完全にネタバレしていますので、ご了承の上ご覧ください。
シーズン4は、残念ながらブリッジのファイナル・シーズンとなっています。
これまでの全10話という構成から8話に減っている上、シリーズの締めくくりも入っているので、若干駆け足で真相が明らかになっていないまま、でもあります。
それでも十分面白いのですが!
今回の事件は、前回から2年後。オーレスン橋の下で遺体が発見された事から始まりました。
また、セアボーの娘捜しのストーリーも継続していて今回完結しています。
真犯人(トミー殺し復讐連続殺人事件)
作中で明言されている真犯人は2名。
スザンヌ・ウィンター。
ニルスの秘書が、ユリアが携帯をスった相手だった。
(リュックにガイコツのキーホルダーをつけている)
ニルスの秘書になっているのも、復讐の為だった様子。
もう1人の仲間はケヴィン(ブリアン)。
車椅子は演技で、すでに完治していて自由に歩く事が出来た。
セアボーにも身バレしないよう、ケヴィンは偽名で本名はブリアン。
こちらも、セアボーの情報を仕入れる為にセアボーに近づいていたと思われる。
スザンヌが逮捕された後に、残った計画を続行しセアボーを苦しめる為に自宅に押し掛けてアストリッツを殺そうとして正体をばらした。
その他の協力者
トミー殺しで復讐をする動機のある遺族として、以下の2名も犯行にかかわっていた可能性はあるが、作中では謎のまま。
トミーの母親ソルバイ
ケヴィンの祖母にあたるが、連続殺人を計画実行していたケヴィンの部屋に気軽に出入りしてPCを使用している様子や、そもそも復讐の意思が硬い事から、何も無関係だったとも思い難い。
また、ケヴィンの関与にサーガが気付いたきかっけとなった「エルサを脅す為に娘を保育園で隠し撮りをした写真」。
150センチのフェンス越しに撮影されていたのが車椅子の人物だと連想させた発端だったが、そんな目立つ状況で隠し撮りするだろうか?
そしてケヴィンは実は普通に歩けるので隠し撮りをするのなら、目立つ車椅子は使わないのではないか?
などと考えると、背の低いソルバイが撮影した可能性も考えられる。(が、真相は謎のまま)
トミーの元妻ニコール
今では再婚して、浮気でできた子供も産んでいるが4年前はトミーと結婚していたから、殺された恨みはゼロではないはず。
その上、マーガレテ移送に使われたモーガン・ソニングの黒い車をスザンヌが運転できなかった事はアリバイが証明している。
それもケヴィンが運転していた可能性もあるが、トビアスの整備工場から車を持ち出して自由に出入りしてもニコールなら誰も何も気にしない。
キーボックスがあるのも、客には出入りできない従業員エリアだった事からニコールが運転手をしたと考えられる。
だがこちらも、作中ではかばい合っているのかスザンヌは自分がやったと証言したまま。
どちらにしても、表向き歩けず車椅子生活を装っているケヴィンと女性のスザンヌ2人だけで、やり切ったというのは謎が残る。
半面、人手が足りないので、ハンスの掘り起こし等の力仕事はシーラス・トゥクセンを脅してやらせていたのには、納得感がある。
連続殺人の動機
動機は、4年前にトミー・ピーターセンが殺された事による遺族の復讐。
ケヴィン(ブリアン)は、トミーの息子。
スザンヌは、当時はステファニーと偽名を使ってトミーと付き合っていた彼女だった。
トミーには、妻ニコール(ケヴィンの実母)がいたが、足を洗ったてスザンヌとやり直す計画になっていた。
トミーが殺された経緯
トミーは、ウィリアムの組織の下っ端で縄張り争いの抗争では殺人も強いられていた。
そんな生活に嫌気が差して、警察の情報提供者となり足を洗うつもりだった。
ある抗争のスケジュールが分かった時、トミーは警察の担当者に報告した。
そこに踏み込んでもらって摘発してもらい組織を潰してもらう。
やっとトミーの望む足を洗えるタイミングが来た、と思っていた。
だがデンマーク署は、検事の判断でその情報を様子を見る事にしていた。
結果、抗争は止められず、6人の犠牲者が出た。
トミーは、警察に裏切られたと感じた。
担当者に掛け合っても埒が明かなかったので、心理学者に情報提供者を辞められるよう、診断書を書いて欲しいと頼んだ。
