あらすじ
出会い
5年前。エリサは、プライベートジェットの客だったターナーと出会う。
フレッドとルシアがいながらターナーと不倫関係になり、子供(ジョージ)を授かった。
PJの客室乗務員という仕事は浮気するにも都合が良かった。
PJの客室乗務員という仕事は浮気するにも都合が良かった。
ターナーは、生まれてくるジョージの父親になることを楽しみにしている。
「あなたといたいけどフレッドとルシアを傷つけたくない。ルシアには父親が必要」
「君に父親は必要ないの?」
エリサの父親は余命半年と言われている。
ターナーに聞かれるとエリサは自分の幼少期は異常だったと詳細を伏せて語った。
ターナーは、故郷に積極的に帰ろうとしないエリサの背中を押す。
「ルシアを連れて一緒に行こう。僕が君を支えるから」
帰郷
結局、妊娠中のエリサは娘と愛人(ターナー)を連れてエイトンに帰った。
両親は3人を歓迎するが、エリサは実家でくつろぐ態度とは言えず、特に父親と距離を置いていた。ターナーはそんな緊張感をほぐそうと穏やかに交流をする。
大人だけでテーブルを囲んでいると父親が席を立った。
それだけでエリサは何かに怯えるように後を追う。
父親は疲れて昼寝していたルシアの寝顔を見ていたが、それをエリサが異様に嫌がってルシアを叩き起こして部屋から出した。
すると、これまでとは態度を改める、と父親は謝罪をする。
「あなたの死期が近いことを確かめに来た。もう二度と会わない」
頼むといって父親がエリサに近づく。エリサが思わず父親を突き飛ばすと、父親は階段の下に落ちて行った。
現在(エリサとセルマ)
エリサとセルマはPJでフランスに向かった。
機内でセルマが約束だから話を聞かせてと言うと、エリサはまずセルマの見解を聞いた。
「あなたもマーカスの車に同乗してた。なのになぜかそのことを黙秘している」
エリサはそれには触れず、「私はニナを見つけてルシアを取り戻す」と言った。
「あなたの力を使ってね。手伝ってくれるなら話すわ」
セルマはまずジョセフィンの手がかりを探した。
その頃フレッドは、エリサのパスポートが消えていることに気づき、刑事に連絡をする。
PJの記録からセルマが一緒なこともすぐにわかった。
まだジョセフィンの手がかりを見つけていないセルマに上司から連絡が入る。
警察の指示で会社のIT係がセルマのメールをチェックして、何をしているか突き止めた。
「警察に連絡をして手引け」
「手伝えば訴えを取り下げてもらえるかと」
「そう円満に行くか。失業どころの騒ぎじゃない。僕や会社のためでもない。9歳の少女の命を危険にさらすな。切ったら警察に連絡しろ」
上司の言うことは何も間違ってはいない。
セルマがエリサに説明すると、エリサは私には借りがあるでしょ、と警察に連絡させなかった。
セルマは言う通りにするしかなく、ジョセフィンがいそうな学校を片っ端から当たることにした。
一件目の学校で、個人情報は明かせないと協力を断られるが、レベッカの写真が出回ったことを知って頭を抱えたエリサを見て、「潜伏してるならホームスクールかも」とアドバイスをもらう。
「ホームスクールなら役所で調べられるよ」
レベッカ
偽パスポートを取りに行くとジョアオは留守だった。
車の中で待っていると、スマホの通知に気づく。
事件の新たな容疑者として裁判の時の自分の写真が拡散されていた。
焦ってマンションのジョアオを知る住民に金を払い、ジョアオの居場所を教えてもらうとジョアオは食事で外出していただけだった。
パスポートは約束通りできていた。
金を渡すと遠くからパトカーの音が聞こえる。
レベッカは慌ててマンションを出た。
自動車事故
5年前、レベッカは娘2人と夫が運転する車に乗っていた。
だが途中でジョゼフィンが気持ち悪くなり車を止める。
レベッカとジョセフィンだけが車を降りて、道端に出ていた。
後を向いていると突然背後でスリップ音と追突する音がした。
驚いて振り向くと、夫ともう一人の娘が乗っていた車が追突され、派手に横転している。
そしてレベッカが見てる目の前で、追突した車は去って行った。
居場所
役所の情報からエリサはレベッカの家を突き止めた。
役所から約1時間の街の外れ。
向かう前にセルマが危険だから警察に連絡すると言う。
エリサはわかったと言いながらも、電話をかけるセルマを置いて車を走らせた。
ルシア
レベッカの留守に、ルシアは以前見たクローゼットに隠してある金庫を開けていた。
