あらすじ
イアン・マーフィー
様々な事業に投資して成功を収めている。
貧しい家庭に育ち、10代で両親を亡くしているが、同じく亡くなった叔父が10万ドルの遺産を残してくれていた。
今は、公園でボートを漕いでデートをしている。
同じくボートで監視中のリースとショウ。
ショウは、一般的なデートを装わなくてはならないのに、私にボートを漕がせろと主張している。
リッチな投資家らしく、女性を手料理ディナーに招待するとオペラだけじゃなくお料理にも詳しいのね、と驚かれる。
だが、女性と別れると今度はカジュアルなアーティスト気取りのファッションに着替え、また別人とデートをする。
悪さをするに決まっていると、決めつけるショウ。
デートの相手はアングラという出会い系アプリで探しているとフィンチが調べる。
リースは、その隙にイアンのソーホーの自宅へ潜入していた。
入るとすぐに、大富豪の娘死亡という記事のプリントアウトが目に入る。
鍵のかかっている収納に気づき、ピッキングすると中には沢山の女性の個人データファイルが入っていた。
アングラから得られる情報らしく、ストーカーが獲物を見つけているのか、と思える。
それを聞き、ショウは「じゃあいますぐ殺さない?」と言うと、「ストーカー=殺人鬼というわけじゃない」とフィンチに窘められる。
が、「行方不明」の女性のチラシまで出てきたので、事故は殺人の偽装に使われやすいとリースとフィンチが同意すると、ショウが満足気に言う。
「すでにストーカーから殺人鬼に成長したってこと」
大富豪の娘死亡のプリントアウトに重みが出た。
リースがセーフハウスに戻ると、行方不明の女性は、元恋人だと判明。
富豪の娘は、デイナ・ウェリントン。父親は、オークションハウスのオーナーで慈善家、不動産王でもあるブルース・ウェリントンだった。
だが、調べた所イアンとの繋がりはたまたま同じ大学に通っていたという事だけだった。
CLUB BLUR
イアンの正体を見極める為に、アングラー御用達のクラブにトラップをしかける作戦に。
ショウ、カーター、そしてゾーイをアングラーに登録し、クラブへ行かせイアンが声を掛けてくるのを待つ。
ショウは、死体袋の方がマシ、とクラブ用ファッションにご機嫌斜めだった。
12時を回り、やっとイアンがお出ましになると選ばれたのはカーターだった。
狙い通り、イアンはカーターを自宅でのディナーに誘う。
誘いに乗って、クラブを出るとイアンがカーターの後をつけている。
カーターは新たな標的になってしまったのか・・・?
その後、フィンチが9年前に受け取った大金の出所を掴んだ。
すると、遺産ではなくダミー会社を通じてブルース・ウェリントンが支払っていたと分かる。
新聞記事とのつながりが見つかったと同時に、イアンの携帯のGPSデータからデイナの葬式にも行っていたと判る。
それを聞いてショウが言う。
「自分の犯罪を追体験したい。
カーターのデート相手は異常者かも」
ストーカーの家でデート?
ショウとリースが外から見守る中、カーターは約束通りイアンの部屋に居た。
ショウの照準はイアンを狙っているが、さすがにカーターも料理という大義名分で、堂々とナイフを握っている殺人鬼と部屋で2人きりかもしれないと思うと、緊張しているようだった。
メニューの話になると、話してもいないナッツ・アレルギーの事を言われて驚く。
どうして、知っているのかと聞くと
「注意深いんだ。世の男もそうすればもっと女性と上手くやれる」
と、答えにはなっていない事を言う。
それをつっこむと、クラブでアーモンドを避けていたし、顔には警戒の表情があったから、と観察していた事を言う。
カーターが、少し納得して良い刑事になれそうね、と言うとイアンは、同じ事を想ったという。
カーターのプロフィールは警察官となっていたが、イアンは刑事なのではないかとまで、カーターの行動から読んでいたのだった。
結局、部屋では何事もなく食事を済ませてマンションから出てきた2人。
だが、そこに近づいてくる影が2つ。
慌てて財布を投げつけて、追い払おうとするが狙いはイアンだった。
即座に銃を撃つカーターとショウ。
イアンは加害者ではなく被害者らしい。
ストーカー? の過去
セーフハウスにイアンも連れて来ていた。
捕まえた男達から雇い主は、ウェリントンの警備員だと分かる。
イアンに、狙われているか、何かするかで見張っていたと暴露する。
だが、イアンはストーカー呼ばわりされた事には、身に覚えがないようで、女性を調べるのはあくまで喜ばせる為のリサーチだと、弁明する。
ブルースとの関係は、デイナとは学生時代に身分違いの恋に落ち、ブルースによって手切れ金を掴まされ、町を追われていたと分かる。
それ以来、デイナを忘れられないままで、だから1人の女性と長く付き合う事がなかったのだろう。
