あらすじ
ファイターレイプ事件
ジョージア州マスデン出身のトミー・ベイカーという白人ファイターが対戦当日に自身のバンの中でレイプされ、頭部外傷で意識を朦朧とさせているところを巡回の警官に発見された。
車内に手がかりはなく、唯一怪しいのがスマホにあったゲイの出会い系アプリ。
試合会場から妻クリッシーと、疎遠だったトミーの父親が病院に駆け付けていた。
二重生活をしていたのかと思いきや、妻は夫がゲイであることを知って結婚していた。
「でも出会い系なんて使わない。ここ1年付き合っている人がいる」
アプリのインストールは昨日で容疑者による偽装に間違いなかった。
恋人
トミーの恋人は理学療法士のフィル・ディアスだった。
怪我によるリハビリで知り合い、付き合うようになっていた。
「今は関係を隠しているが、試合後には世界中が知るはずだった」
とフィルはトミーの回復を祈っている。
トミーはカミングアウトを計画していた。
知っているのは妻、トミーが所属する団体、FWOの会長で共同運営者ジャックス・ベル、限られた人間だけだった。
カミングアウトさせたくない人物の犯行か?
トミーの生活
ここ数ヶ月、出費が増えている。
昨夜勝てば支払いには困らない。
八百長の形跡はなし。
頭部外傷を負ったのは車内ではなかった。
当日のトミーの行動を追う。
練習場にいたファイター仲間のリッキー・ノワクに話を聞くと、金曜の朝、ジャックスと口論して帰っていったのがわかった。
クリッシーに確認をすると、ジャックスと揉めたのは知らなかった。
「試合前は地下のジムに一人で籠るの」
地下のジム
マンションのジムにはカメラはなかったが、地下の裏口にはカメラがあると案内してもらうと、駐車場までの廊下に血痕を見つける。
ジャックス
ジャックスは、試合がなくなった後始末の対応で多忙だった。
「苦情が殺到しているんでね」
あくまで協力的な姿勢を見せるが、口論について話を出すと、犯人扱いするなら弁護士を呼ぶと、態度を変える。
「何百万ドルの損失が出てる。試合に出て欲しかった」
ジャックスはカミングアウトには賛成で、史上初のオープンリーゲイ格闘家「レインボー戦士」として大々的にキャンペーンの準備もしてあった。
試合させないようなことをするわけがない。
「口論の原因は、急にカミングアウトをしたくないと言い出したからだ」
その理由は突然現れた父親。
「父親のデュークがクソ野郎だってのは知ってる。トミーは殺される、と怯えていた」
父親デューク・ベイカー
廊下の血痕はトミーのものだった。
同郷のロリンズはデュークの地元での評判を知っていた。
「ケンカっぱやくて有名。嫌な奴よ」
だがデュークの話を聞くと急に会いに来た理由はちゃんとあった。
「確かに不仲だった。ゲイであることも気づいていた。だから厳しく、従わせた……」
その結果、トミーはNYへ逃げていった。
「俺はガンで余命2ヶ月なんだ」
その話をしようとしたとき、トミーに電話が来て長いこと話していたという。
「金絡みのようだった。そのまま軽量の時間になっていて話してはいない」
父親は死の前に息子と和解をしたいだけだった。
だが手がかりはあった。
出費履歴
トミーの出費履歴には派手な買い物の中に、ポルシェのレンタル代月1000ドルが見つかった。
誰が乗っているのか調べると聴取に協力してもらっていたリッキーだった。
クリッシーに確認をするとポルシェの件は初耳のようだが、リッキーとトミーは仲が良かったと驚かない。
しかしリッキーのことを聞いていくと、クリッシーは隠していたことを打ち明ける。
「彼は私と深い関係なの」
リッキーのためにポルシェを借り、金を渡していたのもクリッシーだった。
「でもさらに要求されたの」
それをトミーが知ったのは試合前夜だった。
リッキー
リッキーのアパートを訪ねるとすでに荷物がなくなり、家を出た後だった。
夫婦のカードを持っているので使用のチェックを手配し、ポルシェを追う。
クリッシーとリッキーの関係は半年前から。黙っていたのは恥ずべきことだと思ったから。
当時トミーが知るとリッキーは負け犬だ、と会う事を反対され、以降隠れて会っていたという。
「別の女に取られたくなかった」
そのため、金や物を渡していたのだった。
「寂しかったの……。リッキーが犯人ね」
オキュラス駅でカードを使用したことから、リッキーを逮捕した。
リッキー聴取
「家賃は奴が持ち、カードも使い放題。女房も満たしてやった。
フィルと違って奴は男らしくない。公の場では本性を隠してる。
俺は悪くない、痴情のもつれだ。悪いのは誰だと思う?」
フィル
リッキーの証言によりフィルを聴取する。
俺はトミーを愛してる、と前置きして吐いた。
フィルは、カミングアウトすると聞いてクリッシーとも離婚すると思っていた。