だが、心理学者は嘘はつけない、とマニュアル対応で済ませた。
すると怒りを感じたトミーは、記者にタレ込んで抗争を記事にしてもらった。
「抗争で6人死亡。
警察の怠慢、情報を無視」
新聞の一面に載り、話題になったがその記事には匿名のはずの告発者がトミーであると分かる記述があった。
トミーがタバコを吸う前にフィルターをちぎる癖が描写されていたのだった。
それを読んだウィリアムは、部下の犯人捜しを始めた。
トミーを呼び出すと、タバコを渡し癖を確認した。
トミーは、ウィリアムに呼び出された際に念の為に保険をかけて、親友に近くに車で待機してくれと頼んでいた。
だが、親友はその約束を守らなかった。
結果、トミーはウィリアムに拷問を受けた末に殺された。
復讐とそのターゲット
トミーの死から4年後、恋人のスザンヌと息子のケヴィン(ブリアン)は復讐として「処刑」を開始した。
だが、その手法はトミーの死に関わったターゲットそのものの命を狙うのではなく、自分たちと同じ気持ちを味合わせる為に、ターゲットの愛する大切な人を奪う事にしていた。
そして罪を感じさせる為に、それぞれを既存の処刑法で殺した。
1人目:マーガレテ・トワモウ(妻)/石打ち
真のターゲット:ニルス・トアモウ(夫)
トミーの心理学者で、助けを無視した。
オーレスン橋の下で石打ちされて殺害。
運転手(スザンヌ以外)の1人だけで一晩中石を投げて殺したのか、謎。
2人目:パトリック・ダルクビスト(双子の弟)/電気
真のターゲット:リッカッド・ダルクビスト(双子の兄)
トミーの記事を書いた記者。
記事のせいで身バレした。
リッカッドの自宅のジャグジーで感電して殺害。
感電させる仕組みをスザンヌとケヴィンの2人だけに用意できたのか謎。
3人目:レオノラ・ランバーグ(娘)/毒
真のターゲット:ウィリアム・ランバーグ(父親)
トミーの雇い主で、トミーを拷問して殺した張本人。
入院中のレオノラに毒を盛ったと信じ込ませ、解毒剤だと言ってドローンで本当の毒を渡して、ウィリアム自身に娘を殺させた。
毒は闇サイトで買ったと証言しているが、ケヴィンの部屋には海水の水槽があったので、そこで使われた毒を持つアンボイナガイを飼っていた可能性もある。
4人目:馬(愛馬)/ガス
真のターゲット:ビベケ・ヤコブセン(夫よりも馬が大事)
検事で、トミーの抗争の情報を無視するように指示していた。
馬をガス室に入れて殺害。
ケヴィンとスザンヌの2人だけで大掛かりなことができたのか謎。
5人目:サンドラ/首吊り
真のターゲット:モヨ(夫)
トミーの親友で、車で待機する約束を守らずトミーは逃げ損ねてウィリアムに捕まった。
モヨの留守中(警察で取り調べを受けていた)、自宅のドアに首を吊って殺害。
スザンヌがその場にいたと証言したが、セアボーを撃ったシルエットは男だった。
6人目:故ハンス(元夫)/斬首
真のターゲット:リリアン(元妻)
ビベケの指示を受けて、トミーの情報を無視するようセアボーに命令した。
ハンスの遺体を掘り起こされ、生首をバスケットで送り付けた。
掘削機の手配や掘り起こしをしたのは、スザンヌに脅されていたトゥクセンと仲間だと判明している。
7人目:アストリッツ(娘)/銃殺(未遂)
真のターゲット:セアボー(父親)
当時デンマーク警察のトミーの担当窓口が、セアボーだった。
ターゲットは、最初はサーガだったが娘のアストリッツと再会した事からアストリッツに変更した。
サーガには、最初「斬首」が割り振られていた。
だが、刑務所にいるエルサを脅して命じたが、首を切り落とす事など出来ず失敗していた。
その後、スザンヌとサーガが対峙した時にスザンヌが発砲したがこれも失敗。
成功していたら「射殺」になっていた。(とスザンヌは取り調べで言っているが、すでにターゲットがアストリッツになっているのを気が付かせない為の発言かもしれない)
スザンヌの逮捕後、アストリッツとの再会を知ったケヴィン(ブリアン)は祝いだと言って、自宅に押し掛け油断したセアボーを背後から殴って拘束。
アストリッツも拘束して、セアボーの目の前で銃殺しようとしたが、サーガが間に合い未然に防いだ。
ケヴィンは顔を撃たれて恐らく死亡。
復讐以外の殺人
シーラス・トゥクセンとその仲間?