事故の記事を見ていても経っても居られず、葬式に行くと、ブルースがイアンに気づき、酷く興奮して怒鳴り始めたという。
だが、それで何故命まで狙われるのかについては、身に覚えはなかった。
イアンにはわからなかったが、翌日フィンチの調べでその理由が判明する。
デイナはイアンの子を中絶したとウソをついて、実は出産していたのだった。
当時まだ若かったデイナが育てるよりは、10歳上の姉の方が相応しいと、姉の子として育っていた。
ブルースにとっては大事な後継ぎだから、イアンにその存在を知られ奪われるのを恐れているのだろう。
今回の彼らの仕事は、イアンに息子を返す、という内容になった。
フィンチは、DNA親子鑑定を。
ショウ、リースは、ゾーイの紹介でブルースに会い、屋敷で出生証明書を探す事に。
いよいよ出生証明書が手に入り、カーターが証拠として提出を約束すると、イアンは、父親になる覚悟をつけていた。
マシンとルート
政府もルートを始末しようと探していた。
それを察したルート(マシン?)は、いよいよ病院から出る時だと言い出す。
だが、マシンの威力を知ってもなお、担当医には想像もつかない存在であるせいで、あくまでもルートのハッキング・スキルの成果であり、それに加えて誇大妄想、被害妄想が強いと診断していた。
そんな担当医にあなたにこそカウンセリングが必要ね、と言うルート。
夜、ルートは院内の端末にアクセスして、処方箋を偽装し薬を入手する。
しかもその際に、副作用で手が震えるからといってパスワード入力はマシン自身がしていた。
そして、換気システムもハッキングする。
翌日のカウンセリング。
明るい表情に、薬がきいたようだね、と言う担当医。
ルートは、ここを出て行く時が来たと言うが、当然病人の戯言だと思っている。
子供を相手にするように、「どんな計画なんだ?」と聞くとその答えが数分後に実際に繰り広げられる。
まず、マシンからの電話がスタートの合図。
担当医の頸動脈を殴る。殺しはしない。
そして車のキーを奪う。
換気システムには、昨晩盗んだ薬を仕込んであり、部屋の外は皆眠っているから逃げるには問題ない。
だが、追手も同時に到着していた。
これまでただの妄想だと思っていたルートの言った事がすべて目の前で現実になっている事に茫然とする担当医。
追手に止めを刺そうとするが、直前でマシンの命令があったようで、生かしたままルートは逃げて行った。
そこへ、マシンから電話を受け取ったフィンチが駆けつけ、院内の異常な様子と倒れている男を見て言う。
「問題発生だ」
つづく。
かんそう
さて、一話完結の軽めの、実はちょっと良い話? 風なエピソードでした。
この軽さって、嫌いじゃなくて、特にコミカルなやりとりなんか、楽しかったです。
クラブにトラップ仕掛ける為にドレスアップ女子3人揃って、「それザノッティ?」「わかるぅ?」とか、カーターさんがステラ・マッカートニーのショルダーに銃仕込んでると、すかさずショウが小さな銃を出して、「やだこれナノ! 欲しかったのー」「いつでも貸すから言って」ってまるで、ハンドバックかアクセサリーのようにきゃぴきゃぴしてたw
ゾーイもクラッチから、リースのプレゼントといってピンクのスタンガンびりびりさせてるし。
最強の女子会w
もちろん、クラブにはファスコも配置されており、イケイケ・ギャルにでへへってしてました。
ターゲットは、悪人と思わせて実は・・・、のパターン。
なんならカーターの事本当に気に入ってるっぽかったから、つきあっちゃえよ! って思いました。
でも、なんか嫌な予感が当たっているのか、イアンのお部屋デートを見守る中、ショウがリースに「カーターの事好きなんちゃうんの?」みたいに突っ込んでて・・・。
「た、ただの友達だよ!」とは言ってたけど、かなり想い入れている感じはするんですよね~。
でも、野生のショウさん、ゾーイとの事はすぐわかってた!
て、何気に「じゃ、じゃあお前はいつデートしたんだよ~」って2人でコイバナしてました。
この時点では、まだイアンは凶悪シリアルキラーかもしれないのに、呑気なもんですが、確かにショウとリース2人で見張っている相手としては、パンピーストーカーの1人なんて緊張感はないのかもしれませんね。
そして野生のショウさんのデート相手は、最後にはベアになっておりましたw
ベアはいつの間にかショウさんから、ごつい首輪とごつい骨を貢がれていて、デートする仲になっていたんですね。
動物的なレベルで惹かれあうんでしょうかねw
でも、意外にもすっごい可愛がってる姿に和みました。
という感じで、全体的にほのぼの感が漂う回でした。
とはいえ、これはまるで嵐の前の静けさって感じにも思えます。
ルートが脱走しましたからね・・・。
いつかはどシリアスになっていくんでしょうけど、出来るだけこのほのぼのノリを見ていたいです。
(イラスト:Simoom、文:ジェーン洞)