そこで、母斑のない同じ赤ん坊の写真があるのを見てしまう。
慌てて金庫を戻すと、そのまま逃げるつもりで家の外に出た。そして井戸の中を調べると布に包まれた遺体を見つける。
その時、アントンと森の中で会い、ルシアは助けを求めた。
ちょうどそこへレベッカが戻ってきた。
アントンも井戸の中の遺体を見て、通報しようとレベッカの家に来ていた。
レベッカはわざとらしく、ハイカーでも落ちたのかしらと驚いたが、ルシアを抱き寄せる。
「本当のママじゃないって言ってるけど? その子は家で預からせてくれ」
「娘を赤の他人に預けるなんてとんでもない」
レベッカを前にルシアは何も言えず、アントンは引き下がるしかなかった。
だがルシアはすぐにまた家を飛び出して行った。
気づいたジョセフィンがレベッカに伝えてすぐに追いかける。
対峙
直後、エリサがレベッカの家に到着した。
家の中は、ちょうど誰もいなくなった後だった。
エリサは床に、血を拭いた跡を見つける。
庭のドアを出ると水路があり、その先を見上げた。すると少女が横切るのが見えた。
「待って!」
呼び止めながら追いかけるとそれはジョセフィンだった。
そしてジョセフィンを待っていたレベッカと対峙する。
「車に乗ってなさい」
「ルシアは? 娘に何が?」
「遅かったわね。彼女はもういない」
エリサには見たばかりの血の床のイメージがある。その言葉はルシアの死の宣告だった。
「何があったの!?」
「あなたに教える義理はない。あなたは私から何もかも奪った」
レベッカがにじり寄る。
「あれは! 事故だった……。あなたのしたことは犯罪よ!」
「事故!? あなたは逃げたのに!? 2人とも逃げてウソをついたのに!」
ウソつきと言いながら掴みかかるが、エリサに突き返される。
そしてエリサはつぶやく。
「私が殺したの!!」
真相
あの日、運転していたのはエリサだった。
父親を突き飛ばした後、慌てて車に乗り込んでエイトンを出ていた。その途中の事故だった。
真実を知ったレベッカは嗚咽した。想像以上にエリサは罪を犯している。
車を出すように言ったのはターナーだった。
言われてエリサは車を走らせていた。
「あなたは私の人生をめちゃくちゃにした」
レベッカが言うと、エリサも「私もあなたにされた」と言う。だがレベッカには同じではない。
「何言ってんの。あなたはささやかで完璧な人生に戻ったじゃない」
「私の人生を聞きたい?」
さらに、誰にも言っていなかった秘密をレベッカに言う。
エリサがルシアの年齢の頃から、父親に性的虐待を受けていたことを。
母親は父を庇って見て見ぬふりをしていた。
だからあの日、ルシアに近づく父親を過剰に警戒し、突き飛ばして逃げていた。
その告白にはレベッカも何も言えなかった。
「ルシアを助けることで頭がいっぱいで車が見えなかったの」
そして地面に座り込んで懇願する。
「お願い。ルシアの遺体はどこにあるの? ちゃんと家に連れて帰りたい」
レベッカはルシアが生きていることをエリサに教えた。
「生きてるわ。逃げてとこかに隠れてる」
エリサはすぐに走って大声を出してルシアを捜した。
そして森の中で隠れていたルシアを見つけた。
レベッカとジョセフィンは車で移動していた。
「ルルは?」
「別の家族の元に戻ったの。これからは2人よ」
寂しそうなジョセフィンをレベッカは笑って励ました。
12週間後
セルマはフリーになっていた。
ニナは完全に消息を絶っている。
エリサはひき逃げの真犯人として裁判を受けていた。
フレッドもすべてを知り、それでもジョージの父親だとエリサを弁護した。
だがエリサは判決をありのまま受け入れるつもりだった。
6年の禁固が下された。
フレッドとルシアとジョージは、ミニゴルフ場にいた。
「ママが戻ってきたらまたここで遊べる?」
「ああ、お前がそうしたいなら」
おわり
かんそう
エリサの父親アレかなぁっていう感じはしたので、最後の告白に驚きはなかったですけど、同じ女性としてレベッカには響いていたようです。
レベッカの反応には納得できるようなできないような、なんか不幸ジャンケンで後出しされたようなほんの少しスッキリしない後味は残りました。
でも全体的な印象は良かったです。
コンパクトにテンポよく、でもいい塩梅に真実が隠されていてそれがすべてをややこしくする謎として機能していたと思います。
ただ、そんな謎や事件性よりも何が気になるって「ウーマンパワーすご」な所で、ほぼ女性だけのドラマ?