ハンスの生首を入手する為に、掘削機の手配から墓の掘り起こしなどを手伝わせた挙句、最後は口封じに殺している。
シーラスを選んだのは、捜査のかく乱目的だと思われる。
射殺していたが、トミーとは無関係なので処刑には数えられない。
ダグラス・カアーブ
ニルスが雇った私立探偵だが、ニルスの頼みでマーガレテ殺害周辺を調べていたので、念の為殺したと思われる。
こちらも射殺だが、トミーの復讐にはノーカウント。
作中では、失踪から事務所で血痕発見で事件扱いになっていたが、その後の捜査は描かれていない。
セアボーの娘捜し
シーズン3から登場したセアボーの失踪した家族の謎も、今回スッキリ真相が判明しました。
真相
犯人はフランク・ヴァールグレン。
アリスと娘は、誘拐されたのではなく職場を通じて出会った相談員のフランクと出かけただけだった。
フランクは、病んでいてアリスに目をつけてアリスを自分の家族にしようと思っていた。
だがアリスには、夫ヘンリックへの不満はあっても当然そんなつもりはなく、家に帰ろうとするともみ合いになりひどく転んで死んでしまった。(フランク談なので、意図的に殺したのかもしれない)
そして娘達には、アリスだけ帰ったと言って自宅に連れて帰った。
最初から自分の娘にするつもりだったが、数日後に両親が飛行機事故で死んだと嘘をついて正式に父親になると告げた。
(アリスの遺体は先に発見されている)
ソフィーとクリストファーの親子は、フランクが予定していた妻と子供2人という掛けた穴を埋めるのにぴったりだったから、目をつけたと思われる。
だが、クリストファーが意外と勇敢だった事から逃げ出し、フランクの異常性が警察に伝わり逮捕となった。
結局、「村」そのものに事件性があったわけではなくフランク個人の病的な問題だった。
姉のアンナ
アストリッツの姉、アンナは盲腸になったのに病院に行けずに苦しんで死んでしまっていた。
フランク曰く、病院に連れて行こうと決心した時に手遅れになってしまった、とあくまでも連れていくつもりはあったというが、正規の手続きで養子にしていないので本当の所は分からない。
ただ、アストリッツを見ても娘達が虐待を受けていたという事はなく、フランクなりに娘として愛して育ててはいたようだ。
アストリッツ
アストリッツは、両親が死んだと聞かされたままフランクに育てられていた。
その為、サーガの見立てでは解離性同一性障害の疑いがあると考えた。
だが困難に思えたアストリッツのセアボーに対する感情も、不幸中の幸いでケヴィンに命を狙われた時のセアボーの振る舞いで、親子の絆が急速に芽生えたのではないかと思われる。
まさに雨降って地固まる?
