あらすじ
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#7「心をえぐる昔の夢」はこちら
#9「縮まらない距離」はこちら
前回の続き(カフェの倉庫)
互いにケンカ腰になるジョンとイノ。
呆れるソルは、イノにシム教授の名刺を渡すと、
ジョンを連れてさっさと引き上げるのだった。
ジョンは、ソルとイノが親しくするのが我慢できないのだ。
明後日からジョンはインターンシップに入る。
学校では会えなくなってしまう2人は、
それならばと、明日の夜のデートを約束して別れた。
ヨナ大学
メールでファン教授に呼ばれたジョンが、
401号教室へ行くと、後からヨンゴンが入って来た。
しらばっくれてはいるが、どうやらヨンゴンのはかりごとらしい。
何を言っても全く動じないジョンに、(こんな形の残る手を使ったなんて)
「間抜けだな」と、ヨンゴンは切り札を出した。
去年、ジョンとやり取りしたメールだ。
”ソルは お前が好きだ””好きだと告白しろ”
”高いプレゼントを贈れ””夏休みだろ 塾まで会いに行け”
それでもジョンの顔色は変わらない。
それならばとヨンゴンは、そのアドレスに電話を掛ける。
「早く電話に出なよ」
しかし、ジョンのケータイが鳴ることはなく、ヨンゴンの
ケータイのスピーカーからは、知らない女の声が流れるのだった。
完全に打ち負かされたヨンゴンは、逆上してジョンに掴み掛かった。
そこにヨンゴンと約束していたサンチョル達が入って来た。
状況に驚く皆は、ヨンゴンを責め立てる。
ヨンゴンは、切り札メールを皆に見せるも、
口調も番号もジョンのものではないと、否定されてしまう。
皆は怒って出て行き、再び二人きりになるジョンとヨンゴン。
ヨンゴンが隠し持っていた録音機を一瞥し、
「間抜けはお前だ」
と言い捨てて、ジョンも教室を後にした。
(回想)カフェ
ケータイでヨンゴンとメールのやり取りをするジョン。
向かいの席には、イナが座っている。
「別のケータイまで使って誰とメールしてるのよ」
ケータイを取り上げるイナ。
「ヨンゴン?ソル?面倒なのはどっち?」
ジョンが「両方」と答えると、
「じゃあ、2人をくっつければいい」
と、イナはジョンになりきってヨンゴンにメールを返し始めた。
「これ貰うわ」
ケータイは、イナのものになった。
居酒屋デート
ジョンとヨンゴンの諍いを心配するソルにジョンは、
自分が居ない間気を付けるよう言う。
そんな気遣いが、ソルはうれしくてたまらない。
そこに現れるサンチョル一団。
ジョンはソルに向けられる酒を、代わって飲み干すのだった。
飲みすぎてソルにもたれ掛るジョンを、ソルは外に連れ出す。
ベンチ
「このまま帰りましょ、あの人たちと飲みたくない。カモられるから」というソル。
「カモか・・・高校の時そう呼ばれてた」
「僕の周りには、物欲しさに近づく人ばかりだ」
「それを分かってても、合わせてやるしかない。そのほうが楽だ」
その言葉を聞いたソルの顔は今にも泣きだしそう。
ソルの頭をなでながらジョンは、「君は僕が好きだよな」と聞く。
「本心なんだろ」「最初は---君もみんなと同じだと思ってた。僕を嫌ってたろ」
そしてジョンは、体を起こしソルの手を取った。
そして真正面から「僕は悪人じゃない」と言い
不意打ちにキスをした!
