あらすじ
ルゼックが夜、マケイラのぬいぐるみを買いにモールへ行くと偶然、ドクロのマスクを被った武装強盗に出くわす。
そこへ巡査部長のヒルが加わり、一緒にモール内を追うが外へ出た所で、一般市民を巻沿いにするから追うな! とヒルが足を止める。
ところがルゼックはその指示を無視して追い続けると、犯人の車が女性を撥ねて逃走していった。
ルゼックはそれでも自分がした行動には間違いはないと思っていた。
犯人は白人2人と運転手の3人だった。車は盗難車。
そこへ担当だというサル・オルティス刑事がやってきて、一緒に捜査をすることになる。
バージェスが聞いたことある名前だとルゼックに告げると、伝説の刑事だった。
ルゼックは子供のころから知っていて尊敬していた。
「親父とは正反対だ」
ルゼックは、新しい追跡指令に基づい命令を無視した件で、内務調査に呼び出される。
事件概要
オルティス刑事がオフィスで説明をした。
容疑者は3人。手口から今回が4回目だが、死者が出たのは初めてだった。
狙うのは主に高級時計などの高級品。
盗品がネットで売られているのは確認している。
毎回盗難車を使い、使用後は解体業者へ。
だが今回は慌てていたのか、ピルゼンで車が発見されていた。
運転手
盗難車の指紋から運転手がポール・ランバートだと判明した。
暴行歴があった。
住所不定。毎回強盗の後にティモシー・スカイルズという質屋の店主に電話をかけている。
過去に盗品を売って営業停止になっている質屋だった。スカイルズの店を監視すると店からバッグを持ってスカイルズが出てきたので尾行をする。
オルティス刑事と車で向かっていたルゼックは車中で、引退すると打ち明けられる。
オルティス刑事の妻は闘病中だった。
ルゼックとは軽口を言い合える仲で、しんみりすることはなく二人で笑いあった。
スカイルズが向かったのは廃工場だった。そこが取引の場らしく、ランバートも車でやってきた。
現場を押さえようと廃工場に乗り込む。
ルゼックとオルティスはランバートを追うと、反撃を受ける。
途中、気が付くとオルティスの姿がなく無線にも応答しない。ルゼックは一人でランバートを追い、自衛のために撃った弾でランバートは死んでいた。
後からやってきたオルティスは、ランバートを見た気がして組み立て室に行っていた、とはぐれた理由を伝えた。
捕まえたスカイルズは、時計を売りたいと言われただけだ、とシラを切って弁護士を呼んだ。
手がかり
ランバートが所持していた乗車カードから、駅前の防犯カメラに2人の男と待ち合わせしている様子が見つかった。
この翌日、最初の強盗が起きている。
男たちは、武装強盗での逮捕歴があるニコラス・クインと弟のジェームズで、ランバートと二コラスはムショで知り合っていた。
犯人に間違いないが、まだ証拠がない。
そこへ通報が入り、また宝石店で強盗が起きる。
現場から逃げるドクロマスクの二人をルゼックとオルティスが追った。
だが裏道から大通りに出ると、オルティスは追跡中止を命令する。
今度はルゼックはその命令に従うが、すると目の前で一般市民が被弾を受けて車から引きずり降ろされしまう。
被害は5万ドルの時計、4つ。
顔は相変わらず不明だが、指紋が残されていた。
車を盗まれた男性は病院で死亡していた。
ルゼックはやり場のない怒りをオルティスにぶつける。
「追っても追わなくても悲惨なことに。追跡をやめたせいで一人の娘の父親が亡くなった! どうすれば……!!」
オルティスは大人の対応でルゼックを前向きにさせた。
「犯人を捕まえてとことん飲もう!」
結局、指紋は採取できず手がかりはなかったが、盗難車を乗り捨てた経緯から隠れ家らしき場所を突き止める。
近くのピザ店の防犯カメラを見せてもらい、家に出入りする姿を確認する。
その家を調べると、アリアナ・パパスという名義になっているが、ランバートの姉の名前だった。
令状を取って突入するも、中は無人だった。まるでわかっていたかのように、隠し場所だろう場所を調べても盗品はなかった。
家を発見してから1時間も経っておらず、監視もあった中の出来事に全員が首を傾げる。
問題
そんな中、バージェスがルゼックを呼び出した。
「問題が起きた」と言って見せた映像はピザ屋の防犯カメラの映像だった。
そこには車に懐中電灯を取りに戻っていたオルティスの姿が映っている。
「彼が地下に行くのを見たの。なのに報告では台所に行ったとしか言わず嘘をついた。彼がくすねたのよ。時計を」
ルゼックはありえないと呆れる。嘘ではなく言い間違いで、優秀な警官だ、と。
「奥さんが闘病中で大変なんだ」
「治療費は保険の適用外みたい」
実はバージェスがオルティスの名前に聞き覚えがあったのは、伝説の刑事だからではなかったこともわかっていた。
「彼は殺人犯を不当に逮捕したと訴えられたの。賠償金は70万ドル」
金には元から困っている。
懐中電灯を取りに行ったのはカメラに映る事への言い訳ができるからだろう。
ルゼックはオルティスへの信頼から鵜呑みにできず、今追うべきはオルティス刑事じゃないと言って去った。
審査委員会
ルゼックは嫌なことを済ませようと、ランバートに発砲した件で審査委員会の呼び出しを受ける。