ストーリーとしての結末
繰り返しになりますが、このシーズン4でブリッジ・シリーズそのものがファイナルとなりました。
サーガは封印していた母親の遺品から、母親が代理ミュンヒハウゼン症候群である事の証拠を見つける事が出来ました。
同時に、カウンセリングを経て「妹の自殺を防げなかった罪悪感から警察官になっていた」という事実を認めることも出来ました。
結果、その罪悪感という背負い続けていた重荷をもう下していいんだ、という所に行きつくことが出来ました。
シーズン1からを思い出すと、登場当初がまるで赤ちゃんのようで、サーガは信頼できる人と出会う事で素直に影響を受けて成長してきています。
最終回で、サーガが決めたのは警官を辞める、という事でした。
ただの「サーガ・ノレン」となってまず最初は旅に出る。
何をしたいのか、どこへ行きたいのかもわからないけど。
でもサーガはきっと、またセアボーの元に戻ってくるはず。
何故なら、セアボーの方がサーガを必要としていると思っていたけど、実はサーガこそセアボーに恋をしていると気づいたから。
その時には改めてアストリッツを紹介してもらう事でしょう。
今はアストリッツのいる家で同居をする事はできないと言っているサーガですが、また成長したら一緒に住むという選択をするかもしれません。
というか、してもらいたいし、そういう明るい未来があると信じていたいです。
サーガが警察のIDをオーレスン橋から捨てて、ただの「サーガ・ノレン」と電話に出てブリッジは幕を閉じました。
今回は話数が少ない事やファイナルであるせいか、サーガの邪魔をするような存在がいなかったのは、ストレスがなくて良かったです。
ただその代わりに、途中サーガの妊娠からの、セアボーを失いたくなくて勝手に中絶を選んだという、ハードな展開がありました。
当然、子供を望んでいたセアボーは初めて激怒しサーガを拒絶し続けました。
これまでいろんなサーガの困難を見せられましたが、一番きつかったかも。
サーガがセアボーへの感情を自覚し、その為に必要だと思って決断した事でしたから。
(サーガにとっては子供は、関係上の障害となる存在)
これまでサーガラブだったセアボーにとっても、サーガの一世一代の愛の告白は本来ならば飛んで喜ぶはずの出来事なのに、勝手な中絶への怒りでそれどころじゃなくなってしまったという……。
本当に残念な展開でした。
でもサーガはセアボーの信頼を取り戻す為に、娘捜しを再開させそれを実現させました。
結果的にはクリストファーの駆け込みが決め手にはなっていましたが、フランクとアリスの接点までは独自でたどり着いていたので、セアボーにとってはサーガのおかげ以外の何物でもないので、無事元の2人に戻れました。
これから、という時でもありつつ、セアボーにはアストリッツとの生活の方が大事でもあり、いろいろ見たいドラマが残されているのですが、後は勝手に妄想するしかもうありません。
その他の出来事
ヨナス
横柄な態度からリーク犯の疑いがかけられていましたが、結果リーク犯だったようです。
(通話履歴をバーバラが調べると、リークのタイミングでプリペイド携帯に掛けていた。
相手は女の声で一度だけ出ていた)
ヨナスについては、あまりにも小ネタすぎるので、本当はトミー殺しに絡んでいたんじゃないのかな、と深読みしてしまいます。
話数が少なくてカットになった名残りかな、と。
リークの相手が女性というのは、スザンヌと考えられるし。
リリアンやビベケの情報を得るのに、ヨナスなら適役だし。
ユリアとイダ
最初は、姉妹と年齢からセアボーの娘?! とミスリード役感満々でしたが、早々に娘ではないと明言されてもう役目は終了かな、と思ったら意外と最後まで出続けました。
最終的には、たまたま事件に巻き込まれただけだと判明しましたが、セアボーの父性を刺激する存在でもありました。
アストリッツが見つかった後にも、姉妹の事を気に掛けているセアボーの描かれ方も良かったです。
ソニング夫妻
モーガンとマレーネは、完全に巻き込まれ事故の被害者でしたw
トミー殺しには、間接的につながるとはいえトミーの元妻の再婚相手がモーガンの兄弟、というほとんど無関係。
なのに、車を使われたせいで疑いをかけられ挙句、モーガンの浮気でニコールの子供の父親である事が、サーガによって露呈して最後には離婚騒動に。
ほんとに踏んだり蹴ったりとはこの事w
また、マレーネの疎遠になっている娘の名前がステファニーというのにも、振り回されました。
シリーズ通しての謎
セアボーの家族の謎も判明して、基本的にスッキリと最終回を迎えてはいるのですが、気になるのはシーズン2のエコテロリストの黒幕が謎のままな事です。
どこかでいつか登場して、真相が紐解かれるんじゃないかな~、と期待していたのですが、もうシリーズ終了ですので永遠の謎に。
とはいえ、今回のトミー復讐チームにしても詳しい真相は判明していませんし、それもまたブリッジの味という事で納得したいと思います。
最後に
今回は、シーズン3までの分と違い、放送を見てすぐにあらすじと感想を書いてまとめているので結末を知ってからまた見直しての発見については、まったく触れられていません。ブリッジは、結果を知ってから見る楽しみもあるので、本当に何度も楽しめるドラマです。
以上
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