あらすじ
Michael Parmelee/NBC | 2018 NBCUniversal Media, LLC
2018年4月12日(水)22:00~ FOX 日本初放送 (全24話)
(アメリカ放送 2017年9月27日~)
・【登場人物】
少女失踪事件
ゾーイ・ベルカンプという少女がレックセンターから失踪していた。
母親が迎えに来ても姿を現さなかった。
友人のリリーとリサは、センターの前でバスを降りた時に見たのが最後だと言った。
2人は「1日命令を聞く」遊びをやっていて、ゾーイにレンタル自転車の前にいた男にキスをするよう命令していた。
その男に連れ去られたのかもしれないと、レンタル自転車の履歴から男の家を訪ねた。
ギドゥマルは、キスされた事を認めた。
だが、その後ゾーイも友達と一緒に施設の中に入って行ったと言った。
友人の嘘
ゾーイが、まだ施設内にいる可能性がある為徹底的に捜索した。
すると体育館の奥でゾーイが倒れているのをオリビアが見つけた。
周囲には靴やウエアが残されており、ゾーイは下着姿で気を失っていた。
友人2人を追及すると嘘をついていた事を認めた。
遊んでいたのはネットで見た「赤いオウム」。
丸一日、友人の命令に従うゲームで、2人は交代で命令を受けていて今日が最後のゾーイの日だった。
その最後の命令が、下着姿で体育館を一周だった。
ゾーイのウエアを投げ捨てた後、2人は逃げていたという。
だから、ゾーイが落下していた事は知らなかった。
叱られるから黙っていた。
Michael Parmelee/NBC | 2018 NBCUniversal Media, LLC
ゾーイ
その後、ゾーイは病院で亡くなった。
頭部への衝撃による脳浮腫が原因で、手術中だった。
発見のタイミングが早かったとしても、差はないと担当医のフランチェラ医師は言った。
監察医も事故死と言うだろう。
事件を聞いたストーンは、被害者には気の毒だが逮捕を見送る決断をしていた。
あくまで事故で、12歳の子供のウソを罪には問えない。
オリビアとフィンは、病院で両親に会っていた。
すると母親が、ゾーイが持つ母親の形見の指輪を引き取りたいと言い出した。
指輪と取る為にゾーイの遺体のシーツを捲ると、ゾーイの胸元に傷があるのを見つけた。
ゾーイの手術は頭部のはずなのに、何故?
フランチェラ医師
ゾーイの傷の理由を、フランチェラ医師に聞いた。
すると勝手に、臓器を摘出していた事が分かった。
両親の署名は貰っていない。
しかも心臓は、今すぐヘリでバッファローに移送する所だといった。
オリビアはすぐにヘリポートへ行き、心臓を取り戻した。
重病の少年が待っていると言われるが、両親の許可を確認する。
「少年の命を救うチャンスよ」
父親は許可しそうな雰囲気になるが、母親が認めなかった。
するとパイロットが罪を被ると言い出した。少年は3年も心臓を待っていた。
「自分の子供だったら?」
フィンも、目をつぶろうと言い出すが、オリビアはあくまでもルールに従った。
フランチェラ医師は、悪法だとはっきりと言った。
「人命のために法律を曲げたことは?」
オリビアは、それでも法律に委ねるという立場を貫いた。
だが、それが本当に正しい判断だったのか自信はなかった。
常習犯
フランチュラ医師が関わった臓器移植を調べると、31組もの同意書のサイン偽造が見つかった。
ゾーイが初めてではなかったのだ。
フランチュラ医師を文書偽造で起訴する事にした。
Michael Parmelee/NBC | 2018 NBCUniversal Media, LLC
フランチュラ医師を調べると、文書偽造以外には怪しい点は見つからなかった。
すべて無償でやっていて、多額の寄付もしていた。
それでも、世間の反応次第では10年は出て来られないだろう。
SVUの中でも意見は割れた。
人助けをしているだけなのに、そこまでする必要があるのか?
子供の親よりも医師の意見が尊重されるの?