びっくり顔のソルにジョンは、周りを見渡して「大丈夫だよ。誰も見てないだろ」
そう言うと再びソルにキスをした・・・
教室
ボラがソルを見つけ抱きつくと、それはミンスだった。
「あなたが間違えるなんて、私とソルは似ているのね」
そこへソルが入って来る。
「お昼を一緒にどう?あなたに話したいことがあるの」とソルを誘うミンス。
しかしボラが強引にソルを引っ張っていく。
授業が終わり教室を出ようとすると、
ミンスが2人の行く手を阻んで、
もう一度「一緒に食事しよう、話があるのよ」と言う。
ボラもまた強引にソルの手を引き、ミンスを押しのける。
その勢いでミンスはカバンを落としてしまう。
その中に、先日失くしたソルのストラップ見つけるソルとボラ。
ミンスがソルにストラップのことを打ち明けようとした時、
ボラが「ホン あんたのでしょ。ミンスが取ったのね」
「マネだけじゃ足らずものまで盗むの?何とか言って!」
と一方的にミンスを責め立てる。
ボラに逆ギレしたミンスはつい、自分のものだと言い張るのだった。
構内
校舎から駆け足で出てくるミンス。
(返せばよかったのに、買ったなんて言って・・・
いいえ、先に私を変人扱いしたもの。私はマネなんかしてないわ)
そんなミンスを見かけたヨンゴンは、
復讐の駒に使えると、優しく声を掛ける。
「ソルと親しくなりたいのにこんなんじゃダメかも」と言うミンス。
「泥棒扱いされたのに、あいつの肩を持つお前のほうが優しいよ」
そうヨンゴンに言われミンスもまんざらじゃない。
「ユ先輩はソルにだまされてる」
するとミンスも「交際してるのは変だと思った」と反応した。
「だろ?頭いいんだな。もっと自信を持て」
「何でも俺に相談しろ」
ありがとうとヨンゴンに感謝するミンス。
ヨンゴンは、これでミンスは自分の思い通りになったと満足気にその場を後にする。
(お人よしなのかバカなのか。ソルは、頭が痛いだろうな。
ユ・ジョンは、学校にあまり来ないし俺の天下だ。
大変な時、慰めてやれば・・・ソルは、”ヨンゴン付き合って”と。
”考えてみるよ”俺って最高にカッコいいぞ)
音楽室
イノはシム教授を訪ねて来ていた。
シム教授「基本も忘れてる。5年も休んで何をしていた?」
イノ「俺の演奏にケチつけて。不満でも?来てやったのに」
シム教授「渋々来たのか?もういい、帰れ」
そこへシム教授の教え子、ヨジンが入って来る。
イノは立ち上がり、代わりにヨジンが座る。
扉の前に居るイノにシム教授が、「帰っていい」と更に言い、
イノは教室の扉を開ける。
ヨジンの演奏が始まった。その演奏を扉越しに聴くイノ。
立ち止まり、振り返る。ショックは隠せない。
大学の帰り道
ジョンとメールを交わすソル。
しかし、ミンスとの一件は子供じみていて相談することも出来ない。
ケータイのちぎれたストラップを見ながら
「初めてのおそろいなのに・・・」。
ソルの少し前を歩くイノ。
こちらもまた落ち込んでいて、たどたどしい歩み。
ソルがイノに気づき、声をかける。
「なぜ学校に? あー、教授に会いに来たのね」
元気なさそうに頭を横に振るイノ。
その様子を見て変だと思うソル。
「何かあった?」
「別に」
電車の中
ソルとイノは並んで座っている。
電車の中でもPCを開き勉強するソルを見てイノは驚く。
「電車の中でも勉強するのか、何のためにそんなに頑張るんだ?」と聞くイノに
「就職さえできればいいわ」と答えるソル。
疲れ切ってへろへろのサラリーマンを見て、「彼がうらやましい」と言う。
「バカだな、生きる屍だ」
イノの言葉にソルは尋ねる。
「誰かをうらやんだことは?」
「ないよ」と答えるイノに、ソルは笑って。
