あらすじ
2017年3月31日~FOXjapanにてシーズン5日本初放送(全21話)
バラバラBBQ
爽やかな川辺で、手を広げ少年時代の匂いを満喫しているプロベンザ。
そこへ近づき、その雰囲気を一瞬で壊したのはタオ。
ペトリコールと言って、雨で植物の油分が空中に放つ匂いの種明かしをしてプロベンザをしらけさせた。
2人が振り向き、少し歩くとそこは事件現場だった。
BBQ場で、発見されたのは焼かれたバラバラの遺体。
発見したのは、雨上がりに子供の誕生日を祝う為に来ていた家族。
グリルにあった骨が雨で露出。
子供が目撃、母親が叫ぶ。
よくある光景だ、とプロベンザが皮肉を言う。
そこへ児童保護局の抜き打ち検査にあい、サンチェスが遅刻して来た。
状況を確認するサンチェスに、その話は30分前に済んでる! と悪態をつくプロベンザだが、サンチェスは気にしていない。
仲間達がサンチェスの面接の結果を気にすると、決断の前に同僚への聞き取りがあると言う。
その際にはウソをついてと頼むと、ちょうど被害者の頭蓋骨を発見した。
面談:テイラー副本部長
保護局の調査員シンシアは、先週のサンチェスの行動を問題視しているようで、それについて仲間達に聞きまわるつもりらしい。
また、過剰な暴力に出てしまったのだろうか……。
テイラー副本部長は、怒りの問題は過去のものだ、と言ってフォローをした。
同時にサンチェスが何らかの審査対象になっている事も。
だが、彼を信じていると言う。
親指
BBQ事件の遺体は、バラバラで焼かれていた事から、捜査の難航が簡単に想像出来た。
唯一指紋が取れそうなのが親指だった。
モラレスは検死で、骨を並べて成人、男性とだけ断言した。
これで対象者を400万人にまで絞ったと。
ケンダルの電動ノコギリを使用したという、現場での見立ては正解。
だが、半分正解で手引きのこぎりの跡もあった。
犯人は2人か、途中で武器を変えたのか。
ただ、作業は素早かった。
切断前にはほぼ腐敗していない。
シャロンが、緻密な犯行というと、モラレスが言った。
「それ以上だ。
通常バラバラにしても5つか6つ、これはすでに58」
恨みか身元を隠したいからか。
死因は右の側頭骨の凹みから、外頸動脈と内頚動脈が破裂する程の打撲。
サンチェスが、それならば衝動的な犯行かもと言う。
DNA検査はすでに出してある。
破損している親指から指紋は採れるのか?
面談:フリン
フリオの怒り問題はセラピーでは治らない、とはっきり言うフリン。
「俺も禁酒してるが今も依存症だ。
でも、問題はあっても未来は変えられる。
フリオはそうした」
対するシンシアは、先週の行動は後退じゃないかと突っ込む。
「フリオがそうしたのは、捜査の過程で犯人を知ったからだ。
根拠ある行動だ。
すべてのはじまりは親指だ」
エイドリアン・シルバ
モラレスが親指を復元して指紋の一部が採れた。
タオが、全員を集め新しい指紋解析ソフトの説明をする。
浅くなった指紋の溝を回復する。
そして欠けた部分をソフトが補い完成させる。
早速、一致する指紋を発見。
データはエイドリアン・シルバ。
エイドリアンはプロのポーカー選手で、4年前331(違法な賭けトランプの主催)で逮捕されている。
フェイスブックを発見。
また、インスタによるとタイにいるらしい。
3日前に投稿されている。
家と遺体発見の公園は街の反対側で、近くに住んでいないと知らない公園だ。
エイドリアンこそが犯人で、攪乱の為自分の親指を混ぜたのではないかとも思える状況になってきた。
家宅捜査する事に。
面談:シャロン
面談中に、ラスティが通り掛かるのを見てシンシアが「ラスティは成功例ね」と言った。
前は野良猫みたいだったと言われ、そうでなきゃ生きられなかったと笑うシャロン。
「ところで、私がラスティを引き取った時は課への調査はなかった」
「あなたは母親よ」
なんとかサンチェスだけが不利な想いをしないよう問答を重ねる。
だが、先週の行動が正しかったのかどうかと聞かれると、
「あの状況において正しい選択があるとは思えない」
と言った。
家宅捜査
プロベンザは十中八九エイドリアンは死んでないと主張する。
タオが100ドル賭けるというと、プロベンザはピザにした。
ノックに返事はなく、確認もせずにドアを蹴破ったサンチェス。
中は段ボールの山で、通販の買い物でチェーンソー等を買っていた。
タオはピザを注文する、とプロベンザがいいながら捜査を続ける。
配達日は3週間前。