当時の状況確認で、オルティスが「組み立て室にいた」という話をすると「そこは施錠されていて誰も入れない」と指摘を受ける。
ルゼックはあわてて、必死だったから思い違いかも、と誤魔化すがオルティスへの不信が固まった。
結果は問題なしだった。
バージェスに報告しつつ、信じなくてごめんと伝え、ボイトに話してしかるべき処理をすることにした。
オルティス
ルゼックがオルティスの自宅を訪ねると、酔って荒れた様子で出て行ったきり連絡がつかない状態になっていた。するとオルティスの車が料金所のカメラで発見された。
その付近にある情報屋は元故買人だった。
情報屋の家に突入すると、オルティスが時計を売ろうとしているところだった。
オルティスはボイトたちに銃を向けるが、盗品は証拠品にしてオルティスは無関係にするとボイトが説得して銃を下ろさせた。
「後は僕らに任せて休暇を取って奥さんの世話に専念してくれ」
ルゼックもオルティスを責めなかった。
ボイトが銃を預かり、ルゼックがオルティスを家の前まで送る。
ところがそこにパトカーが到着する。
「あなたと同じように僕らも嘘を」
ルゼックは信頼し尊敬していた相手に裏切られた怒りをぶつける。
「僕が銃撃されていた時どこにいた? 僕を見殺しにしたんだ。あなたに同僚や市民を守る気なんてない」
「違う、また訴えられないため、仕方なかったんだ」
するとオルティスは家の中に戻らせてくれ、とるぜっくに頼んだ。
「俺が死ねば、妻を救える」
だがルゼックは認めなかった。
オルティスは逮捕された。
証拠の時計からクイン兄弟の指紋が検出され、兄弟を拘束した。
かんそう
PD節としか言いようのない、重いストーリーでした。
正直、誰に向けているんだろう? って思うことがあるんですよね。Dウルフの救いのない系の回。
特にSVUに多かったんですが、そのスタイルはPDにもフィットして、むしろ最近ではPDで発揮されているような印象もありますね。(といっても放送時期がオリジナルではないのであくまで個人的な印象ですが)
実はオルティス刑事がやってきて、ルゼックと親しい時点で「今回はこれか」ってなったんですけど、でも私の読みは外れることも多いのでそう思いながらもそんなわけないか、とも思っていたんですが、廃工場で無線が通じなかった時点で確信しちゃいました。
そんなことある? みたいな。
信頼していた人からの裏切りってきついですよね。
しかもオルティスにも事情がある。
奥さんの闘病でお金がかかるだけではなく、本人が仕事でミスをしていて損害賠償を払わなくてはいけなくなっていた。
それを最初にルゼックに言えたら。
最近のルール強化とオルティスの事情が組み合わさって、オルティスは現場での行動そのものに怯えてしまっていたんですね。
だからルゼックを見殺しにしたくてしたわけじゃなくて、でも結果的にはそうで。
そして自分を守った挙句、証拠品を盗むということまでしてしまうという。
最後、オルティスを騙して捕まえてしまったことも、スッキリしないんですよね。
でもそういう綺麗事だけではない、というリアルさがPDの味でもあると思っています。
たださらにPDならではなのが、そこに身内びいきが発生して稀に全力でかばう、という独自ルールが発揮されることもあるので、そのパターンも大好きです!
オルティスはファミリーじゃなかったからしっかり裁かれるんだなw とも思いました。
そして今回もルゼック回だから、という理由はありますが、バージェスが活躍していました。ほんとバージェス、スタッフ?に好かれてるんだろうな~! 私も好きですが!
2 件のコメント:
つらい内容でした。
妻が闘病中で引退を仄めかした時に、サルはこの事件で亡くなるのだと思ったのですが、現実はもっとつらかった。視聴者として見ていると、サルの不自然さがわかるのですが、彼を崇め慕うアダムには難しかったのでしょう。
市民を巻き込むな、犯人を追跡するな、は考えると悪者は野放しなわけで、市民は安心して買い物もできないですね。
アメリカは市民が警察の動きをスマホに収めるために、警察自体が本来の働きができない傾向にあると最近聞きました。万引きなどは野放しらしいです。
サルもアダムもそんな在り方に疑問を持っていて、そこまでは同じだったのに、サルの事情が彼を違うサイドに
追いやった気がします。
アダムは昔から見ると、すごく成長した。警察一家らしい誇りも備わっていて、一段と素敵になりました。キムもいい働き。彼を支えていて、この二人はいいカップルだなあと思います。
この手のドラマで恩師が出てくると高確率で「汚職」してるっていう先入観がありますね~
でも今回はそうせざるを得ない理由があってそれも含めてルゼックには疑いが生まれなかったんでしょうね。
バージェスはルゼックと親しい関係だからこそ、客観視して言いにくいことを伝える悪役を買ってでるところが本当に強いと思いました
ルゼック自信も成長していますが、バージェスとの出会いによるものも多く感じます!
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