だが、トミーにその気がないとわかり、利用されたと思った。
それで捨てられる前にお前ももらっておけ、とリッキーにそそのかされ、トミーの金でブランド品や腕時計を買って気を晴らしていた。
だがリッキーが現金を引き出し始め、マネージャーが気付いた。
「トミーからリッキーとまとめて呼び出された。
リッキーには俺が話すといって一人でジムに行った。
全部返すから許してくれと頼んだ。
するとリッキーがやってきてトミーの頭にダンベルを投げつけた。
血が飛び散り、リッキーが脈を確認して死んだ、と。
後処理はリッキーが一人でした。
お前は知らん顔して会場へ行け、と。あんなことをするとは……」
オリビアはフィルを責めた。
「ゲイを公表しやすい社会にしようとした彼をあなたは邪魔した」
フィルは取引きに応じて証言をすることとなり、起訴にはならないだろう。
その後回復したトミーは、事件へのコメントと合わせて、カミングアウトをし今後もファイターでいると主張した。
刑事局長
刑事局長の娘、10代のケイティが泥酔して朝帰りをした。
そのまま部屋にこもったので、刑事局長がドアをこじあけて夫婦喧嘩になっていた。
オリビアはそんな愚痴を聞かされていた。
がその後、フィンから刑事局長がその件で職権乱用していたことをきく。
実は通報をしていて、家に来た警官に誤通報だともみ消していたのだった。
オリビアはそれは聞いていなかったが、交通違反した時に警官と名乗ったりするでしょ、と騒がなかった。
「嫌いだからってこの件で排除しようと?」
「違う、君は彼の肩を持った。恩を売れるだろ」
「なるほどね」
その後オリビアは刑事局長にアンガーマネジメントを薦めた。
「考えてみる。だが本部には知られたくない。ここを知ってるだろ? 誰かを引きずり降ろせばのし上がれる」
今回も面白かった!
ですが事件が複雑というか雑というか、リッキーは結局バイってことですか?
それともただ単にファイターとして自分より成功しているトミーが隠れゲイであることがムカついて、貶めたかったからレイプしただけ???
でも自分で「痴情のもつれ」って言ってるのは実はトミーが好きで…とか捻じれた感情があったの??
そのあたりははっきりしませんでしたね……。
そんな釈然としないままの終わり方も、リアリティがあるとも言えますしSVUらしい…とも思えますが、もやもやの方向性が若干いつもとは違うような気もしなくもなく……。
どちらにせよ、色々考えさせられる内容であるということは間違いないです。
悪者にミスリードしていたジャックス会長さんが、カミングアウトをしたトミーの放送を見て、拳を握って喜んでいたのが凄く印象的でした。
あのカットだけで救われました。
でもマジな話をすると、トミーの自己中?さが原因かな、と思って乱暴にいえば自業自得……かな?
実行犯は理解不能なリッキーでしたけど、要因にはフィルをないがしろにしたトミーの判断もあると思うので。
事前にフィルともしっかり相談しておけば……。
でもそれとリッキーはまた別軸なので、リッキーやべぇ奴には変わりないんですけどね!
トミーは家族を大事にしたい、と離婚しないという選択は本当にクリッシーのためになっているのかな?
おっと、ちょうど最近ニュースにあった某ちぇるちぇるランドの人のカミングアウト離婚と重なってしまいますね。
2 件のコメント:
このエピソード、それぞれの登場人物が理解し難いです。一番はリッキー。彼はゲイの要素もあるのでしょうか。クリッシーと遊んでたのだからバイ?で、なぜダンベルでトミーを殴る?元々、殺したいくらい憎んでいたのでしょうか。
フィルも何度も「愛してる」というわりには悪いことしてるし。
クリッシーもトミーのお金でいい生活してるのに、リッキーごときに依存してるし。
まともな人はいないの?という感想でした。
小さな娘たちをシッターさん延長して、同僚のバイクの後ろに乗り夜の街に繰り出すロリンズ、楽しそうだった。オリビアも嫌いな上司に対して言葉を選んでアドバイスしているのに、相手は感じ悪〜でしたね。
このモヤモヤ感がジェーンさんのおっしゃるSVUらしさかもしれませんね。
たしかに登場人物全員、どこか欠けていると思える設定でしたね~
お父さんは頑固すぎてパワハラ家庭内DVっぽい雰囲気ありましたし、クリッシーは親友と結婚したもののゲイなので、女性として幸せかといえば100%言い切れないからリッキーのような男に依存してしまう。
トミーもなぜ恋人がいるのに、クリッシーとの家庭に依存するのか?
フィルはトミーを愛しているのに、どうしてトミーにそのことをちゃんと話し合わずに使い込みでうさ晴らしをしたのか?
リッキーは完全にヤバイ。
全員他人より自分の事が好き……? つくづく変な事件でしたけど、このぐちゃっとした感じがリアリティなのかもしれないですね
コメントを投稿