あらすじ
ライフセイバーレイプ事件
19歳のディエゴ・ロドリゲスが酔っ払って暴れている際に「妹」「レイプ」と発言していたことからSVUに連行された。
フィンとロリンズが話を聞くと、まだ酔っているディエゴは「ライフセイバーコーチのポール・グレコから妹を守った」と言う。
「彼が妹をレイプしたのか?」
「違う。俺をレイプした」
朝になり、酔いがさめるとディエゴは酔って混乱しただけだ、と否定し始める。
だがそのまま帰すわけもなく、話を聞き出した。
学費を稼ごうと、高収入なライフセイバー試験を受けると不合格になった。
だがその後で泳ぎ方を直してやるとグレコに声をかけられた。
その理由は身体が目当てだった。
当時のディエゴはまだ鍛えておらず、細く抵抗もできなかったという。
その一回だけだがおかげで、ライフセイバーに合格していた。
「誰にも話してない」
その体験から妹がライフセイバーを目指すと聞いた時は安心していた。
「女に興味はないだろうって」
しかし妹が試験を受けた際に個別に呼び出されていたのを見て、ディエゴは妹を守ろうとグレコに殴り掛かってもいた。
グレコ
グレコは公園管理局の職員でブロンクス郡の行政官だった。
10年前からプールやビーチを監督している。
前歴はなく、独身で職場の評判も良かった。
ディエゴから聞く印象とは違っているが、ディエゴと妹のマルティナは成績は優秀だった。印象からも嘘をついているとは思えない。
物的証拠もないが、オリビアは正面からグレコの反応を見ましょうと提案した。
オリビアとフィンは、職場にいるグレコにレイプしたのか? とストレートに尋ねるが、グレコは動揺も見せずに否定する。
「ディエゴから暴力を受けたのになぜ通報しなかったの?」
「彼が大事だからさ。心の優しい子だ」
マルティナについては、試験の不合格を伝えたら泣き出したので個人レッスンを申し出ただけだ、と。
「助手のロニーに確かめろ。ビーチにいる。ディエゴも」
グレコは遅刻出勤したディエゴを人手不足だからとビーチに配属していた。
「何もないから彼は働き続けてるんだろ」
ビーチ
ベラスコとマンシーがビーチの監視台に座っているロニーに話を聞く。
「ディエゴは酒臭いまま出勤してきたよ」
なのに今は海で泳いでいるという。
「ピンスキーが遅刻した奴に課す罰だ。酒が抜ける」
そのピンスキーはビーチに立って遠くを泳いでるディエゴを見ていた。
「彼は大丈夫」
すると急におぼれているように見えて、ベラスコとマンシーは慌てた。なのにピンスキーは笛を吹いてディエゴ! と呼ぶだけで海に入っていかない。
ベラスコが「救助しないのか?」と声をかけても「様子を見る」と立っているだけだった。
見かねたベラスコが海に飛び込むと、騒ぎに気づいた監視台のロニーも後を追った。
最後までピンスキーは立ったままだった。理由は「潮の流れが危険だったから」。
そして、ディエゴはその場で亡くなった。
ベラスコは見殺しにしたと自分を責めた。
疑惑
オリビアはディエゴの死から、海で泳がせたのは単なる遅刻への罰ではないと確信を持つ。
「私たちがグレコに話を聞いた直後よ」
レイプの唯一の証人が死んだ。
10年も同じ地位にいるのなら必ず余罪があるだろうと捜査を続ける。
妹のマルティナからグレコの被害者だろう、とディエゴの元彼女を紹介してもらう。
ダニエラ・クルスは、グレコにレイプされたことにディエゴは気づいていたと思っていた。
「私に触れなくなって。だから別れたの」
マンシーはそれは違う、とダニエラに教えた。
「言いにくいけど、あなたに触れなかったのは彼も同じ目にあったからよ」
「そんな……。グレコは女好きだって噂されてたわ」
ダニエラがレイプされた経緯はディエゴと同じだった。ディエゴがグレコを紹介したという。
「でもライフセイバーなんて私には無理。ほとんど泳げないのに」
グレコはライフセイバーの職を餌に、能力を無視してセックスの相手を雇っていた。
当時、ブロンクスの警察にレイプ被害を届け出たが、検査だけして音沙汰なしのままだという。
2人は呆れて何も言えなかった。
逮捕
グレコをダニエラのレイプで逮捕した。
第1級レイプ罪。
平然と、ダニエラを知らないと無罪を主張する。
すると下院議員のガルシアと言う女性が、グレコはそんな人ではないとわざわざオリビアに言いに来た。
「優秀な公務員の評価を汚すことになるわ」
ガルシアは司法関係の人事権と検事局の予算を握っている。
「敵が増えた」
だがダニエラのレイプキットのDNAはグレコと一致している。
ところが大陪審になってもダニエラは現れなかった。