「でしょうね。才能があるから。才能のない私はただ頑張るだけ」
すると、不思議そうにイノは「なぜ頑張る? どうやってがんばる?」
「どうやって・・・?ただ やり続けるだけよ」
イノが「俺は頑張らない」と言うと、
ソルはまた笑って、「天才なのかも」
ソルの母の定食屋(ククス屋)
仕事を終えたジョンが店の前で待っている。
イノとソルが一緒に帰って来たことに不服気だ。
ソルは、イノが教授に会いに学校まで来たことを言う。
「食べていっても?」と聞くジョンに、
ソルが「もちろん。・・・でも今は両親が居るんだけど」と言うと、
ジョンはすぐに「挨拶するよ」と答えた。
驚くソル。
イノも驚いて、「ふざけるな。商売の邪魔だ」
ジョンの方は、イノは眼中にない様子で、
「うまそうだ」とさっさと店に入って行った。
慌てて後を追う、イノとソル。
ソルとジョン、両親がテーブルに。
イノは洗い物、ジュンもカウンターに座り話を聞いている。
ジョンはソルの両親に、ソルと付き合っていることや
インターンしていることを話す。
ズケズケと親の会社を聞く父を、ソルと母は非難するが、
ジョンは、親がテラングループを経営していることを明かす。
皆は驚き言葉を失った。
完全にジョンを気に入ったソルの母。
「夕食はまだよね。ククスでいい?」
「はい、ぜひ食べてみたかったんです」
ジョンの帰った後、舞い上がる母と、不貞腐れる父。
そしてそれを後目に洗い物をするイノ。
今日、シム教授に言われた言葉が頭をよぎる。
(「5年も休んで何をしてた」)
「何をやってたんだ・・・」
音楽室
シム教授に、帽子をとりお辞儀するイノ。
それを見てシム教授が、「考え直したか?」と聞くと、
イノは「習いたくて」と答えた。
教授はイノを受け入れる。
シム教授から渡された楽譜は、”ハノン”だった。
「俺が戻るまで弾き続けろ」と言ってシム教授は出て行ってしまった。
初心者向けの楽譜を渡され、不満を覚えながらも弾き始めるイノ。
繰り返しの単調なリズム・・・嫌気が差して、すぐに手を止める。
「まったく子供じゃあるまいし。5年休んだからって・・・」
「分かったよ、やるよ」
また弾き始める。
繰り返しの単調なリズム。
しかし、指は思うようには動かない。
「必要かな」と、本腰を入れ演奏を始めるイノだった。
幾時か後、教室の外でイノの演奏を聴いているシム教授。
(回想)
シム教授とイノの恩師であるイ・ウヌ教授がお茶をしている。
シム教授がイノの来訪をウヌ教授に伝えると、
ウヌ教授はシム教授に言う。
「あの子に、忍耐こそピアニストの本当の才能だと気づかせてくれ」
教室
グループ発表
ソルのグループ
ボラ(適当に済ませるタイプ・口うるさいかも)
ギョンファン先輩(楽観主義者・やる気を出させるのが鍵)
サンチョル先輩(言うだけ無駄・以下省略・・・)
と分析しているソル。
前回の成績はD。
今回は何としても挽回したいソルだった。
だが、サンチョルは前回と同じような 言い訳をしてやってくれないようなので、
とうとうソルは、サンチョルをメンバーの名前から消すことを宣言。
怒鳴り出すサンチョル。
ボラがソルの肩を持ち「先輩のせいでソルはDだったのよ。今回は見過ごさないわ」
サンチョルが「名前を抜くとか脅迫するな」と言うと、
「CEOの事例を送って」とソルは念押しした。
サンチョルは、「分かったよ」と言うしかなかった。
その騒ぎを見てミンスは、
(みんなだまされてるわ。ソルはちっとも優しくない)と思うのだった。
ミンスのペンケースから、ソルの失くしたストラップが見えている。
それに気づくジョン。
ジョンがこちらを見ていることに気づくミンス。
