽しい演出なのですが、今回に限ってはそれそのものが、大いなる「惑わし」ですから頭がこんがらがりました。

私にとっては爆弾を投入されたような感じ。


というのも、最終回の今回にそもそも期待していたのは完全な種明かしでした。

言い換えれば、「メディアなんて全部作り物に決まってんじゃん」みたいな付き離しを用意しているのではないか、という期待をしていたんですね。
ダイエットのビフォー・アフターが実は逆発注して集めたエキストラだったり、とか。
(痩せたい人を集めるのではなく、ここから太っても良い人を集めて、CMではこれだけ痩せましたーと見せる、みたいな)

そういう、どこかピュアな視聴者を嘲笑うのも、アメホラらしいような気がしていたんです。

ところが、結局最後は謎のまま、というかゴーストは存在するという描き方で終っています。

それはそれで、ロマンがありますから問題はありません。
気になるのは回答そのものではなく、その用意された答えを素直に認められない「ノイズ」が存在が気になるからです。

まず1つはラナの存在。
オードリーと同じサラが演じているのがややこしいです。
これは見てる人に、「一体どういう世界なの?」と疑問を持たせてしまいます。


2つ目は、ロットが野放しな事。
今回はシーズン2も放送し終わった世界になっていますが、なのにロットは警察に捕まっていません。
それどころかSNSにアップした動画で殺人予告のような事をしているのに、視聴数は15人。
それもまたリアリティあるような気もしますが、人気番組で注目を受けた存在とは思えません。


3つ目、スピリット・チェイサーでトレイシーが殺される時、しっかりカメラがついていた事。
報道陣は集まっていましたから、カメラがいる事自体はおかしくはないのですが、それにしても慌てて駆け込んで来たトレイシーがしっかりブッチャーに襲われるカットを押さえるというのは、出来過ぎなような気がしました。
またライトに照らされるブッチャーもなんか、ねw ゴーストっぽさ皆無みたいなw


他にも、いろいろあるのですが、そもそもシーズン2があれだけ死者が出たのにモザイクも無しで放送されるってのも不自然。
だいたい役者が死んでいるのですから、その後の取り扱い番組でその事が大々的に取り上げられても良さそうだけど、そこは完全カットなのかスルーしてるのが紛らわしい!


そしてデイブ・エルダーの存在。
ペイリー・フェストのステージの端っこに、眼鏡とヒゲの男の人がいるんですけど、これデイブだと思うんですよね。

デイブはこれまで番組に登場していませんでした。
後に、スピリット・チェイサーというお化けバラエティ番組の案内役だと判明します。
何故、シーズン1のイベントに出演していたんでしょう?


あと家の録画状態が悪かったのか、本当にノイズが入る瞬間に2回気づきましたw
ロットの動画中と、最後にフローラがプリシラに話しかける前です。
一瞬画像が乱れるんです。

単なる録画ミスだったらはずいんですけどね!!
何か「編集」を感じさせるサインのようにも思えます。


と、ゴーストのいる世界だとしても、いろいろ創られた部分との境界がはっきりしなくて、混乱させられたまま終わってしまいました。

なので、スッキリ感はないのですが、だからといって決して「つまらなかった」訳ではありません!

やっぱり「ロアノーク/体験談」は凄い作品だと思いました。

特に、今回気づかされたのは、もしかしたらいわゆるドラマ・パートがほとんど存在していないのではないか、という事です。

すべてが、「誰かが撮影して公開された映像」のパッチワーク。
ってドラマってそういうものですけど、ドラマの中でちゃんと説明のつく映像になっているって事です。

「番組」であるのはもちろん、「SNS」「警察の録画」「監視カメラ」等々。
これまでは、1本まるまる「ロアノークの悪夢」という体裁を取っていたので、あまり気にならなかったのですが、この最終回では「ファン・イベントの映像」「SNS動画」「ドキュメント番組」「対談番組」「お化けバラエティ番組」そして「ニュース中継」と、繰り広げられるドラマはメディアをリレーして行っていることが、はっきりとわかります。

番組終了後は、ありとあらゆる手を使ってそうしたデータのパッチワークをしていたのかもしれません。

それだけでも、凄い!!

でもそんな中、最後にフローラとリーが屋敷にいるシーンだけは、そういった「撮影している」設定が存在していないんですよね。
屋敷の中に監視カメラが仕掛けられていたとしても、最後に燃えてしまいましたから回収は不可能。

それに、最後のカットもそうですね。
明らかに中継のニュース映像と思うのは不自然な画角にたいまつを持つ人間が入っています。


最後、結末を伝えるシーンだけが、フィクションのドラマ的に撮影されているんです。

と言う事は、これらを丸っと抱え込む「番組」という存在が実はあるのかも……なんてw

あくまでもフィクションである「アメホラ」という枠の中での設定としての「フィクション」と「ノンフィクション」にこんなにも振り回されるなんて!!
そして、あれこれ深読みして踊らされているのが気持ち良いですw


この作品そのものがポーク家の見せる、幻覚作用なんじゃないかと思いました。


アメホラという枠の中でも、それぞれに魅力があるのでこれを1番とも簡単には言えないのですが、私はかなりハマリました!

怖さ以上に、驚きと感心が多いシーズンでした。

最後に。
ずっと書こう書こうと思って、毎回忘れていましたが、オードリーの服がサラ本人の私服ようでオシャレで好きなセンスでした。ちょっとレトロちっくなヴィンテージ風のドレスがお気に入りのようです。

ファン・イベントでは、シェルビーの方がオードリーに影響されたのか似たようなドレス・スタイルになっててウケましたw ダサかったのにww


まだまだ書き足りていないかもしれないけど、キリがないのでこれにて!


登場人物はこちら

前回はこちら


アメリカン・ホラー・ストーリー:カルト/American Horror Story: Cult シーズン7
第1話はこちら

(ストーリーは繋がっていません)


(イラスト:Simoom、文:ジェーン洞)


アテンションプリーズ!!

当サイトは、ネタバレ全開しております。
また、あらすじ・感想等は主観に基づいた表現が含まれます事を、ご了承の上楽しんでいただけると幸いです。

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