サンチェスは、部屋の中にある写真が伏せられている事にも気づく。
毛髪のついたブラシを見つけた後、ゴミ箱に気づき中身を調べる。
お酒の瓶と氷の袋が入っていた。
バスタブが気になりタオにブラックライトを頼むと、いたる所に血痕の跡があった。
犯人はエイドリアンを殺し、遺体が腐らないように浴槽で冷やしていた。
その時、フェイスブックの通知が反応する。
2分前の投稿だ。
だが、エミリーが多分死んでいます、と言う。
エイドリアンの口座は空。カードは上限まで使用しているのに、ネットで買った品物はここの部屋に1つもないのだ。
家電、テレビゲーム、高級服。
そして、1ヶ月前5000ドルをSPS社に払ってる。
SPS社
ソーシャル・パブリック社。
仮想空間での市場価値を上げる手伝いをする、SNSのPR会社だ。
ボスのダックスとタブレットをタイプし続けているのがグレン。
この取り調べについても投稿するのか、エイドリアンに連絡しているという。
5000ドルというのは、投稿の代行代だった。
何かあったのか? とまだ何もしらない様子。
「エイドリアンは魅力がある。
ダース・シルバ的な影もね。
ポーカー選手は道徳的に間違った道に進みやすい」
何かしでかしたなら最高の謝罪投稿をする、と言うと隣室でフリンが、ロス市警も頼もうと言った。
テーブルに置かれた400ドルのサングラスに目をつけたのはシャロン。
「儲かっているようね」
もう帰っていいかと席を立とうとした時、エイドリアンの死を伝えた。
驚いた2人だが、グレンはさらに全員を驚かす。
「タイからメールが来てるし、10分前にも写真が3枚送られてきた」
と言ってメールを見せた。
シャロンはすぐにタオに送信元を調べさせた。
面接:タオとバズ
仕事で人の闇に触れてるサンチェスに、子育てはできるかと聞かれると、すばらしい保護者になれるとタオが言う。
だが、
「あなたも先週のサンチェスを同じ行動をとる?」
と聞かれると
「とらない」
とはっきり言った。
バズは、父親を11歳で亡くしているので、その時にサンチェスのような支えがいたら、と話す。
シンシアは、引き取られた後に、サンチェスが無茶をして死ぬかもしれないのが心配だと言う。
誰もサンチェスの行動に驚いていない事も。
シンシアには、サンチェスの行動は勇気というより自殺願望に見えるという。
それなら今頃間違いなく死んでいる、と言うタオ。
コテロ・デジタルソリューション
タオの調べで、メールの送信場所をつきとめた。
地元の会社でコテロ・デジタルソリューション。
PCセキュリティの会社。
経営はディノ・コテロと妻ケイト。
エイドリアンの出資者で、シャロンの元夫の出資者でもあった。
面接:プロベンザ
サンチェスの里子は俺には関係ない、だが俺は絶対反対だ、もう問題が起きてると捲し立てるプロベンザ。
サンチェスが子育てを始めたら、子供優先にして仕事がおろそかになる、と彼らしく逆説的にサンチェスをアピールした。
そして、唯一先週の問題の現場に居たのがプロベンザだったらしい。
「彼は命令に背いた?」
銃を構えるサンチェスの姿を過らせた。
「背いてない。俺の提案に同意しなかった」
「その違いは?」
「良い質問だが捜査中だから、話す事は出来ない」
と、シンシアを煙に巻く。
サンチェスは発砲したのだろうか……。
コテロ夫妻
ポーカー選手がSNSをやる理由には、出資者へのアピールがあると言う。
エイドリアンとは4、5年のつきあいで出資してきたコテロ夫妻。
エイドリアンとは4、5年のつきあいで出資してきたコテロ夫妻。
借金は3万ドル程あるが、大したことないという。
過去に3度優勝してるし、他にも出資しているから、と。最後に話をしたのは2週間前。
こっぴどく負けたのをきっかけにしばらく充電する、とメールが来ていた。
すると、そのメールがコテロ社から送られているのは何故、と突っ込まれてセキュリティ会社だと言いながらも妻は「ハッカーでしょ」と軽く答えた。
かなり適当なセキュリティ会社のようだ。
隣室のバズが、その後の調査でエイドリアンの写真は、そもそも古いデータでタイですらなかったと報告する。
出国すらしていない。
その時、妻が共同口座からお金が引き落とされているから、エイドリアンはどこかでゲームでもしているんだと思っていたと言った。
それは少額だった事や、場所がカジノだった事もあって警戒をしなかった。
この引き落としの情報から、カジノの防犯映像を入手する。
ダース・シルバ?