実はダニエラの父親は仮釈放中で、その保護観察官とグレコが接触して脅しをかけていたのだった。
「私もグレコが憎い。でもディエゴは戻ってこない、今は父を守りたいの」
オリビアは証人買収の捜査に切り替えるとグレコに伝えた。
「ディエゴの死の捜査も続けるわ」
「待て。私も彼の死を悲しんでる。ライフセイバーが溺死したなんて究極の悪夢だ。俺は命令してない」
言い切るグレコにオリビアも引かない。
「あなたみたいなウソがうまい人はそのうち自分でも事実だと思い込む」
過去の溺死事件とした担当ライフセイバーを調べることに。
過失致死
すると多くの溺死者がいることがわかった。
全員がグレコの部下で、ライフセイバーたちは黙秘して弁護士を要求している。
助手のロニーが試験でタイムを担当しているので偽装を共謀している可能性がある。
過失致死の共犯に問うと脅しをかけた。
「数字を変えたのはグレコだ。最初は気づかなかったがある時変わっていることに気づいた。だから写真を撮ってある」
だがディエゴ同様、学費のための仕事を失いたくなく通報はしていなかった。
カリシはロニーの証言から過失致死じゃない、と判断する。
「悪質な人命軽視、つまり第2級謀殺だ」
オリビアが気持ちを込めて言う。
「有罪にして」
裁判
調査員などのグレコに不利な証言の他、ロニーも証言台に座った。
タイム偽装の件だけではなく、グレコが雇用に「寝るか給料の10%を渡す」という条件をつけていたことも明らかになった。
「本人から聞きました。録音もしてあります」
そんな中、グレコが証言をしカリシが尋問をする。
「性的関係は確かに持った。どれも合意の上だ。だが基準に満たない者を雇ったことはない」
「優秀なのに10件もの事例で失敗をした?」
「どんなベテランでも悲劇に見舞われることはある」
「それでも熟睡できる?」
グレコは環境が悪いと言い訳をし始める。
「その上で守るのが仕事なのでは?」
カリシの執拗な責めにグレコはキレた。
「何様だ?」
その隙にディエゴの死について切り込んだ。
「ディエゴを泳がせた時には、彼には判断能力はあったのか?」
「彼は酔ってた。二日酔いの者をビーチには出せない」
「それで沖で泳げと?」
「ああ、私が命令した」
ディエゴは認めた。
だが「私はボスだ。私があのビーチの全責任を負う」とどこか自分に酔っているようにも見えた。
休廷中にオリビアとベラスコはピンスキーに目をつけた。
「彼は潮の流れを恐れたのではなくグレコを恐れたのかも」
ベラスコが探りを入れると、ピンスキーは認めた。
「救助を禁じられたんだ。後悔してる」
ピンスキーもグレコの被害者だった。
「写真を撮られたんだ……従わなければバラすと」
ピンスキーの訴えを元にカリシは取引きを持ち掛ける。
「写真は入手してある。本性を周囲に知らせずに刑期を務めさせてもいいが」
するとそれまでは否定していたのに、急にどうすれば保身できるのかとカリシに取引の条件を尋ねた。
グレコは10件の過失致死を受け入れ、70歳まで社会には出てこない。
つづく(SVUシーズン24 あらすじへ)
かんそう
今回は頭のおかしいライフセイバーの事件でしたが、それと共になんとなくベラスコのストーリーが始まったのかなぁ? とも感じられました。
救助に失敗しディエゴを見殺しにしてしまったことからこの先広がっていきそうな……。展開的にはフェードアウトフラグって感じでしょうか?
またロリンズは、フィンから撃たれたのと同じ銃弾をお守りだって受け取ってだいぶ吹っ切れてきているのですが、それが「もう転職しようかな」な方向なのでやっぱりこちらも離脱? に向かって進んでいるのかな~と感じられました。
まあ調べれば情報は得られるんだと思いますが、私は基本的に真っ白な状態でドラマを見て予想して、サプライズを楽しみます!
そして今回の事件、改めて考えると高収入を盾に雇われたセイバーたちは、被害者かといえば微妙だな~というのが後味の悪さ? を感じました。
この善悪はっきりしない、それはある意味、エンタメよりも限りなくリアリティを追及した結果の新エンタメみたいなもどかしさでSVUの通常運転が戻って来た! と感じました。
ライフセイバーとして役に立たないのは本人たちが一番知っているはずですよね。
ピンスキーは、グレコに言われたから救助しなかったというよりも、したところで役に立たなかったのでは?
ロニーが証拠を集めていたのは、それが悪いと知ってるからでしょうし。
一番の被害者は溺れて救助されなかった方たちですよね……。
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