脳死とはいえ死亡には変わりない。
……等々。
ストーンは、同意を得ない臓器摘出は重罪に当たるという姿勢をはっきりと見せた。
Michael Parmelee/NBC | 2018 NBCUniversal Media, LLC
裁判
心臓移植を受けるはずだった少年、ハリー・ロネガンが証言台に上がった。
ハリーはHCM、肥大型心筋症だった。心臓の筋肉が厚くて機能せず、移植しなければ死ぬ。
父親はハリーを見て、起訴を取り下げようと言い出した。
心臓を譲るべきだった。
そしてハリー親子に声を掛け、許しを得た。
だが母親は、納得できなかった。
フランチュラ医師は、病院の方針には従っていないとはっきり証言した。
子供の手術中の両親は、臓器提供に同意しづらい状態。
だから両親が明確に提供を拒んだ時を除き、同意を得られる前提で手続きを進めている。
欧州では20か国以上で合法だと主張した。
アメリカの事は、臓器提供の暗黒時代だと言った。
未記入の同意書には記入して手続きをすることも、隠さなかった。
「遺族の人生最悪の瞬間に、依頼する事はできません。残酷です」
過去の31人は、移植後全員が健康に生活していた。
Michael Parmelee/NBC | 2018 NBCUniversal Media, LLC
オリビアは、ますます自分の判断が誤っていたように感じているとストーンに打ち明けた。
だがストーンは、オリビアを正しいと言った。
実は、父親の死の直前、病院に居たものの席を外している間に父親を亡くしていたのだった。
「ただでさえつらいのに、医師が勝手に臓器を摘出していたらもっとつらい」
ストーンは遺族の立場を保っていた。
ストーンは、フランチュラ医師が金銭を得ておらず、寄付をしている事を怪しんだ。
資金洗浄をしているのかもしれない。
寄付を詳しく調べて分かった事は、フランチュラ医師もかつて自分の子供を心臓病で亡くしていたと言う事だった。
寄付は息子の名前でされていた。
小児外科医になったきっかけも息子の死だった。
だが、法を破った勝手な移植は人道的理由だと言った。
では、手術で脳死になったのが自分の息子なら?
心臓を抜きますか? とストーンが追及するとフランチュラ医師は黙ってしまった。
ストーンは最後に陪審員に訴えた。
「弁護人は結果を盾に正当化しています。
被告は遺族のみならず、皆さんの決断力をも軽視した。
単なる違法行為ではない。
価値観を押し付けた。
彼女は神を気取っていたのです」
評決は、32件の第2級文書偽造罪、すべて有罪。
ストーンは、フランチュラ医師は見せしめとして禁錮刑にするつもりだった。
オリビアはそれには反対した。
「医師免許の剥奪は、彼女には厳しすぎる」
「情に流されたくない」
その時、ロリンズが報告した。
ハリーが死んだ事を。
16話「ピエロの仮面/Send In The Clowns」へつづく
かんそう
これぞSVUといった感じの重さと、何ともいえない余韻。
最初は、少女虐待系? と思わせて、イジメ? とビビったら、単なる事故という。
この始まりだけでも、ドキドキするのに、メインのテーマは臓器移植だったという。
オリビアもかなり揺れていましたが、今回のテーマは本当に難しい!
許可なしでの移植は違法というのはごもっとも。
でも、すでに死んでいる人間の臓器が有効利用できるのなら……。
それで誰かの命が救われるのなら、それが出来ない法律を守る必要があるのか?
でも親の気持ちを考えると、フランチュラ医師自身だって勝手に臓器取りだされる事には難色を示していましたもんね。
じゃあ、誰にも知られなかったら??
最初は、私もフランチュラ医師を神気取りの嫌な奴じゃん! って思っていましたが、やっぱり移植を必要とする側の立場に立つと、神様のような存在ではある……。
本当に答えが出ない!!
陪審は有罪にしていましたが、物語としては最後にハリーの死を伝える事で、やっぱりはっきりと答えを出していないように感じました。
この疑問を投げかけるような終わり方が、まさにぴったりな回だと思いました。
16話「ピエロの仮面/Send In The Clowns」へつづく
・【登場人物】
(文:ジェーン洞/海外ドラマクイーンズ)
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