2人は目が合うがすぐにミンスはそらす。
するとジョンは、「ミンス 君の資料を受け取った」と声をかけた。
「分からないことがあったらいつでも聞いてくれ」と笑顔で優しいジョンに
ミンスは、「そうします。私、頑張りますね」
と笑顔で応えた。
廊下
ボラはソルを連れ、ミンスを問い詰めた。
「Kアートにあのストラップは売っていない!」
ソルは遠慮がちに「拾ったものじゃない?」と訊く。
ミンスはヨンゴンのアドバイス通り、衆目の中、大声で対抗する。
「言いがかりだ。泥棒扱いしないで!」
予想外の反撃と状況に戸惑う2人。
気を持ち直したボラが、Kアートに確認に行こうと、
ミンスを強引に引っ張る。抵抗するミンス。
するとそこに、ダヨンが割って入ってきた。
「証拠もないのにミンスを追い詰めないで、同期なのにひどいわ」
そう言うとミンスを連れ去って行った。
構内
帰り道のミンスは、笑顔で独り言をもらす。
「そうよ、私にだってできる。ヨンゴンは正しい。
ソルは何も偉くない。さっきも私にひるんでた」
喜ぶミンス。
そこにジュンが現れた。
気分の高揚したミンスには、ジュンがキラキラと輝いて見えた。
ジュンがミンスに美術学部の場所を尋ねると、ミンスは
「学校の地図を見せます」と言いながら、
ケータイでこっそりジュンを撮るのだった。
「ありがとう」と言って去っていくジュン。
振り返り親指を立ててグーポーズ。
ミンスは一目惚れした。
カフェの倉庫
ここでも”ハノン”を弾き続けるイノ。
こっそり隣に座り込んでいたソルに驚く。
初心者課題の”ハノン”を弾いていることを弄ってくるソルに、
プライドを揺さぶられたイノは”ラ・カンパネラ”を披露する。
「すごいわ!指が見えないくらいだった!」
イノは、「ウソつき呼ばわりしといて」と文句を言う。
「ちゃんと弾いているのを見たことがなかったからよ」と返すソル。
気分の良くなったイノは、リクエストを求めるが、
ソルは曲名が出て来ず、鼻歌を歌う。
するとイノも一緒に口ずさみ出し、
”ジュ・トゥ・ヴー”を弾き始めるのだった。
(高校の時はこんな姿だったのかな。聴き入るわ)
やはり指がうまく動かないイノは、
「ここまでだ。わからない。忘れた」と演奏を止める。
するとソルが、「そのあとは・・・」と弾き始め、
イノも釣られてまた一緒に弾き出す。
途中でソルが”チョップスティックス”を弾き出す。
「私の十八番よ」
「これだけだろ」
イノも一緒に弾く。
(ささいなトラブルが押し寄せても
それは、ただのさざ波 みんなのように耐えてみせる)
と、ソルは強く思った。
連弾するふたりの後姿は楽しそうだった。
かんそう
とうとうソルが、初キッスしました~けっこう長めで、こっちが恥ずかしくなっちまいました。
そして、ミンスの一目ぼれ。
ジュンのキラキラシーンは、ツボでした。
エフェクト入りまくりの画面とサーモン&ガーファンクル風BGM。
大爆笑してしまいました~。
オ・ヨンゴン、ひどい...
ミンスを影で操ろうとするなんて・・・
そういえば、オ・ヨンゴンの人物紹介を描いてたときに
プロフィールとか調べていたら
けっこうなイケメンさんでした。
前回、キモいとか言ってごめんなさい。
韓流の役者さんてギャップがアリすぎて、驚くことが多いです。
そしてそして、
序盤のオ・ヨンゴンとのやり取り後、去り際のジョンのニヤリと笑った顔。
悪ジョン出た!?この先どうなっちゃうんでしょ!?
ミンスがソルのライオン持ってるの見ちゃったし、
次回はミンスをとっちめちゃうのかな。
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(イラスト&文:Simoom)