防犯映像には、フードをすっぽり被った黒ずくめの男が映っていた。
一瞬の振り向き様に黒いサングラスが見えた。
まるでダース・シルバだった。
しかし、ブラシのDNA検査で遺体と同一人物だと判明する。
という事は、映像の男はエイドリアンではない。
面接:サンチェス
シンシアは、同僚からの評価も高くていつもなら合格だが、今回は違うと言った。
やはり先週の件が気になっているらしい。
サンチェスの口から、詳しく何があったか教えるよう言うと、サンチェスは素直に承諾した。
被害者の身元と生存を装っていると思われた犯人。
発見するも、サングラスで顔が見えなかった。
だが、そのサングラスが犯人に導いた。
エイドリアンのカードで購入された高価なサングラス。
そして、SPS社の2人の目の前にあったサングラス。
グレンは、大学でPC科学を専攻していた。
コテロ社のハックも出来ただろう。
グレンとエイドリアンはSNSで繋がっていたが、最初はグレンが一方的にいいね、をしていた。
そして、ある日フレンドになり、エイドリアンがSPSに5000ドル払った。
更にグレンの家は、遺体発見現場の公園の向かいだった。
グレンの家に踏み込むと、通販の電化製品が山積みになっていた。
サンチェスとプロベンザは別行動をして、オフィスでボスのダックスに会っていた。
エイドリアンの仕事を取ってきたのはグレンの手柄。
そのおかげで、グレンの首もつながった。
結果を出さないなら首にする所だった、と聞いて核心に近づいたと思った。
そこへグレンが出社して来て、2人の姿を見てすぐに逃げ出した。
追い掛けるサンチェスに、待てと止めたプロベンザ。
グレンは公園に辿りつき、人質を取って銃を向けた。
グレンに銃を向けるサンチェス。
訓練を想い出し、周囲を冷静に見てサンチェスは決断した。
そして、銃をしまった。
撃ったのではなかった。銃を向けた相手に、丸腰を選んだのだった。
プロベンザも追いつき、しまうなと言って銃を向けている。
「どうしてよく知りもしない相手に」
「俺も同じように彼を調べたから分かる」
はずみだった。後悔してるんだろう。
だから、写真が裏返っていて、ウォッカを飲んだ。
エイドリアンのネコに餌もあたえた。
本物の悪党じゃない、と素手でグレンに近寄って行った。
「悪人じゃないだろ」
そして、グレンの持つ銃を受け取った。
聞き終わったシンシアは、判断力に不安を感じると言った。
サンチェスが訴える。
「定年になるまで毎日きてください。
正しい判断だったと答え続けます。
認めてくれたら、同じ事を子供にします。
正しい判断を下すよう心掛ける。
これが父親になる唯一の機会かもしれない。
だから、一生懸命がんばります。
父親として、機会をもらえるなら」
サンチェスは涙ぐんでいた。
警察委員会が結論に達した。
彼の行動がロス市警の勲章に値する、命を賭けて人を救ったと。
シンシアは、サンチェスの審査を方針違反の為だと誤解をしていたと、分かった。
そんな三者会談をドキドキしてガラス越しに見ているサンチェス。
シンシアが退室すると、バズと話していたラスティが慌てて追いかける。
ラスティらしい言葉でサンチェスの里親プレゼンをしているのを、廊下の先でサンチェスが偶然聞いていた。
また涙腺を刺激しそうだった。
つづく
かんそう
完全にフリオ回でした。
まさか里親の話が出た時には、出落ちだろう、と思ったのにこんなにフィーチャーされるなんて!
しかも、今回は1つの事件を【過去】として、そこでフリオが起こした行動が問題となり、仲間達に【今】聞いて回るという、過去と現在を行ったり来たりする、凝った構成になっていました。
最初は、その時間軸とか、フリオが何をしたのか、とか分からないのですけど、わかっていくとそれぞれの面談の内容がよりクリアに理解できて、面白い!
事件そのものは、SNS専門PR会社、というかざっくり言うと投稿代行会社。
写真は自分でおくって、素敵な言葉をつけて効果的にUPしてフォロワーを増やすという。
しかもそのフォロワー自体もPR会社の仕込みかも、というw
セレブなんかは、むしろ代行に頼んで炎上で失敗しないようにした方がいいかもしれませんねw
そのPR会社でちょっと落ちこぼれだったらしいグレンが、クライアントと衝動的に揉めてしまって、殺してしまった。
ばれないように、生きている体でSNSを更新し続けていた。
フリオは捜査の中でこの彼が、根っからの悪人ではなく衝動的な犯行だと見抜き、最後は銃をしまって丸腰で、ハートを武器に立ち向かったんですね。
それをシンシアは自殺行為で危険視した。
でも、フリオは考えなしにしたのではなく、ちゃんと捜査した結果だったから、勇気ある行動と認められた。
……のですが、実は衝動の割に、ちゃっかり被害者のお金使い切って、買い物三昧してたり、逃れる為にハックまでして細工していたり、と私には反省している人の行動とは思えなかった!!w
サングラスだって、隠しもせず重犯課に持っていくとか、バレバレじゃん! ってw
でもまあ、本作は事件どうこうよりもフリオ主役ですからね。
細かい事は気にしない!!
フリオの正義と、皆がフリオをどう思っているか、がよくわかる回でした。
でもやっぱりプロベンザのキャラが立ちすぎていて、主役を食い気味ではありましたがw
で、里親審査の結論はお預けですが、これは絶対合格ですよね!
早くフリオのお父さん姿見たい~。
こりゃ、楽しみが増えました。
次回はこちら
登場人物はこちら
前回はこちら
(イラスト:Simoom、文:ジェーン洞)