ミステリーサスペンスというよりも、恋愛サスペンスってくらいエリサが無駄に?もてもてなのは正直最後まで違和感ではありましたw
申し訳ないけどエリサが男の人生を狂わすファムファタルには見えなくてw
あと細かいことを言えば、エリサのキャラというか背景にはセルマじゃないけど、「なんかおかしい」って違和感があります。
特殊な過去、トラウマがあるのになんでルシアを実家に連れて行く?
そこが心配なんだからその時はルシアを預けて行かないかな? とか。
エリサの虐待を匂わせるためにはルシアの存在が必要だから、シナリオ優先しているように、ドラマとして成立させる、という意味で気になる点はちらほら感じられたんですけど、まあそんな細かいことは置いておいて、って好意的に見られました。
個人的に納得できたのは、最後にエリサは罪を償って、レベッカはそのまま逃亡しているという終わり方でした。まさに終わりよければすべて良し!
素の状態だと同情を集めて主役になれるのはレベッカなんですけど、しっかりエリサの物語にしている。
言い方を変えると作り手がエリサ派だったわけですけど、それが作中でも妙にエリサがもてるところにも表れていて、作者がエリサなんじゃね? って思えるくらいのエリサひいきなんですけど、そんな偏りがこの物語の個性でもあって、面白かったです!
にしても、一番同情したのはターナーです。
金持ちで、イケメンで子持ちで不倫になるエリサを相手にせずともいいだろうにっていう。
どのみち同乗罪はあったにせよ、何年罪を償ったところでエリサはフレッドと自分の息子とキラキラ生活送ってるんですよ……。覚悟の上の不倫にしては、代償のバランスがおかしすぎる。(だからこそ最後にエリサが罪を認めてバランス調整してるわけですけど、でもあくまでそれもターナーのためではなくエリサ自身のためですからね……)
あとふつーに故郷に不倫相手と一緒に帰るっていうセンスは理解できない。
セルマの「エリサは(生まれが特殊だから)自分がおかしいことにも気づいてない」
みたいなセリフがありましたけど、あれってやっぱりナビ的な役目をしていたんだなぁって最後まで見て理解できました。
そしてその一言が、エリサのキャラへの違和感をも「そーゆーことなんで」って説明されているみたいで、とにかく用意周到なデキる雰囲気がありましたw
最初は出落ちというかあるあるかな? という期待値の低さから見られたことも良かったのかもしれませんが、見終わって見るとただのミステリーを見たのとは違う、後味が残っていました。主に登場する3人の女性、誰にも共感できないけど3人がそれぞれの強さを持ってて、女性だけのドラマ、みたいな。
大した意味はないんでしょうけど、誘拐されて大変な目に遭うルシアは姉で、弟のジョージはまだ小さいこともあって事件にもほぼノータッチでのほほんと遊んで暮らしている。
しかもルシアは勇敢だったり賢い面を見せるシーンがありました。
そういえばセルマの上司(男性)も、セルマとの対比として歯車の一つで上司の顔色をうかがって~ってパッとしないキャラでした。
ターナーとフレッドは、もうがんばれ!! ってむしろ応援したくなるw
このドラマに感じる不思議な後味って、誘拐事件ドラマという皮は被ってますけど、なんだか女性上位な? 思想の強さを感じるからかも。
(ジェーン洞/海外ドラマクイーンズ)
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